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映画#100『タイタニック』

『タイタニック』(”Titanic”)

監督・脚本:ジェームズ・キャメロン
出演:レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット、ビリー・ゼイン、キャシー・ベイツ、フランシス・フィッシャー、ジョナサン・ハイド、ヴィクター・ガーバー、マーク・リンゼイ・チャップマン、ユアン・スチュワート、ダニー・ヌッチ、デビッド・ワーナー、ビル・パクストン、グロリア・スチュアート、他
製作会社:パラマウント・ピクチャーズ、20世紀フォックス、ライトストーム・エンターテインメント
配給:パラマウント・ピクチャーズ(米国)20世紀フォックス映画(日本)
公開:1997年12月19日(米国)12月20日(日本)
上映時間:194分
製作国:アメリカ合衆国


【あらすじ】
1912年、処女航海に出た豪華客船タイタニック号。新天地アメリカを目指す画家志望の青年ジャックと上流階級の娘ローズは船上で運命的な出会いを果たす。身分違いの恋を乗り越え強い絆で結ばれていく2人。しかし不沈を誇っていた豪華客船は皮肉な運命に見舞われる‥‥。

Filmarksより抜粋

記念すべき100回目。どうせなら大作で飾ろうじゃーないかとゆーことで。


言わずと知れた、映画監督にして探検家であるジェームズ・キャメロンの『アバター』に次ぐ代表作。1912年当時に実際に起きた「タイタニック号沈没事故」をベースとした作品だが、公開当時のその世界的大ヒットぶりは、まさに破竹の勢い。今も尚、歴代世界興行収入ランキングの内第4位の座を守り続けている、正真正銘の「超大作」である。

https://eiga.com/movie/98737/special/

そんな『タイタニック』、此度新たに『タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター』として、現代のスクリーンに蘇ることとなった。映画の歴史を永遠に塗り替えてしまった作品を劇場で、しかも3Dで観れるなんて……こんな貴重すぎる機会を逃す訳にはいかない。というわけで即刻、映画館に足を運ぶに至ったのだった。


映画『タイタニック』のストーリーは、主に二つの要素に分けられる。一つが「ラブロマンス」、もう一つが「パニック映画」だ。前者は主人公ジャックとローズの心が通じ合っていく様を、後者は海底に沈みゆくタイタニック号にてパニックに陥る人々を描いている。

https://cinemore.jp/jp/erudition/670/article_687_p3.html

3時間というボリュームとはいえ詰め込みすぎでは??と思うかもしれないが決してそうではなく、「そのどちらもが」一つの映画として成り立つほどの完成度を誇っているのである。これが今作の(ある意味)何よりも恐ろしい所と言えるだろう……二つのジャンルの融合という点において、「胸キュン必須な甘々ラブロマンス→きゅっと胸が締め付けられる水害パニック」というギャップも、また魅力的と言える。


前半のラブロマンスに関して、ただ一つ言えるのは「とにかく若き日のディカプリオがカッコ良すぎる」。今作にて一躍スターとしての大出世を遂げたレオナルド・ディカプリオだが、そのどこか哀愁漂うハンサムフェイスに全世界が魅了されたと言っても過言ではないだろう(『トップガン』を初めて観た時の、若きトム・クルーズを目にした時と同じ感情になった)。遂に付けられたあだ名が「レオ様」。

そんな彼が演じる「ジャック」という画家志望の青年と、ケイト・ウィンスレット演じる「ローズ」という上流階級の娘が出会うところから物語がスタートする。2人は身分という名の壁を超えて徐々に惹かれ合うわけだが、その過程がまぁ〜〜甘い。それはまるで、御伽噺で聞くような「王子様とお姫様」だ。

https://twitter.com/BradPitt_JP/status/1174895031062122496

個人的に好きなのは、ローズがジャックに連れられタップダンスを踊るシーン……ノリノリの音楽に合わせリズムを刻む2人とそれに呼応して盛り上がるオーディエンスたちの姿に、思わず口元が綻ぶ。


だが忘れてはならない……これはただの豪華客船の上で起きたラブロマンスではないということを。3時間弱もの上映時間の内、2時間40分はタイタニックを舞台としたストーリーが展開されるわけだが(この2時間40分は、実際にタイタニックが出航→完全に沈没するまでにかかった時間)、沈没の原因とされる氷山への追突から、作品の空気感はガラリと変わる。

「ん?なんか揺れたぞ??まぁ大丈夫か……」から、
徐々に「え?沈没??マジ???」になり、
最終的に「沈没するぞ!!ヤバいヤバい!!!」と大パニックになる……

という非常にリアリティに満ちた、この「切り替わり」の瞬間。散々「不沈の船」と謳われてきたが、こうもあっけなくやられるとは何とも皮肉めいた演出だろう。


という訳で、後半は怒涛のパニック映画的展開の応酬。ここから『タイタニック』は、混乱に陥っていく船内で右往左往する人々の群像劇に変化する(もちろんメインはジャックとローズだが)。

