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竹原ピストル 新アルバム「STILL GOING ON」を聴いての感想

8月25日に発売されたアルバムについて今更ながらの感想

まえがきーnoteに感想を残そうと思った訳


__待望の弾き語りアルバム?

メジャーデビューしてからのアルバムは楽器を加えてアレンジされた曲が多い。それも違った味わいがあっていいのだが、

「そろそろ弾き語りだけのアルバムを聴きたい」

と、ずっと思っていた。


今回もアレンジされている曲はあるものの、その数は少ない。
そして、そういった曲が浮いている感じが全くなかった。

味付けが濃いなぁ。癖がるなぁ。と正直思う時があるが、今回は何度も食べたくなるような良い塩梅だった。

音がいつもより少ないのは今の状況下にも合っているし、その分弾き語りの臨場感を味わえる。

待望の(ほぼ)弾き語りアルバムと言ってもいいと思う。




__曲の意味ってふと分かるときがある

このアルバムを聴いたときに
「ずっと聴けるアルバムに出会えた」と感じた。

そう思ったのは弾き語りというスタイルや楽曲の良さも当然ながら詞の奥深さを感じたからだ。

奥が深いけど、どれくらいの深さなのかも分からなければ、そこにある何かも拾い上げれなかった。つまり、理解が出来ない詞が多かったのだ。

それは逆を取れば理解する楽しみが増えたということでもある。

そういう意味でもずっと聴けるアルバム、これからも発見の楽しみがあるアルバムだと感じた。


だから「あのときこう思っていた」ということを書き残して置きたくなった。



前置きが長くなったが楽曲の感想を1曲ずつ綴ってみよう。


1.とまり木


1曲目。アコギのイントロを聴いて、弾き語りアルバムきたかもしれない!と期待にテンポに胸が弾む。

Bメロの音程のアップダウンが聴いていておもしろい。
そこからのサビ

(1サビ)
“ここまでを来れたんだ
ここからを行けないわけがねーさ”

歌詞の強さと歌い上げの気持ち良さ。曲の高揚感がダイレクトに伝わってくる。


注目したいのは2番のサビ〜ラスサビの歌詞

(2サビ)
ここまでを来れたんだ
ここからを行けないわけがねーさ”と

(ラスサビ)
そう思い続けることで
そう信じ続けることで
ここまでを来れだんだ
ここからを行けないわけがねーさ







2番の終わりに置いた「と」のひと文字、これが効いてくる。
これがあることで、そこまで歌ってきたことが過去となる。
そして、ラスサビは1、2番であったダブルクオーテーションマークがなくなり、現在進行形に。
これからもやってきたことをブレずにやっていく。という思いが伝わってくる。

アルバムタイトル『STILL GOING ON』(まだ続く)のど真ん中を行く晴らしい幕開けの曲だ。


自らのMCでネタにしてたほど「ラララ♪」だとか「WowWow♪」だとかは曲に入れてこなかったという彼だがこの曲では低めの音程で「Wow Wow Wow Wow~♪」と歌い上げる。その意味を探ってしまう。
なにかはじまるワクワク感やWowを重ねることでのエンドレス→続けるという意味が込められているのかなと現段階では思っている。

今回のアルバムではこのような言葉にならない歌い上げが何度か登場するのも特徴的だ。



ちなみに2011年発売のアルバム『SKIP ON THE POEM』の収録曲『最終電車は次の街へ、そしてまた次の街へ』ではため息として歌詞にはない「あぁ」が歌われている。言葉にならない歌の最初の曲かも知れない。

3年前にこのため息の意味に気付き初めたのだがまだ理解仕切れてない。理解できる人にはきっと秀逸な曲なんだと思う。

この曲には好きなポイントまだあって、最後にギターのボディを「とんとん」と叩く。これが電車の「ガタンゴトン」に聴こえて生で聴いた時に凄く切なく感じたのを覚えている。








2.たった二種類の金魚鉢


自身の出演映画『永い言い訳(2016)』にインスピレーションを受けて書いた曲なので、このタイミングでの収録に驚いた。3作品前のアルバムに入っていてもおかしくない。

