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映画#107『Mr.ノーバディ』

『Mr.ノーバディ』(”Nobody”)

監督:イリヤ・ナイシュラー
出演:ボブ・オデンカーク、コニー・ニールセン、RZA、クリストファー・ロイド、 アレクセイ・セレブリャコフ、ゲージ・マンロー、ペイズリー・カドラス、ビリー・マクレラン、コリン・サーモン、アラヤ・メンゲシャ、アレクサンドル・パル、ダニエル・バーンハード、J・P・マヌー、他
製作会社:パーフェクト・ワールド・ピクチャーズ、87ノース・プロダクションズ、エイティー・トゥー・フィルムズ、オデンカーク・プロヴィシエロ・エンターテインメント
配給:ユニバーサル(米国)東宝東和(日本)
公開:2021年3月26日(米国)6月11日(日本)
上映時間:92分
製作国:アメリカ合衆国

Wikipediaより引用

【あらすじ】
主人公のハッチ・マンセルは、仕事では過小評価され、家庭ではリスペクトできない父親として扱われるなど、人生の苦難をぐっと受け止めながら生きる、地味で平凡な“何者でもないただの男(NOBODY)”だった。ある夜、郊外にある自宅に2人の強盗が押し入ったとき、ハッチは暴力を恐れ、父親らしく、そして男らしく、反撃することが出来なかった。事件をきっかけにさらに家族から失望され、同じ職場の義弟にもいちゃもんをつけられ、胸の中で煮詰まっていた怒りがふつふつと湧き上がっていくハッチ…。ふと路線バスで出会ってしまったチンピラたちの安直な挑発がトリガーとなり、遂にド派手にブチギレる!!!!

Filmarksより抜粋

※画像は全て映画.comのものを使用しております。

水綿

何の取り柄もない、平々凡々な父親、しかしその本性は……。血みどろ&傷だらけになりながらも、敵を薙ぎ倒していく……その様はキアヌ・リーブス主演『ジョン・ウィック』の如し(脚本家が同じなので似るのも必然といっちゃ必然なのかもしれない)。

2時間にも満たない短い上映時間の中で繰り広げられるバイオレンス・アクション。何の変哲もないただの男が、何故こんなに強いのか?そんな疑問を払拭するが如く、男「ノーバディ」は血みどろになりながらも多人数相手に無双していく。

前半はパンチ・キック・投げ技を主軸とした肉弾戦、後半はライフル・ショットガンを駆使した銃撃戦。正直なところ、アクションの爽快感・スタイリッシュさに関してはどうしても『ジョン・ウィック』の方が上に思えてしまうが、大人数を相手に一人で無双しまくるのは観ていて非常〜〜〜に清々しい。いいぞもっとやれー!!と何回脳内で叫んだことか。


ところで、あらすじにもある通り彼は二児の父なのだが、家族関係はあまり良好ではない。夫婦関係は若干冷め気味であり、息子は反抗期真っ最中。唯一娘からは懐かれているが、それでも鬱憤とした日々を過ごしているノーバディ。

紆余曲折あって最終的に家族関係は良好に戻るが、その過程はあまり事細かには描かれていない。映画としてそれはどうなんだと思う部分もあるが、今作はあくまでもアクションメインの作品なんだぜ、ということを強調したいが故の物語構成だと私は勝手に考えている。

というかまぁ、アクション主体の作品に変な人間ドラマを入れられても蛇足にしかならないと思うので、この措置は正解だったと言えるだろう。実際、いい意味で頭をカラッポにしても十分楽しめる作品となったのだから、結果オーライだ。


後に『ブレット・トレイン』や『バイオレント・ナイト』を公開し、来年にはライアン・ゴズリングを主演に迎え『ザ・フォール・ガイ』を公開予定の87ノース・プロダクションズ。

まだまだ作品数も少ない新米の映画製作会社ではあるが、この会社には他にはない唯一無二の「全作品に共通するテーマ」を持ち合わせている。それこそが「スピード感のあるアクション」であり、それがこの会社の持つ強みであるのは間違いない。

質のいいアクションのためにはドラマ要素を排することも厭わない……アクション好きからすれば、まさしく「期待の新星」とも言うべき製作会社だ。今後どんな作品たちを輩出するのか、期待していきたいところだ。

それではまた、次の映画にて。

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