沈没船が舞台ということで、脅威となるのは勿論「水」。身体の自由や体温を徐々に奪っていき、さらに船が沈んでいくことにより発生する倒壊などの二次災害。先ほどまでは「天国」のような空間だったタイタニック号が「地獄」へと様変わり。

https://www.crank-in.net/gallery/column/89522/6

中でも私が印象に残っているのは、部屋に閉じ込められたジャックを救出するべくローズが客室の廊下で助けを呼ぶシーン。

狭い廊下、
徐々に身体の自由を奪ってくる床の浸水、
それにより消えゆく照明、
そしていくら叫ぼうとも一向に来ない助け……

下手なホラー映画を超えるほどの恐怖を味わったのは、果たして私だけだろうか。


浸水が進み、遂に垂直方向へ傾き始めるタイタニック号。人々は船内の海水から逃れようと甲板へ集まり始める訳だが、船は容赦なく沈没していく。

ここで如実に現れていくのが「身分の違い」という残酷な設定。数少ない救命ボートに乗るべく多くの人が殺到する訳だが、優先されるのは富裕層のみ。つまり身分が低い者達は必然的に船内に置き去りになってしまう訳である……船体は徐々に沈んでいく、というのにだ。

https://www.crank-in.net/column/89522/1

沈みゆくタイタニック号、そこから極寒の海へ振り落とされていく人々……ここでタイタニックの名前の由来である「タイタン(ギリシャ神話に登場する巨人の神)」が重なる。

人を乗せて守るための存在であるはずの船が、いつしか塵芥の如く人を突き落としていく「神」と成る……それはまるで、驕り高ぶる人類に鉄槌を下しているかのように見えた。


混沌に満ち溢れた船内では、あらゆる人たちが各々で動き始めていた……
「生きることを諦めない者たち」
「失ったものを取り戻そうとする者たち」
「より多くの人々を救わんと奔走する者たち」
そして……「最後の時まで、愛する者に寄り添うと決めた者たち」。

https://twitter.com/kurumiccoShacho/status/1233424469357555713?lang=fr

それは「音楽隊」であったり、「家族」であったり、「紳士」であったり、「老夫婦」であったり……死を目前にしても尚毅然と振る舞う、そんな彼らに涙したものは数多くいるだろう。


氷山追突から1時間も経たぬうちにパニック映画へと変貌を遂げた『タイタニック』、だがそれでもラブロマンスの要素は決して失われてはいない。共に駆け落ちすると決めたジャックとローズ、2人は生き残るべく奔走する。

一時は身分の違いによるアクシデントがきっかけで2人の仲が引き裂かれそうになったものの、再び愛を確かめ合った彼らにとって最早身分の差なんてものは関係なくなっていた。全ては愛のために、自らの命すら惜しまない、そんな2人の姿に涙。

https://www.tvgroove.com/?p=106103

遂にタイタニック号は完全に沈没し、凍える海に放り出される2人……それでも「生きることを諦めないで」とローズに諭すジャック。やがてジャックは息絶え暗い海の底へ沈んでしまう、だがそれでもローズは「生きること」を決して諦めない。

そうして彼女は、タイタニック号の乗船車数の半分にも満たない生存者の内の1人となったのであった……

誰にも断ち切ることのできない「愛」の力によって。


ばいざうぇい。『タイタニック』は通称「泣ける映画」としても非常〜〜〜に有名だ。事実私が劇場に足を運び周りがリア充だらけの中1人で観に行った時にも、エンディングあたりで鼻を啜る音がよく聞こえてきた。

だがしかし…….衝撃的なことに、当の私は全然泣かなかった、いや泣けなかったのである。「きっとラストシーン→エンディングあたりで涙と鼻水を撒き散らしながら号泣してるんだろうなぁ」と予想しながら鑑賞していたため、自分の反応に驚きもしたし、何よりも悔しかった。

展開を知り尽くしているから?
隣に座ってきたカップルがうるさかったから?
色々理由を考えたが、それは結局「登場人物に感情移入できなかった」に過ぎなかった、と現実を見ることにした。いやぁマジで勿体無い。悔しいです。


さてさて、一心不乱に書き続けてもう100回目ですよ。最初は「自己満だし適当に書いていいでしょw w w」的なノリだったが、今となってはそうはいかない。半ば片足ではあるが映画の世界に足を突っ込んだ以上もう引き返すことなどできんだろう。側から見ればどれだけ長く書き連ねようと駄文にしか読めないかもしれないが……笑。

兎にも角にも、いつも読んでくれていただいてる方々には超絶感謝申し上げます……有難う。これからもよろしくお願いしますぅ〜〜〜

それではまた、次の映画にて。

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