歌い込んで来ただけあって素晴らしい完成度。歌い上げが切なくて、何十回も聴いているしアルバムの中では今の時点ではいちばん好きだ。


彼の歌詞の書き方で特徴的なのは「逆説的」な書き方だと思う。
この曲では[Bメロ・Cメロ・サビ]がその方法で書かれている。

(サビ)
お魚はいいね
水の中では涙を気づかれずにすむだろう
お魚はかなしいね
水の中では涙に気づいてもらえないだろう

素晴らしい歌詞だ。ふたつの事を対に書く事で深みが何倍にも増す。これが彼の代名詞であり持ち味だと言える。

今まではこのサビを「いつでも泣けて羨ましい。けど、かなしさを気づいてもらえないお魚って、辛いなぁ。」という風に捉えながら聴いていたが、今回聴き込んでいる内にお魚ではなく、人間らしさの方に目がいった。

「構って欲しい/欲しくない」という気持ちの移り変わり。それによる人間の面倒臭さ。そういった態度に振り回される人間。

涙は素直だけど人間は複雑で不器用だよなぁと思う。



ただ他の歌詞に関しては[Bメロ・Cメロ]含め分からない部分が多くて

(1B)
わたしにとっての良い知らせは
あなたにとっての悪い知らせ
(2A)
だからそこですかさず
覚悟だの勇気だのを持ち出してくるなよ
空をきる尾びれのよう
並ぶ影と影

具体的なイメージが沸かない。
経験不足なんだろうなぁ。

(Cメロ)
申し合わせてもいない待ち合わせ場所で
交わしてもいない約束を
もう幸せではない待ち合わせ場所で
枯らして間もない約束を

「もう幸せではない待ち合わせ場所」
永い言い訳で言うと冷めきって無機質な家(家庭)のことで、

「枯らして間もない約束」
これはは結婚のことなのかなー。とか、

そうなると「交わしてもいない約束」ってなんだ?

「申し合わせてもいない待ち合わせ場所」
死?のことだろうか。

そんなことを今回感じたがしっくりこない。



そもそも
『たった二種類の金魚鉢』
というタイトルそのものの意味もわかってない。

「二種類の金魚鉢」からは同じ水槽では住めない魚がいるように、同じ世界には居れないふたりがイメージできる。

「たった」がわからないんだよなぁ。



3.御幸橋


日本語の選び方だったり、ギターの音色が渋い。
トラック7『Float Like a Butterfly, Sting Like a Bee !!』では自身のギターのことを「日本刀YAMAHA」と例えている。

まさに侍のようで、刀が空を切る音や刀が反射するギラギラした光を連想してしまう。


特徴的なのは[Aメロ→サビ→Aメロ→サビ]の繰り返しだけで構成されているところ。しかもサビの歌詞は一行。

月は鍵穴のように動かない

誰も考えつかないワードがどうしようもなく印象的だ。月が動かないのは実体験としては持ってはいるが「鍵穴のよう」とは果たしてどういう意味なのか。そんなサビが4番まで何度も襲ってくる。しかもこのサビ、どういう訳かテンポが若干遅く聴こえるので余計に引っかかる。


シンプルな構成であるが故に短調になりそうなのだがそんなことは全く感じられない。ギターの疾走感がとにかく凄まじく、1本のギターから鳴っている音とは思えないほどだ。
さらに3番の終わりではシーンが切り替わるようにギターの演奏がガラッと変わる。侍同士が刀を握り、間を取るような静けさ。そこから再びの疾走感。音だけで面白いがAメロで描かれている情景も理解したい。



4.なにもしないがしたい


初回特典には写真集が付属される。これは2019年9月から行われ、コロナの影響で完走できなかった『It's My Life』ツアーの旅の様子を収めたものだ。自分自身このツアーには9月4日の狭山、年末の代々木競技場に参戦している。

狭山で初めて聴いたのがこの曲でずっと音源化を待っていた。とにかくサビにやられて、

(サビ)
君となにもしたくないんじゃなくて
君となにもしないがしたい

そこを突いてくるのかと。こういう日常をちゃんと見逃さずに最上級のワードで表現に出来るのが彼の強みだと思う。

彼のラブソングは「好き」という言葉が登場しないところが良い。

「男女間」というよりかはまず「人間」が先で、
「恋愛」という親密感よりかはそれより広くに向けられる「愛情」

という視点が前提にあるように思える。でも書いてあることは広くなくて逆に一部分だから登場人物がそこでちゃんと生きていて人間味が感じられる。

これはほかの曲でも言えることだけど、
多くの人に対して書いた曲よりも、
一人対して書いた曲の方がより多くの人に届く。
と彼の曲を聴いたりライブに行ったりするときにとても実感する。



