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学生という立場

怖かった。

身ぐるみを剥がされた気がした。

なんにもできないわたしの、唯一の隠れみのだった「学生」という立場。

ぬくぬくとその中で好き勝手言ってたのを、急に外の世界に放り出されたみたい。

今までは、何を言っても所詮「学生」という枠の中での発言だった。

着付け講座を開いている学生

大学を辞めたい学生

好きなことで好きなように生きたい学生

あったかいところであれやこれや言ってるだけの学生

それはわたしなようでわたしじゃなかった。

ただ不満を口にするだけで、それを実行しない自分が嫌だった。

学校に退学届けを出しに行ったとき、

ほんとは泣きそうだった。

折れてしまいそうな気もした。

3年付き合って、婚約していた彼氏と別れるような、

そんな感じだった。

付き合ってる時に見ていた将来とはぜんぜん違うものが見える。

でも、いいの。自分で、決めたから。

自分で、自分のことを決めること。

意外としてこなかった。

あたりまえに従って生きてると、力を入れなくても泳げる。

でも、自分に従って生きてると力をこめなきゃいけないから力がつく。

学校にいるみんなを見ながら、思った。

ここにいる誰にもできない経験をわたしはした。

ここにいる誰にもできない気持ちをわたしは味わった。

ふん。どうだ。

わたしはわたし以外の誰にも歩めない人生を歩む。

決めた。

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言葉を綴ることで生きていきたいと思っています。 サポートしていただいた分は、お出かけしたり本を読んで感性を広げるのに使います。 私の言葉が誰かに届きますように。