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映画#148『ブレードランナー』

『ブレードランナー』(”Blade Runner”)

監督:リドリー・スコット
原作:フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
出演:ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー、ショーン・ヤング、エドワード・ジェームズ・オルモス、他
製作会社:ラッド・カンパニー、ショウ・ブラザーズ、ブレードランナー・パートナーシップ
配給:ワーナー・ブラザース
公開:1982年6月25日(米国)7月3日(日本)
上映時間:116分
製作国:アメリカ合衆国、イギリス領香港

Wikipediaより引用

【あらすじ】
2019年、惑星移住が可能になった未来。レプリカントと呼ばれる人造人間が謀反を起こし、地球に侵入。レプリカント専門の捜査官“ブレードランナー”のデッカードは追跡を開始する。一方、彼は製造元のタイレル社でレイチェルというレプリカントに会い、心を通わせていくが……。

映画.comより抜粋

画像出典:映画.com

諸君らは「サイバーパンク」という名の世界観をご存知だろうか。近未来的な世界観と重苦しく暗い世界観を複合させたような混沌とした設定で、昨今のSFを題材とした映画では比較的主流となりつつある。

代表作としては『マトリックス』や『トロン』、『ターミネーター』など有名な作品が多数挙げられるが、そんなサイバーパンク映画の元祖と呼ばれるのがこの『ブレードランナー』だ。監督は『エイリアン』でお馴染みリドリー・スコット、主演は『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』のハリソン・フォード。


作中における「ブレードランナー」とは、人間社会に紛れ込んだアンドロイド(通称「レプリカント」)を抹殺する職業のことを指す。主人公のデッカードは正にこの「ブレードランナー」を生業とする男であり、劇中では都市に侵入したレプリカントたちを始末する任務を言い渡される。

酸性雨が降り注ぐ、荒廃した地球が舞台。

サイバーパンク映画のルーツ的存在と呼ばれる通り、その世界観の作りは最早完璧に近いと言える。漆黒に染め上げられたビル街、永遠に降り続ける雨がネオンの光に照らされ、街道は多種多様な文化がごった混ぜになり、その中をまるで蟻のように歩き続ける無数の群衆………これだよこれ。これぞ「THE・サイバーパンク」だよ。

何よりも驚きなのがこの世界観を80年代前半で既に「完成させてしまっていた」ことだ。まだCGも満足に普及できていなかったこの時代にこの解像度とは何事か!?観ていてただただ驚きが隠せなかったのを今でも覚えている。


が、正直ストーリーに関しては至って凡庸な印象を受ける。SFスリラーとして名を馳せる今作ではあるが、ストーリーは少々盛り上がりに欠ける。普段映画を観るときは途中で寝ることのないように目をかっ開いて鑑賞に臨んでいるのだが、今回ばっかりは睡魔に敗北を喫してしまった(そのため前半の展開の記憶が非常に曖昧である)。小津の作品を鑑賞した時と同じように、物語が良くも悪くものっぺりしているが故なのか、あるいは今作を楽しみにしていた一方でどこか「つまらない」と思っていたのが災いしたのか………。

アクションがないわけではないけれど、大抵デッカードがターゲットを追っているか逆に追われているか。

というかそもそも『マトリックス』のようなディストピア・アクション映画を期待して今作の鑑賞に臨んだのがそもそもの間違いだったのかもしれない。あの『エイリアン』を手がけたリドリー・スコットが監督!?『スター・ウォーズ』や『レイダース』に出演したばっかりの若き日のハリソン・フォードが主演!!??こんなの期待するしかない!!!!!といった風に期待しすぎたのも原因の一つかも。


まぁ今作が全体的に予想と異なっていたという話は置いといて、あの時代にここまでサイバーパンク的な世界観を完成させていたのは本当にすごいと心の底から感じる。この映画を骨の髄まで楽しめる人こそが映画に通な人なんだろうなぁとふと思った次第だ。私もまだまだ未熟だなぁと。

それはそうとして、続編『ブレードランナー2049』もまだ残ってるし、今後今作のドラマシリーズ『ブレードランナー2099』が制作されるとのこと。過度な期待はかえって身を滅ぼすとわかってはいるが、それでも気になってしまうのが映画の良い所でもあり悪い所でもあるのだろう。この枷からは逃れることはできないのだ。笑

それではまた、次の映画にて。

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