サビで「ルルル~♪」と歌うけど、
「なにもしない」をしているのかなと思った。


この曲はギターが木漏れ日のように綺麗だけれど、
2番に出てくる「落ち葉色の灯り」とはいったい何色なんだろう。



5.あっかんべ、だぜ故郷


「あっかんべ」
このフレーズがとにかく絶妙で、ないと尖り過ぎた曲となってしまう。

葬儀があって故郷に帰った時に改めて思ったこと。
について描かれているのだと思うのだけれど、景色と心情をイメージし切れていない。特にサビ

(サビ)
俺はこの街のを知っていて、この街は俺のを知っている。
上手くやれるはずがないだろ。
あっかんべ、だぜ故郷。

「嘘」とはなんだろうか。
人によって色々な「嘘」があって色んな事情や感情が込められていそうだ。

故郷は自分でいれる場所でもあるが、今の自分から逃れられない場所。
そして、自分でいさせたい周り。



音楽的知識がなくて見当外れかもしれないが、この曲にはサビが2種類存在すると思っている。
「あっかんべ、だぜ故郷。」と歌うパートをサビ、
「ラララ♪」と歌い上げるパートを大サビと見ている。

この曲も面白い曲構成になっていて、いい意味で振り回される。
[Aメロ→サビ→間奏→Bメロ→Cメロ→大サビ→サビ]

アップテンポめなサビまでを心情剥きだしに怒っているのに対して、
Bメロでテンポダウン。内向的な表情を見せる。
Cメロでまた怒りがこみ上げて大サビへ。

この大サビと見ている部分は歌い上げていなければ本来間奏部分とも取れそうなのだが、曲中で一番強く歌っているパートになるのでインパクトも相当だ。


どんな気持ちので歌い上げるのかライブで聴いて確かめたい。


6.南十字星(はいむるぶし)


子守唄のような優しく聴き心地のいい歌に聴こえるが、サビを聴くと切実な歌だと気付く。

(サビ)
星に願いを。。
“私に願いをください”

願い事がないことを嘆いたり、腐ったアダンの実に自分を重ねたり、人である意味を考えたり、自問自答する姿が伺える。


(2A)
履き古された両足は
やがて白銀の浜を踏む

この歌詞に関しては希望と捉えていいのだろうか。

想像していてもその時になって想像できていなかったと後悔したり、それ以上のこともたくさん起こって、そんなことばかりなんだろうなぁ。



7.Float Like a Butterfly, Sting Like a Bee !!


ツイートの昆虫密度高めな、虫取り少年ならぬ虫捕りおじさん。
香川照之との共演を狙ってるのか!?ついに昆虫ソング書いたのか!?
と思ったらモハメド・アリの名言だそうで。






Float Like a Butterfly, Sting Like a Bee.
Your hands can't hit what your eyes can't see.
私は蝶のように舞い、蜂のように刺す。
奴に私の姿は見えない。見えない相手を打てない訳が無いだろう。

確かに訳を見たら無知な自分でも聞いたことがあった。

とはいえ花粉を運ぶ虫と彼の旅が重なるなぁ。

自身の歌うたいとしての曲となっていて勢いを感じる作品だ。
アレンジがとても格好良く、ベースのどっしりした音がお気に入り。

(サビ)
Float Like a Butterfly
Sting Like a Bee !!
流浪の旅 歌はさすらい

Sing like me !!

ラスサビで太文字のところの歌詞が最後の最後で入れ替わるのだけれど、そこの語感が耳に残るところも遊びがあって面白い。

「Sing like me !!」(私のように歌う)ってどういう意味なんだろうか。


童謡『ちょうちょう』『ぶんぶんぶん』からそれぞれ歌詞が引用されているけど、俺は甘い蜜吸ってないで、モハメド・アリで行く!って言ってるように聴こえる。



8.今宵もかろうじて歌い切る
<Live at ドラマ「バイプレイヤーズ」撮影現場ver.>


ドラマも全部じゃないけど見ていたし、配信シングルでも聴いていた。けど、ちゃんと聴けていなかったなぁ。と。

(サビ)
今宵もかろうじて歌い切る
かろうじて今宵を歌い切る

サビのフレーズだけ聴いて「歌うたいのための歌」だと思っていたのだ。
もちろん「歌い切る」を別の言葉に置き換えればみんなの歌にはなる。歌うたいならではの渋い歌だな。で止まっていた。


