14.デジタルマーケティング【DX】 適切なコンテンツを、最適なタイミングで
今回のテーマは、既にマーケティングに関しては何度かお伝えしてきましたが、「デジタルマーケティング」についてお伝えします。
まず、デジタルマーケティングの概念・定義についてですが、提唱する人や団体が何を重視するかの視点の違いから、少々違っています。様々な角度からピックアップしたものを取り上げます。
デジタルマーケティングとは?
・マーケティングとは「消費者がサービスや商品を購入に至るまでに、企業が行う取り組み」のことで、この活動に「データ」を掛け合わせるマーケティングが、デジタルマーケティングです。
・デジタルデバイス、デジタルメディア、デジタルテクノロジー、これらとデジタルデータを掛け合わせ、フル活用したマーケティング。
・顧客満足度を上げデジタル技術を活用して、売れる仕組みをつくる、アプリや任意のポイントカード(クレジットカード)での購買履歴、ECサイト、Webサイトの行動履歴といったデータを蓄積し、活用するマーケティングの質を高める。
・デジタル上(Web,EC,アプリ)での行動履歴で入手したデジタルデータ「プラス」、店舗/イベント/メッセといった、リアルで入手したデータを掛け合わせたマーケティング。
Webマーケティングはデジタルマーケティングの一部
デジタルマーケティングとWebマーケティングの関係は、以下の図のようになり、Webマーケティングはデジタルマーケティングに内包されています。
デジタルマーケティングとインバウンドマーケティング
【インバウンドマーケティング】
まさに、「Pull(プル)型」マーケティング。
SNS、YouTube、コンテンツ、eBook、ブログで客を引き付けるデジタルマーケティング →「プル型」と「プッシュ型」を使い分けるインバウンドマーケティングは、デジタルマーケティングの一部
■ デジタルマーケティングの特徴
・複数のチャネル ― オムニチャネル、連動させる(顧客/シチュエーションに合ったメディアとチャネル)
・データドリブン
【オムニチャネル】
例えば、ECサイトのお客様と企業の接点&Web(チャネル)と、リアルな店舗を分け隔てることなく、シームレスにする。データに基づいての消費者へのアプローチです。
効果測定できる環境と、適切なKPIが必要です。
■ デジタルマーケティングの目的
デジタルマーケティングの目的は、パーソナライズマーケティング
(One to One)
マーケティングサービスの提供
複数チャネルをミックスしたマーケティングの成功のカギは、実行前の適切な戦略です。成功率を高めるための明確なプロセスがあります。
【あなたが知る必要があるのは?】
1.どのチャネルを顧客が好んでいるか?
2.彼らのニーズは何か? 彼らが解決したい問題は何か?
3.顧客はだれか? 組織内での役割は何か?
4.顧客が購入を考える動機は何か?
5.顧客をセグメント化するためにどんなデータがあるか?
■ 顧客を知る方法は
顧客はサイトを訪問した際に、様々な行動をとります。その行動をウォッチング/モニターすることで、訪問した顧客についての多くの情報が取得できます。
顧客が訪問したページ、また訪問したページにどのくらい滞在したのか?
ブログページ? 製品(サービス)ページ? デモページ?
