見出し画像

8. クレド:credo【DX】「人」組織を機能させる、明確な行動基準指針

ミッションステートメント/ビジョンステートメントは、多くの企業に取り入れられています。更なる意思統一の為に必要なものが「クレド」です。
市場の変化のスピードが著しく速いスピードで進む中、印刷業のDX
「まず市場変化に合わせて会社を変⾰しないと、市場に受け入れられない」

ビジネスモデルを変⾰し、それを7S フレームワークを使った CX(コーポレート・トランスフォーメーション)と同時に、マクロ・ミクロ環境を分析し事業を作るマーケティングミックス(7P)のプラン、更に製品・サービスの特異性を作り出し、差別化戦略を見出し、PDCA サイクルを素早く回して成果の出る事業へと導いていく。

そこで、再度ポイントになってくるのが、人であり、目標に向かって、組織全体をどうやって機能させ、成果を上げる事業をつくるのか、です。
これは以前にお伝えした、7Sの中心にある「Shared Value」です。

変⾰するビジネスモデルに必要な「人の価値観」以外は、7Sの「ハードの3S」で作り、オペレーションに必要になるのが、「ソフトの4S」です。
人の価値観は、自社、顧客、株主と全てに関わるため、今回のテーマでお伝えしていきます。

■ ミッションステートメントとは【ミッション】
企業の(存在)目的や使命感、任務などです。企業が社会との関わり合い(経営)を通して、目標にし、成し遂げたい姿を表すものです。
「今のあるべき姿」

■ ビジョンステートメントとは【ビジョン】
企業が何に(何処に)向かっていくのか、「ありたい」姿。
目標や目指している方向を言葉にする 「未来のあるべき姿」

【クレドとは(ラテン語)】

社員それぞれが行動する際の「信条」を言います。
「Shared Value」は社員共通の価値観で、同様の意味とも言えます。
「社員皆同じ尺度」を持つ、という事です。

クレドを作る目的と効果

1. 社員(従業員)の意識改⾰
社員(従業員)の意識改⾰と、コンプライアンス遵守になること

2. 組織的な人材育成
企業の行動基準(尺度合わせ)。
価値観を共有するツールです。判断基準を共有することで、日常的な人材育成にもなり、会社の方針に沿った行動を主体的に考え、行動することが大きなメリットです。

3. 社員のモチベーション
明確な行動基準を共有すると、自信を持って仕事ができるようになります。
理念のような抽象的なものだと、尺度が具体的ではない為、捉え方も社員によってまちまちになる事があります。クレドによって、自信のある主体的な行動につながり、高いモチベーションを維持することができます。

次は、「クレド」を基本にして成功を収めている、リッツカールトン
「ゴールドスタンダード」をご紹介すると共に、「クレド」を機能させ社員(従業員)の高いモチベーションを維持し、成果を上げる事業に仕立て上げるのか、お伝えします。

リッツカールトン:ゴールドスタンダード

リッツカールトンと言えば、お客様へ期待以上のサービスを提供し、感動させる話は有名ですが、「大阪のリッツでは、スタッフが書類やパスポート、眼鏡を忘れたお客様に新幹線で届けた」とか、普通に行われている事にびっくりします。
それを実現できるのも、「エンパワーメント / クレド / サービスバリュー」という仕組みがあるからです。

■ エンパワーメントとは?
1. 上司の判断を仰がずに、自分で判断し行動できる
2. セクションの壁を超えて仕事を手伝う際は、自分の通常業務を離れる事
3. 1 日2,000 ドル(約20 万円)までの決裁権
会社との信頼関係、会社の姿勢にスタッフもモチベーションが上がり、会社に対して愛着や絆を感じることができる。

更にクレドの中身にある、第6のダイヤモンド
ミスティーク(神秘的/驚くような体験)
エモーショナルエンゲージメント(企業・会社愛)
機能的(それぞれが活動能力を有効に発揮する様)
 → 「ミスティーク」は感動を引き起こす
 → 「ミスティーク」を作り出すには「エモーショナルエンゲージメント」
  と「機能的」が必要になる。

このように具体的な仕組みと、社員(従業員)同士のコミュニケーション能力と高いモチベーション、それぞれの相互作用によって、高い「顧客のロイヤリティ」を作り上げ維持している。

