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不妊治療#95 妊娠届と母子手帳

7週と3日目。

秋がだんだん深まってきて
散歩していると、紅葉が綺麗でハッとする。

体調は目まぐるしく変化していて
持病の腰痛は日々、強くなってきている。
今後の妊娠生活には厳しいかもしれない。

最近、つわりが始まった。
毎日、吐き気を抑える工夫をしたり
着る物を変えたりして、色々試している。

昨日は15時半にどうしてもトマトが食べたくなり
近所のイタリア料理のお店をあたったが

美味しいお店はすべて閉店時間だったので
人生で初めて「サイゼリア」に行った。

コスパ最高で、夫は大量に食べていたけれど
結局、トマトはあまり摂取できなかった。
やっぱり自分で作るのがベターだと思った。

一昨日は、ゆで卵を6つも食べた。
その前の日は、バナナを4本も食べた。
体重増加が心配だ。

赤ちゃんの方は、まだ10mmくらいで
7週目は脳が作られるとても重要な時期らしい。

前回の診察で、心拍が確認できたので
区役所で母子手帳をもらってくるよう
医師から指示があった。

母子手帳とともに妊婦健診の受診券をもらい
次回の診察からは、それを使うようだ。
そのあたりのシステムはよく知らなかった。

母子手帳には憧れがあった。
マタニティマークに対する羨望みたいなものが、
文具好きの私にとっては母子手帳なのだ。

人生の特別な期間にだけ使える、
それも6年間2人分の情報を書く手帳。
こんな素敵な物が他にあるだろうか?

なので、嬉しくなって、何も調べずに
診察の帰りに一人で区役所に行って
母子手帳を受け取ることにした。

手続きは「妊娠届出書の提出」がメインだった。

私の自治体では、マイナンバーカードだけあれば
妊娠届を提出することができる。

妊娠届のフォーマットは自治体によって異なる。
私の自治体のは随分、細かかった。

・個人情報(住所・氏名・生年月日・職業)
・妊娠前の身長と体重
・妊娠を知った気持ち(嬉しいか悲しいか)
・妊娠判定した医療機関
・出産予定日
・里帰り出産するかどうか
・妊娠前に相談できる相手の有無
・妊娠後に相談できる相手の有無
・産前・産後サービスが必要かどうか
・精神科や心理カウンセリングの受診歴があるか
・不安なことがあるか

こんな感じの内容だった。
記入後に、担当者がさらに一つずつ掘り下げる。

私は「里帰りしない」を選択したので
その事を中心に質問された。

実家はどこにあるか、夫の実家はどこか。
困っていることはないか。

これらの質問が終わって、やっと
母子手帳やマタニティマークを受け取った。
自治体の子育て事業のチラシも色々もらった。

母子手帳には出生連絡ハガキが挟まっていて
出産したらすぐに投函してほしい、とあった。

出産後4ヵ月で新生児訪問をするらしい。

隣の窓口では、保育園に入れなかった親たちが
語気を荒げて必死で窮状を訴えていた。

待機児童問題。
私も保育園には、ほぼ確実に入れないだろう。

妊娠届の細かい質問を思い出した。

きっと私の自治体でも、ニュースで見るような
児童虐待、家庭内暴力、貧困家庭が多いのだ。

妊娠届でできるだけ情報を得ておくことは
そういった家庭問題に対応する為に必要だろう。

この数十年で、日本の家庭環境は一変した。
会社員の給与は上がらなくなって
専業主婦は減り、共働きが普通になった。

しかし育児や教育環境は、変化への対応が遅い。
その歪みが、主に母親と子供に
負担や暴力となって、のしかかっている。

私も共働き家庭で育てられたので
家庭が機能不全になる過程は、想像できる。

共働きでお金を稼ぐ力があったとしても
お金を貯める、使う、増やす、守る力が無ければ

資産は減り、家庭は崩壊に近づいて行くし
家は物で溢れてゴミ溜めみたいになって行く。

最低限の生活環境が整わない家で
充分な愛情と教育を与えるのは、とても難しい。

お金と時間、愛情の示し方。教育。
育児はこの世で最も難しいプロジェクトだ。

これから、そこに乗り込んでいく。
それも妊娠するために高額な治療費を払って。

こんなに非合理的な事はない。
それでも子供を持つことを選んだ。

絶対に幸せで居続ける。
絶対に夫と子供を幸せにする。
そのために全力を尽くす。

区役所で、そう心に決めた。

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