映画#57『プレステージ』
どうやら私はとんでもない映画に出会ってしまったらしい。
奇術と復讐が絡み合うサスペンス映画『プレステージ』ご照覧あれ。
昼間が暇だったんで、家でじっくりと映画を観ようかなと。って訳で私が敬愛するクリストファー・ノーラン監督の作品を観ることに。丁度無料期間が終わるギリギリってのもあったんで。
簡潔に感想を言い表すと「これはとんでもない映画」といった所か。とにかく展開が我々の予想の斜め上をいくものばかりで、話は難解だが理解できた時の快感は凄まじい。
(正直、他のノーラン監督の作品と比べると知名度的にはイマイチな印象を受けたため、まさに予想外すぎる面白さだったと言える。)
シナリオも『メメント』のように、正式な時系列では描かないスタイルを採っている。が、その仕組みは『メメント』よりも複雑とすら思えてしまう。
二人の奇術師……いわゆるマジシャンが互いに復讐し合う、謎が謎を呼ぶサスペンス映画。
監督は「この映画自体が一つのトリックだ」と明言しているが、全くその通りであり話は一見分かりにくい。が、その分話の中で多くの伏線が散りばめられており、それを理解できた瞬間はまさしく爽快の一言。
特にラストシーンの種明かしのシーンは「ええええええええどういうこと!?!?!?!?!?」と実際に声を出してしまった。それほどに衝撃的だったと断言できる。
難解なトリックを複雑かつ緻密に組み込んだ今作だが、二人の主人公が繰り広げる復讐劇というのは中々に人間味が溢れていた。
複雑な物語だが、その動機は非常に生々しい、というある種のギャップも今作の魅力の一つだと思った。
「マジックで金を稼ぐ」という不安定な職業、更にお互いがお互いの大事なもの、かけがえの無いものを奪っていることから、二人はお互いを蹴落とそうとあの手この手を使い、(一部はあからさまにフィクションではあるものの)果てには人道から外れたことまで手に染めてしまう。
トリックが解けた瞬間…..特にラストシーンあたりはまさに脳味噌から爪先にかけて雷が落ちたかの如き衝撃が走ったと言えよう。もう脳汁がドバドバ状態である。
いつも我々の予想を限界突破レベルで超えてくるクリストファー・ノーラン監督……もはやここまで来ると至高の領域に達しているのではないか、とさえ思えてしまう。
まだ観てない作品もいくつかあるが……果たしてどれだけの衝撃が待っているのだろうか。楽しみで仕方ない。
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