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キャンプファイヤーダンス

謎の歌で

謎の踊りを



小学校の行事で林間学校があり、全く縁もゆかりもないところに行った。何をしたかあまり覚えていないけど、満点の星空が美しすぎて感動したということと、キャンプファイヤーのとき謎の歌を歌いながらダンスをしたという意味不明な記憶だけが残っていた。

謎の歌はメロディは覚えているものの歌詞は曖昧で、ダンスは忘れてしまっていた。クルクル回ったような気がするけど、端っこにいた人から中央に引き摺り込まれていって怖かったという思いの方が強く残っている。全体的に曖昧すぎて誰に確認することもできず、自分がいつの間にか作った幻の記憶だったのではと無かったことにしていた。

先日たまたまこの地域の話になり、小学生のときに行ったことがあるという話をした。その際にキャンプファイヤーで謎の歌を歌ったと説明したら、やはり誰も知らなかった。もし引っ掛かればラッキーだなくらいの軽い気持ちで、インターネットで歌詞を入力して検索してみたらまさかのまさか。ドンピシャすぎる記事が出てきた。

林間学校の土地がなぜそこだったのかという理由も、キャンプファイヤーで歌って踊った謎の歌の歌詞も振りも全てが判明。あれは記憶の改竄などではなく、現実だったんだなと。20年越しの答え合わせに1人で大興奮した。もっと早く検索しておけばよかった。

分かったからといって何が変わるわけではないけど、記憶が肯定されたという感覚は何にも例え難いスッキリ感があった。今思い出しただけでも嬉しいし、いまだに誰かが同じように謎の歌を歌いながら謎のダンスを踊っているのかと思うと嬉しさが込み上げてくる。孤独感から解放されたというと大袈裟だろうが、それくらいの気持ちかもしれない。

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