成果を上げ続けるビジネスモデルにとって、重要なキーワードは、
・デジタル
・マーケティングサービス
・プリント     
・パーソナライゼーション
・正しい顧客 : 正しい(最適)情報を、正しい(最適)タイミングで
・LTV(ライフタイムバリュー) 
・顧客体験
・データドリブン
でした。
これらのキーワードを相互に活かし、成果を上げるビジネスモデル(事業)を創り、組織を活性化し、市場の変化にPDCAを早く回し対応できる
「人」組織を機能させるには、明確な行動基準指針が必要です。
「同じ尺度」を持つ事は、組織を機能させるには大切な要素です。
「クレド」を活かして対応力が機能的に働く組織を作り上げてください。

いくつか、ご紹介いたします。
===============
1. 感動ストーリーを共有する
2. 情熱を見せる
3. 真剣に話を聞く
4. 賞賛と批判はミックスして

===============

【1】感動のストーリを共有する
・Wow(ワオ)ストーリー。週に2 回のWow ストーリー。
お客様がワオ!と思わず言ってしまう、感動ストーリーを世界中の従業員と共有しているのだそうです。
・「ラインナップ」作業15 分前のミーティング
クレドに書かれた行動指針から一つ選び、自分が実践した事を共有したり、他のスタッフが実践した事などを聞いて、インスピレーションを与え合い、モチベーションを上げている。

【2】情熱を見せる(サービスバリュー)
リッツカールトンのマネージャは、お客様・スタッフの前でも笑顔を忘れず、常に頭からつま先まで完璧な着こなしで仕事への情熱を見せている。
情熱はスタッフに伝染していき、モチベーションアップにつながる。

【3】真剣に話を聞く
マネージャ・責任者は特に優先順位の高くないトピックでも、真剣に話を聴き、それぞれのスタッフの意見に頷き、トピックに興味を示す。どんなに小さなことでも、誠意をもってスタッフの話を聴く姿勢が、彼ら(チーム)の信頼と尊敬の基となり、高いモチベーションとチームワークを生み出す。

【4】賞賛と批判はミックスして
マネージャはスタッフのミスを指摘することより、どのようにすれば彼ら(スタッフ)が、より良い働きができるのか、にフォーカスする。
スタッフがミスをしても、決して皆の前で注意することはなく、褒めるときには、皆の前で行うようにしているということです。ミスを指摘するときもネガティブだけにフォーカスせずに、まずは認める。

<<  シチュエーション設定 >>
例えば、期限(納期)を切って制作依頼をしていたが、結果、内容が違っていて完成データになっていない。

【対応事例】
お願いしていた「〇〇〇作業」時間(納期)通りに作ってくれてありがとう、助かったよ。それで、内容(データ)を見たのだけど □□ の部分が抜けていたんだ。確認(チェック)はしましたか?
いつも忙しくしているので、満足なチェックをできない状況を作ってしまいすまない。チェックの時間もできて、さらにはチェックをしなくても正確なデータを創るのに何が必要か一緒に考えよう。
データ加工の専門家である △△ 君の意見を聞かせてほしい。
△△ 君なら良いアイデアがあるとおもう。

まとめます。
【1】【2】【3】【4】とも、共通しているのは「コミュニケーション」です。それが事業に関わるスタッフのモチベーションを高め、つくりあげた「クレド」を機能させています。
更に、仕組みをドライブさせる手立てとして、
・月間のアワード(表彰)
・年間のアワード(表彰)
等を設け、高いモチベーションを維持する仕掛けをしている。「仕組み」をつくるだけではなく、ドライブさせる様々な仕掛けをしていることで、実現できています。

「クレド」は「マニュアル」ではない

■ クレド
業務で決断を迫られたとき、「自分で考え」答えを導きだす際に
「大切にすべき(ポイントとなる)」価値観を示すもの。

■ マニュアル
「仕事のやり方」を共有するもの。
組織の規則を示し、誰がやっても同じ成果をだすもの。

リッツカールトン企業理念:「ゴールド・スタンダード」

クレド
リッツ・カールトンはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています。
私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだ、そして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために最高のパーソナル・サービスと施設を提供することをお約束します。
リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、それは感覚を満たすここちよさ、満ち足りた幸福感そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえするサービスの心です。

モットー
サービスの3ステップ
サービスバリューズ
第6のダイヤモンド
従業員との約束

企業理念「ゴールドスタンダード」
詳細は上記リンクより、本家のWeb サイトでご確認ください。


今回は、クレド:credo を取り上げました。
次回は、4回に分けてお届けする「セールス(営業)マン」Part1 です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?