しかしこれはドラマ「バイプレイヤーズ」ために書かれた歌だった。

そう思ったのは音楽番組で彼の歌唱を見た時だ。

(2A)
届くことなく潰えた祈り
手を振り合えずじまいの別れ

(2B)
あいつが逝ったとの報せを
いまだ 鼓膜の内側に飼っている

突然の別れについて歌っていたことに気付いていなかった。
そして、そこには同じような経験をした人たちが思いを重ねられる。

さらに、

(Cメロ)
棄てるのはいつだってこちらの方
“道”は人を棄てたりしない
浅い眠りから這い出て
歪んだ背骨にまた荷を担ぐ

『Forever Young』『ゴミ箱から、ブルース』に続くオールドルーキー世代に向けた歌でもあることが分かる。


「歌うたいのため歌」でもあるが、
偲びの歌でもあり、残された側への「応援歌」だった。



それにしてもキャスト陣の前で歌うの勇気がいるだろうし、緊張しただろうなぁ。と改めて思う。

このテイクの収録にとても意味を感じたし、ありがたみを感じた。



9.ギラギラなやつをまだ持ってる


『ママさんそう言った ~Hokkaido days~』『Gimme the mic!!』に次ぐハングリー精神歌とでも言いましょうか。歌唱からも闘士が聴こえてくる。

この曲はギター1本の弾き語りだが、そうは思えない音の厚みを感じる。韻が気持ち良くて軽やかに耳に入ってくるのに、言ってることはかなり熱い。

歌詞というよりかはリリックと言いたくなるが、アルバムのタイトルでもある「Still Going On」も「竹原ピストル」と言う名前も入っていて、名刺的な曲でもあると言える。

サビになるときにテンポと曲調もガラッと変わるのもボリューミーな仕上がりに一役買っていると思う。サビが終わってテンポ下げるところが個人的に癖になるポイント。



10.夏のアウトロ コオロギの鳴く頃


前曲『ギラギラなやつをまだ持ってる』に対してこちらはサビがラップになっている。ハングリー精神歌は彼自身の歌だと分かりやすく判断が出来るのだが、この歌も彼に近い距離の歌だと思う。

まず、タイトルが昆虫であること 笑

というのは冗談としても歌詞の中に
「ギターの生えた背中」
「俳諧」
「アイツの歌を口ずさんでいたことにふと気付く。癪だ。」
など歌うたいを連想できるワードが散りばめられている。

特に注目したいのはサビに入ってる「俳諧」というワード。

(サビ)
描きたいがまま
常識をまず解体。
繋ぎたいがまま
五・七・五を問わず俳諧。





とある。歌詞や詩を考えている姿を想像できる。
また1番のAメロだけダブルクオテーションで閉じられた文章が4つ続く。

(1A)
“マーブル模様の空の向こう
あれよあれよと陽が転がる。”

“黄金がかった緩い風が
そっと草花の前髪を撫でる。”

“木陰に丸まった野良猫が
こちらを睨んだまま欠伸する。

”弛んだ電線から飛び立って
やがて鳥達が山に溶ける“”

歌詞カードの最初の方だけにダブルクオテーションマークが目立つ。少し異質に見える。

これは彼が俳諧した言葉が並んでるんではないだろうか。



この曲の個人的共感ポイントは

(サビ)
不甲斐ない
足取りにこそ
生まれ宿る
フレーズがあると願いたい。

不器用でいいと言われているようで安心する。

(2A)
片付けようとすればするほど
余計に散らかってしまう。

片付けも心の中もこれ。



11.きーぷ、うぉーきんぐ!!



ひらがなのタイトルがほどよく気が抜けた感じでいいな思うけど、聴いてみると悲観的ではないもののシリアスな歌い出し、シリアスな内容に感じる。

ボクシング映画「BLUE/ブルー」の主題歌でもあるが、この歌の主人公のように少しくたびれたダメ男なんだろうか。

アルバム『ROUTE to ROOTS』の『オールドルーキー』では

(サビ)
何度でも立ち止まって
また何度でも走り始めればいい
必要なのは走り続けることじゃない
走り始め続けることだ

と歌ってるのに対して

(1B)
あと何回 始められるだろうか
あと何回も始められないだろう。。

と歌う。映画の主人公がボクサーである。という影響は大きいだろうが、
年を重ねれば見える景色も変わってくる。


アレンジは全曲の中で1番感じるが、「ワン・ツー・スリー・フォー」の合図があって楽器が入ってくる。ライブ感もあるし、楽しい良いアレンジだ。

ラスサビでは演奏がさらに賑やかになる。そして、最後に「きーぷ、うぉーきんぐ!!」と繰り返す。「まあ、でも、前を向いてやっていくか。」という心情だろうか。演奏がさらに気持ちを前向きにしてくれる。



