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テンホウのタンタンメンを改めて考える。

ごきげんよう、金の字です。

今回は長野が誇る有名ファミリー中華チェーンこと、テンホウの中でも
タンタンメンについて取り上げようと思います。



まずは担々麺から考えてみよう

担々麵とは、

担担麺また担々麺(たんたんめん、中国語: ダンダンミェン、拼音: dàndàn miàn、成都方言: ダンダルミェン)は、中国四川省発祥の、辛味を利かせた挽肉ザーサイの細切りなどをのせた麺料理である。
(中略)
日本の担担麺は、麻婆豆腐と同様に、四川省出身の料理人陳建民が、日本人向けに改良した作り方を紹介して、各地に広まった。
一般に中国のものと比べて直径で1.5倍以上、場合によっては3倍ほどの碗で出され、スープが付き、ラーメンのように、一杯で一食が事足りるようになっている。そして、辛さを抑えるために、ラー油と芝麻醤の風味を効かせたスープを合わせ、汁麺として出されることが多い。汁の味や辛さは中国のものよりも薄く、飲める程度になっている。

出典:Wikipedia

ということで陳建民さんがアレンジした、汁のある担々麵が
今よくあるパターンの担々麵であると考えられます。
一般に芝麻醤とスープが乳化し、ラー油を浮かべ、麺も中太くらいから、
辛みを乗せた具材(ひき肉+いろいろ)と青梗菜が乗ってる…みたいな。

どちらかというと中華料理屋さんのものがこのパターンで、
最近流行りなのは汁なし担々麵として様々アレンジが加わったものですね。

テンホウのタンタンメンは何が違う?

おなじみのテンホウ一番人気! タンタンメン
ゴマには栄養素がたっぷり。
ピーナツなど混ぜることなく純ゴマだけで作り上げています。
お肌にもよく「クレオパトラ」や「楊貴妃」も国中のゴマを集めていたとか?!

テンホウでは、この栄養価の高いゴマを使った「タンタンメン」を、ラーメンと同じように「お子様でもお召し上がりいただけるように」と辛さをなくしました。
その結果として、よりゴマの風味をお楽しみいただける商品となっております。

出典:テンホウHP

テンホウタンタンメンの大きな特徴は、“辛さをなく”したこと。
あのひき肉、独特のうまみがあるんだけれども、
何種類かの赤味噌とか使っているらしい。
テンメンジャンとも違うけど、複雑。

そして、ゴマ。
オペレーション上の都合かと思うのだけれども、
ゴマだれと甘酢だれを合わせるとバンバンチーメンのたれ。(店舗での動きから想像した個人の感想です)
ゴマだれのみでラーメン醤油だれと合わせてガラスープを加えたのが
タンタンメンのスープ。乳化してないんだけど、
遠くに生姜の風味を感じるのは気のせいかどうか。
コロナ禍でSTAY HOMEな時期にタンタンメンを再現しようと頑張った時、
ゴマのみでなく生姜と少しお酢を入れたときにそれっぽくなった印象。

もう一点、スープで旨味を追いかけすぎていない、というところ。
醤油ラーメンと比べても、油のうまみはないように感じます。
ただし、ゴマ由来の油脂のコクは確実にある。
スープの出来にあまり影響されない印象もあるので、
ひき肉+ゴマだれの引きの強さがあるかと。

テンホウのタンタンメンは外に出すと再現できないとは言われます。
おそらく、原因は『テンホウのタンタンメン』に対する解像度。
材料をいくら同じにしたとて、
組み立て方を完全に同一にしないと、ああいう感じにならなそう。

辛口タンタンメン、という裏切り

そんなタンタンメンの存在価値を真っ向否定するようなメニュー、
辛口タンタンメン。
こいつに辛さを足しているのはラー油と白菜キムチ。
だから、世間一般の担々麵とは完全に別な食べ物。
とはいえ、これはこれできっちり成立しているのが面白ポイント。

台湾ラーメンという、延長線

あくまで個人的な意見ですが、
テンホウの台湾ラーメンもタンタンメンを再構築した延長にあるんじゃないかと。
この台湾ラーメンも(テンホウ製のキット使わず)再現したことがありますが、(オリジナル錬成した)タンタンメンのひき肉とゴマだれを使うと、
テンホウっぽい濃厚な台湾ラーメンができる。
お店ではひき肉は生のものからやってるぽいけど、一般的な
台湾ラーメンの構成とはだいぶ違うと思うんだ。

ご当地ラーメンとしてのテンホウ

そういったわけでテンホウといえば、今やタンタンメンが代表格。
その特徴から、ご当地ラーメンとしてもポテンシャルはある。
あるんだけど、ほかのお店でこれをやると、きっとうまくいかない。
解釈の多様性でぼやけてしまう。おそらく違う食べ物になる。
そう、最終的に担々麵に戻ってしまうんだ。
だからこそ、テンホウのタンタンメンは尊い。

次回テンホウに行く機会があるなら、
タンタンメンに思いを馳せてほしい。あいつは裏切らない。


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