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木村石鹸スタッフが、自由気ままに書き綴るブログ

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#マーケティング

ブランディングとレスポンス広告の狭間で ~新しいブランドの立ち上げ方

多分、普通の人ならもっと簡潔に、わかりやすく書けるのだろうけど、僕の場合は、誰かに伝えるということよりも、書くことで自分の思考を整理するみたいなニュアンスがあったりして、書きながら考えている。なので、えらく冗長だし、別に何か結論やノウハウが示されるわけでもない。 レスポンス広告の典型的パターンレスポンス広告のパターンで、広告→LP(ハードルの低いオプトイン)→顧客化というパターンがある。このパターンは何度もテストが繰り返され、ある種の成功法則みたいなものが出来ている。だから

10年経ったけど「ストーリーとしての競争戦略」はまだまだ新鮮

この記事は、2010年8月1日にアップしたものです。ほぼ10年前ですかね。このブログ内で、この本の理論は10年は通用する強度は十分ある、と書いてたけど、果たしてどうだろうか。 僕個人は、今もこの本は年に1度ぐらいは読み直してて、自社の事業や戦略の組み立てにすごく参考にしている。全然10年経っても、まだまだ新鮮だ。 この本は間違いなく、ここ何年かでボクが読んだ企業戦略、事業戦略について書かれたものでは圧倒的に面白かった。経営に携わる人なら絶対に読んで損はないと思う。 今後

より良い買い方を育むためには?

文章書きながら、自分でも実はよく分かってません。なので、論理的に破綻してるところもあったりですが、でも、もやもやって考えてることは、とりあえず文章にしてみた方が良いのではないかと思い、書いてみました。 おせっかいなリターゲティング広告今は、いろんなサイトで自社の商品の広告が表示されてます。これは僕らが直接お金を払って広告を出稿しているわけではありません。 これは楽天が勝手に出してるリターゲティング広告(リタゲ)みたいです。実はよく分かってないんですが、楽天に訪れて色々商品

グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略

この本が上梓されたばかりの頃は、グランズウェルといっても、それは萌芽に過ぎなかった感もあるけど、今はどうだろうか。ここで書かれていたことが、かなり当たり前のことのようになってきてないだろうか。 企業にとって、今までの「消費者→認知→検討→選好→行動→愛用→顧客」へとステップを踏んで成長・育成していくようなマーケティングファネルモデルが崩壊しつつあることは間違いない。 大声をあげて、ファネルの入り口に人を集め、ファネルの中に入ったら、購入段階まで進んでいくような働きかけを実

数値化し難いものを数値化する~顧客ロイヤルティは数値化できるか?

「その数学が戦略を決める」は、今日大規模なデータが簡単に集まるようになり、またその大規模なデータを解析できるコンピューター環境が整ってきたおかげで、今まで人でなければ不可能と考えられていた「決断」や「判断」や「評価」の領域にコンピューター(本書では「絶対計算」というような言葉で表現されているが)が侵食してきている様を描き出した非常に面白い本だ。「絶対計算」対「人間」では、ほとんどの場合「人間」が負けてしまうという事例を様々な分野にわたって説明している。 ワインの競売価格の高

人は正直が欲しい - アドボカシー・マーケティングとは?

この本も随分前に読んだもので、中身はすっかり忘れてしまってるのだけど、ここで語られてるスタンスや考え方については、今の僕らのそれとかなり近いというか、そうありたいと目指してるところでもあるので、この機にピックアップしてみた。 ただ、こういう姿勢やポリシーを、「マーケティング」という言葉で括ってしまうのは、個人的にはちょっと違和感はある。本来はそうではないのだろうけど、今、「マーケティング」という言葉は、テクニックとかハウトゥとか、そういいう技術的なニュアンスにまみれてる感じ

たかがクーポン、されどクーポン

これももう絶版になってしまってる本だけど、今、D2Cだ、ECだと盛り上がってる中で、「クーポン」について理解を深めるには良いのではないかなと思いピックアップした。 内容的にはカタリナ社のサービスが凄い、ビジネスが凄いというアピールなのだけど、ここで説明されるクーポンの手法やパターンは、それだけでも十分参考になると思う。 カタリナ社では、買物客がレジで会計を済ませた瞬間に、レジに併設された専用プリンターから出力され、手渡しされる「レジクーポン(R)」をソリューションとして提

