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限界人間の晩餐。

疲労困憊。
帰宅した瞬間に頭に浮かぶ四文字熟語はそれである。気力だけでシャワーを浴びて、いつもの部屋着になった時、ようやくゾンビ状態から人としての何かを取り戻したような気がする。
店に寄り道する気力もなかった時、もしくは、少しだけ早く帰宅できた時は、焼き鳥をつまみに缶チューハイをちびちびやるのがお気に入りだ。
焼き鳥と言っても串に刺さったアレではなく、鳥もも肉を焼いただけの鳥焼きだ。
鳥もも肉のぶつ切りを、フライパンに並べる。皮目を下にして弱火でじっくり焼く。フライパンの鍋底に火が届くか届かないかくらいの弱火だ。テフロンが剥げてなければ油はひかない。じっくりじっくり焼いていくと、鳥から脂が出てくるのである。
脂が出てきたらそれをフライパンに塗り広げ、ネギのぶつ切りを並べる。これも弱火でじっくり焼いていく。
じわじわじわじわ焼きながら、お皿と、お皿の端にたっぷりの辛味噌をスタンバイ。
あとは缶チューハイ片手に、焼き上がったものから辛味噌をちょいちょいっとつけて食べるのである。
1Kなのでフライパンで調理しながら、と言う横着っぷりだけど、友だちが来るならホットプレートを出してもいいかもしれない……持ってないけど。
コロナ禍が過ぎたら買ってみるかなぁ……。
じっくりカリカリに焼いた鶏皮は旨いし、鳥の脂でじっくり焼いたネギは柔らかくて甘くて最高。余力があったら茄子やエリンギを焼くのもいい。
常に熱々の状態が食べられるのも贅沢な気分にさせてくれる……。
見てるんだか見てないんだかわからないランキング番組を見流しつつ、焼きたての鶏やネギを摘まんで、缶チューハイ。
そんな風に、今日の夜は過ぎていくのでした。

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