プライスリスト?・・・
プライスリストやデモページを訪問し、ある程度の時間滞在した顧客は、
強い購買傾向を反映しているため、「価値が高い」顧客と言えます。
ブログページを訪問した顧客は製品(サービス)の知識を広げ、ブログに投稿した内容に興味があるとみて良いと思います。インバウンドマーケティングを担当している部署と、情報を共有してください。
カスタマージャーニー
■ カスタマージャーニーとは
直訳すると「顧客の旅」。想定した顧客の動き(行動・思考・感情)を時系列で見える化したものです。
動きを見える化することで、顧客とのタッチポイントを洗い出し、適切な場所・タイミングで適切な情報を伝えられる様になります。カスタマージャーニーは顧客が購入したことで終わりではありません。顧客との関係性・エンゲージメントを深めるのは、マーケティング担当者の重要な責任です。
マーケティング担当者は顧客に対して、「適切なコンテンツを」「最適なタイミングで」提供することが重要な課題です。
そのためには顧客の行動を常々ウォッチングし把握する努力を怠らないことです。顧客が誰なのか、製品やサービスをどのように検索しているのか、何を目的にそれをしているのか、を理解することが重要です。
顧客にとって、
「正しい/最適なコンテンツ(内容)を」
「正しい/最適なタイミングで」
「正しい/最適なチャネルを使って」
行うことが大切になります。
【顧客の何を明確にするのか】
1.顧客は、どんなチャネル(メディア)を好んでいるのか?
2.顧客のニーズは何か。顧客が解決したい問題は何か?
3.顧客は誰か? 組織内での役割は何か?
4.顧客を購入(購買)に導く動機(ニーズ)は何か?
5.顧客をセグメント化(グループ化)するために、どんなデータがあるか?
カスタマージャーニーを計画する
従来のマーケティング活動では、マーケターはほとんどの時間と予算を
「企業主導のマーケティング」に費やしてきました。
以下の図は、カスタマージャーニーにおいてそれぞれの段階で重要なタッチポイントを示しています。
しかし、この図が示すように「消費者主導のマーケティング」に移行することが成果を出せる段階に入ったことを示しています。
もちろん、カスタマージャーニーのそれぞれのシーンで最適なコミュニケーションを取ることが必要です
最適な測定をする
さまざまな目的でマーケティング活動を行うことができます。
例えば、キャンペーンの目的として、
・セールスファネルを次のアクションに繋げる
・認知度を上げる
・顧客とのリレーションを太く(深く)する。(忠誠心)
キャンペーンの内容を計測するには、適切なKPI(重要業績評価指標)を設定する必要があります。例えば、キャンペーンの目的が商品の認知度を高めることとします。ターゲットユーザーがオンライン広告をクリックする頻度を表すCTR 率(クリック率)は、興味の度合い等を図る尺度になります。また、セールスファネルによってセールスの確率の高いリードを絞り出す、
「セールスにとって価値のあるリード」SQL(Sales Qualified Lead)によって測定されることになります。
※ SQL(Sales Qualified Lead)とは、営業部門が日常の営業活動で作り出す案件(リード)、あるいは作り出されたリストのことを言う。
マーケティング部門から渡された MQL:Marketing Qualified Lead(マーケティング活動の対象として価値の有るリード)が営業部門でSQLになることも多数あります。
■ キャンペーンの成功(成果)とは
例えば「LP(ランディングページ)にアクセスしたか」「ホワイトペーパーをダウンロードした後にフォームを送信したか」等、最終的な新規見込み客の数を測定することです。
また、キャンペーンで得られる結果(アクセスログ)はマーケターが温度の高い顧客(MQL)の洗い出しや、顧客を獲得するポイントの仕掛けや、キャンペーンのシナリオを作る際に大いに役立ちます。
今回のまとめ
今回の内容は「デジタルマーケティング」と「カスタマージャーニー」。
顧客は様々なメディアを経由して本来の目的に到着するため、それぞれの顧客のシーン(シチュエーション)によって入口のメディアも違ってきます。
したがって、商品 / サービスの持つ特性を充分に理解し、ニーズがあるであろう「顧客を想定(ペルソナ)」することも重要になることをお伝えしました。当然、想定した顧客(ペルソナ)は「どのメディアを好むか」または「どのシーン(シチュエーション)でどのメディアを好むか」更に、その場合の 「メッセージ内容は」を含めて、考慮する必要があります。デジタル技術が追従し、出来ることが増えた今、こういった思考が最も重要です。
次回は「カスタマージャーニー」に対し、想定するシナリオを各メディアで時系列に紹介しながら「成果をあげるには!」のポイントをお伝えします。
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