経営者やマーケターなら必読~小倉昌男「経営学」

以前、こちらのエントリーでも大好きな本として紹介したヤマト運輸の2代目社長小倉昌男の「経営学」。数ある経営者が書いた経営に関しての本で、僕が最も影響を受け、好きな本の一つだ。 本書は、どのようにして「宅急便」というサービスをつくりあげたかを語った本ではあるのだが、しかし、内容は単なる「成功譚」ではない。 ここに詰まってるのは「企業戦略」のすべてだ。「戦略」を学びたければ、ポーターやコトラーを読む前に本書を読むべきだ。マネージャークラスは必読書だ。騙されたと思って読んでみて

プライスレス 必ず得する行動経済学の法則

「プライスレス 必ず得する行動経済学の法則」─ これも随分前に読んだ本だけど、すごくよく纏まってて面白かった。 行動経済学、行動心理学を経済やマーケティング理論へ適応したものだと、「予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」」や、「影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか」あたりが有名で非常に面白いのだけれど、本書もこれらに負けず劣らず刺激的で面白い。この二冊にも登場する人間の行動の本質を解き明かす実験がいくつも本書にも登場し、内容として被る部分も少なか

「ザ・プロフィット」で紹介されてる23の利益モデルのまとめ

久々に、「ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか 」を読み返してみた。 この本は、ビジネスの仕組みやモデルを、どこから利益が生まれるかというポイントからモデル化して整理している本だ。最初読んだ時は、中途半端な物語形式に嫌気が刺したが、何度か読み返すたびに、「利益」というところに着目して、ビジネスを見てみるということが、物凄い発見だということがよくわかるようになった。 本の中では23の利益モデルが示されている。中には、それが「モデルなの?」ってツッコミ入れたくな

「スマート・プライシング 利益を生み出す新価格戦略」

「スマート・プライシング 利益を生み出す新価格戦略 」 企業にとってプライシングは極めて重要なマーケティング要素の1つだ。だからプライシングに関して分析した本や、プライシングの理論書などは数多く出ている。 本書は、プライシングの理論や手法を取り上げたものではない。本書で紹介されるのは、ここ最近に登場してきた新たなプライシング方法だ。その新しいプライシングを採用する業界や企業の紹介とともに、そのプライシング手法のメリット、そのプライシングがもたらすメリットや効果、そのプライシ

その金はわしが払うんやないんやで

前職時代、ある会社の社長に言われた言葉が今も頭にこびりついてる。 その会社さんはとある分野の卸業を営んでたが、直営店舗での直販に乗り出し、そのままインターネットで直販を強化していくことに梶を切った。 僕らがその会社のECサイトのお手伝いを始めたのは、1997年か1998年ぐらいだったと思う。すでにECサイトは運営されていたが、お世辞にも良いものではなかった。膨大な商品があるのに検索機能、ナビゲーション機能は貧弱だし、動線はトップページからしか考えられてなかった。インターフ

12/十二のクリエイティブとかブランディングの話

12/十二のブランディング/クリエイティブのプランです。初期資料ですが、今回、ブランディング/クリエイティブを担当してくれてるbroomさんの許可も頂いて、そのままアップしてます。(broomさんの紹介は後ほど) クリエイティブやブランディングの組み立ては、普通説明しちゃダメなものなんでしよんうが(しかも、まだ発売もされてない!!)、今回は色んな経緯もあり、オープンにして行こうと考えました。その辺りのことは、こちらのエントリーを参考にして下さい。 「12/十二」という

商品とかブランドのリリースの在り方 ~「12/十二」の起ち上げ【番外編】

僕なんか、まだまだ従来の考えに縛られてるなーというか、商品というものは、こういう準備ができて初めて発売・リリースするもんだ、みたいな思い込みがあります。 今、作ってるシャンプー「12/十二」なんかも、中身の開発にも時間かかったし、製造でのスケールアップにも時間は取られたりもしたけど、結局、ネーミングやデザイン、容器、パッケージ、コピー、写真、と「商品」を構成するに必要な諸々のことが準備できてなければ、発売開始はできないんだ、という思い込みみたいなものを持ってて、そこの準備や