理解しきれないのに好きなフレーズは

(2B)
あるにはあるけどないことにしたくもある
白みゆく空がひとつ残らず星を食べた

一行目の例が思いつかない。ただ「ないことにしたい」ではなく「したくもある」という表現が好きだ。
「星を食べた」という曇りの表現は面白い。

やっぱり「きーぷ、うぉーきんぐ!!」と多少開き直れる主人公なのかもしれない。



12.リョウメンシダ <弾き語りver.>


この曲に関しては文章があまり思いつかない。曲調もあんまり好みじゃなしし、なんだか広いことを歌っているように聴こえて歌詞が入ってこないんだなぁ。

医療学校のCMに書き下ろした曲で、『リョウメンシダ』について説明のツイートが。

葉の裏表で差がないというのは分かったけど、それ以上の理解ができない。
自然界の化学は医療に応用されてそうではあるけど。


自分でも調べてみたところ、どうやらシダ植物は茎に見える部分、葉に見える部分すべてひっくるめて1枚の葉らしい。衝撃的!

Uta-Netのインタビューでは「『スイミー』みたいに小さいのがたくさん集まって大きなものを作る」と語っている。

小さな細胞の集合体がリョウメンシダで、
学生たちの「意志」(医師?)の集合体が未来を創る。
というところと結びつけたんだと認識した。

(2サビ)
全てに捧げるひとつの意志。
ひとつに捧げる全ての意志。
全てに繋げるひとつの道。
ひとつに繋げる全ての道。
(1サビ・ラスサビ)
全てに捧げるひとつの祈り。
ひとつに捧げる全ての祈り。
全てに繋げるひとつの生命。
ひとつに繋げる全ての生命。

サビのメッセージとしては、ひとりひとりの小さな力が医療を、人類を支えて、それはひとりひとりに帰ってくる。という大まかな解釈ができた。


サビはその後こう続く

(ラスサビ)
足元に揺れるシダの葉。姿、形。
そんな面映い物思い。
表も裏もない物思い。

「面映い」の意味は「照れくさく感じる」ということらしい。

散歩道のシダを見てそんなことを思い少し恥ずかしくなった。
でも、これは率直な思いだ。という感じだろうか。

サビでは「ひとつ」と「全て」 ≒ 「表」と「裏」を歌っているのに対して
表も裏も同じだと締めくくる。



書いていてようやく理解できた気がする。
Aメロ・Bメロの内容も理解していきたい。

(1A)
細く吸っては細く吐く。
木々と呼吸を口移し。
落ちた葉の布団で夢を見る
虫たちは卵かサナギの季節。

やっぱり大きいことを歌っている。でも、当たり前で見逃している身近なことだった。

1,2行目は、人と木の呼吸の循環を深呼吸したくなるような表現で。

3行目の「落ちた葉の布団」は虫たちのことを歌っていたのか。
「夢」や「卵」といったワードが学生という立場と重なる。



理解に及ばなそうなのがBメロ

(1B)
皺ひとつない昼下がりの空。
ふと思い浮かぶ顔もある、散歩道。
(2B)
そろそろ眠たげな陽の光。
風邪をひく前にまた歩き出そう、散歩道。

「ふと思い浮かぶ顔もある」「風邪をひく前にまた歩き出そう」の部分がわからない。

「散歩道」に関しては、Uta-Netからのインタビューで「リョウメンシダは、昆虫観察でいつも歩いている山道の一角に生えているんです。」と語っているので、彼自身の散歩道のことかもしれない。

ただ「日常」だったり「目指すための道」という意味も込められていそうな気はするが、そこは人それぞれの捉え方でいい気がする。


空の表現が秀逸で「そろそろ眠たげな陽の光。」っていうのが特に好き。
空を表す歌詞って、あらゆる音楽で出尽くしてそうな気がするのにこんな表し方があるんだなぁ。



あとがきー急な「ですます」口調で失礼します。


はじめてCDの感想を書いてみて、いろいろな発見がありました。大変だったけど面白かった。ここまでの長文に付き合っていただきありがとうございます。

今回のアルバムでインディーズ含め10枚目のアルバムだそうです。おめでとうございます!!そして、素敵な作品とライブをいつもありがとうございます。

本当にライブに来ているのかと思うくらい、距離の近さと音の良さを感じるアルバムで、気持ちを動かしてくれたお気に入りのアルバムです。


ジャケットのテイストも今までとは違うので、ここに込めた気持ちも考えたいなぁ。


出来なかったライブや行けなかったライブはたくさんあるけど、フォトアルバムに居るマスクをした剛力くんからは「お互いもう少し我慢しようぜ」と言われているような気がします。

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