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流行を追うことなく、他人に左右されない着物は、似合うものが必ずある

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丸山寛子さん。彼女がしている帯留めは、寛子さんのアイデアを伝え、友人に作ってもらったもの。色や柄を組み合わせることで生まれる美しさ。そこに寛子さんが生み出すクリエイティブな発想できもののおしゃれを楽しんでいます。

ファッションが大好きだった若いころ、着物に夢中ないま。

独身時代は東京・青山にオフィスのある、ファッション関係のクライアントを多く持つ代理店に勤めていた丸山寛子さん。当時は彼女自身も洋服が大好きで、有名メゾンやエッジの効いたモード系のブランドまで、多くの情報を得てはおしゃれを楽しんでいました。

その後結婚を機に、夫の故郷である長野へ。現在は3人のお子さんに恵まれ、賑やかな日々を送っています。

彼女が着物に興味を持ち始めたのは、今から約4年前のこと。長野で出会った友人がきっかけでした。そして友人や、呉服屋さんが開催する着付け教室やYouTubeで着付けを学び始めると、着物への興味は増すばかり。「着物で出かけたい!」という想いが強く、2週間後にはお出かけデビューを果たします。

時間との戦いの渦中、出かけようとする彼女を引き止めたのは……

「その日は確か、子供を幼稚園に送り、仕事を片付けてから準備をしたので、待ち合わせまであまり時間がなかったと思います」

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長野市の善光寺の門前で、友人と着物イベントにお邪魔した帰り道にて。

「まだ帯の結び方も慣れていなく、やり直しているうちに刻々と時間は過ぎて行きました。着付けを習って2週間。そんなにスムーズに着られるはずがありませんから当然のことですよね」

焦りながらも仕上げの帯締めが完了し、いざ出かけようとしたら、何かに引っ張られるような感覚が。

「振り返ってみると、電球につけた長い紐も一緒に結んでいて、出かける私を離してくれませんでした……。

この話はもちろん、私の到着を待っていた友人に話し、その場を盛り上げました(笑)」

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着物はこの秋、リサイクルでご縁のあった紬。母が一番気に入っていた、更紗のような帯を合わせて。

これまで気にもとめなかった実家の桐箪笥は、彼女にとって宝箱のような存在に。実家から運び出し、手元に置いてお祖母様やお母様のきものを楽しんでいます。

自分で着られる喜びと、ひとに着せてあげる幸せ

最近は、誰かにきものを着せ、喜んでもらうことに面白さを見出し、他装の着付け講座を受講。主に友人の七五三や入学式、普段着物の着付けをして着物の魅力を発信しています。

「きものはひとりひとりの美しさを、その人らしく表現できます。その組み合わせが必ずあるのが面白いんですよね。

ファッション業界とは異なる地方での子育てに、最初はすごく戸惑いました。流行の情報があまり入ってこない中で、無意識になぜ私はおしゃれが好きだったのかということに向き合い始めたとき、“着物”が私の人生に飛び込んできました。

普遍性と個性を兼ね備えたもの、流行や他人と比べず、純粋におしゃれが楽しめる、それが着物だと思います」

長野で暮らすことになったことも、全てが今につながっているのかもしれません。

Personal data:1
丸山寛子さん(43歳/会社員)
きもの暦:4年
Instagram:@ironote_kimono
「長野市内で着付けサービスを行っています。気楽に着物を楽しみたい方、お手伝いします❣️」




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