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映画#109『ガメラ 大怪獣空中決戦』

『ガメラ 大怪獣空中決戦』
(”Gamera: Guardian of the Universe”)

監督:金子修介(本編)樋口真嗣(特撮)
脚本:伊藤和典
出演:伊原剛志、中山忍、藤谷文子、螢雪次朗、小野寺昭、他
製作会社:大映
配給:東宝
公開:1995年3月11日
上映時間:95分
製作国:日本

Wikipediaより引用

【あらすじ】
太平洋上で巨大漂流環礁が発見された。同じ頃、九州の姫神島で住民が消失する事件が発生。住民は消える直前の無線で、鳥の存在を訴えていた。調査のため島を訪れた鳥類学者・長峰の前に、巨大な怪鳥が姿を現す。一方、海上保安庁の米森と保険会社の草薙は、環礁上で発見された石版の碑文を解読。その結果、環礁はガメラ、怪鳥はギャオスという古代怪獣であることが判明する。全国民が震撼する中、2大怪獣の戦いは九州から東京へと舞台を移し、壮絶な空中バトルが幕を開ける。

映画.comより抜粋

※画像は全て映画.comのものを使用しております

水綿

「特撮を代表する怪獣とは何か」と聞かれ、真っ先に思いつくのはやはりゴジラだろう。だがゴジラが地上を制する者であるのと同様に、空を制する者もまた存在するということを忘れてはならない。古代より君臨せし空の王「ガメラ」……かの者もまた、日本の特撮を代表する怪獣の一匹なのだ。

昭和シリーズとしてスタートしたこの『ガメラ』という作品、その生誕30周年を記念して制作されたのがこの『ガメラ 大怪獣空中決戦』……通称「平成ガメラ三部作」の始まりだ。

そんな今作の特撮監督を務めた樋口真嗣……後に『エヴァンゲリオン』の生みの親である庵野秀明と手を組み、『シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』を手掛ることとなる彼の手腕が発揮されたシリーズでもある。



とはいえ特撮は特撮。ハリウッドのようなCGを使用したリアリティな映像ではないし、平成初期の作品であるためか現代の作品と比べるとどうしても見劣りしてしまう部分が多々ある。かくいう私も、それを理由に何となく鑑賞するのに気が引けていたのだが……

結論から言うと「日本の特撮をナメちゃアカン」。噴出口からジェット噴射し飛行するガメラの荒唐無稽さ、人間を喰らうギャオスの不気味さ……ミニチュアのセットと着ぐるみで「怪獣」を表現することにより生まれる、特撮怪獣特有の「作り物感」及び「フィクション感」。それが『ガメラ』の世界観に恐ろしい程にマッチしていた。

まぁ確かに、二次創作等で見られるようなCGを使用したガメラもまた良いが(今後制作されるかもしれない『シン・ガメラ』然り)……少なくとも私は、今作の鑑賞でようやく「特撮怪獣の魅力」を垣間見ることができた、と胸を張って言える。



『ゴジラ』と比べ、『ガメラ』は比較的子供向けな描写が多いことで有名だ(とはいえ、ゴジラも昭和のVSシリーズは若干コメディっぽくなってはいたが)。現に昭和シリーズにおいても「子供たちの願いで真の実力を発揮する」と言う、戦隊ヒーローっぽさを感じられるような設定を主軸としていた。

対して、今作を含めた「平成ガメラ」三部作は比較的大人向けのテイストを加えた、従来のものとは異なる「新生・ガメラ」なのである。環境問題をはじめ、大人になっていくにつれて直面せざるを得ない数々の「問題」たち……それらをふんだんに取り入れた今作ではあるが、それでもやはり『ガメラ』には「フィクション的要素」が不可欠なのだと再確認させられる。

ハイスピードな空中戦は見応えあり。隕石の如き勢いで共に落下していく両者の迫力たるや。

ガメラとギャオス、両者とも圧倒的な空中機動力を持つ怪獣……故にタイトルにもある通りの「大怪獣空中決戦」が行われる訳だが、これは「ガメラとギャオス」にしかできない、逆を言えば「ゴジラ」には到底不可能な戦い方なのである。

一見すれば荒唐無稽な、「馬鹿げている」と一蹴されてしまいそうな『ガメラ』特有のテイスト……それこそが、彼の誕生後何十年経とうとも損なわれることのない、唯一無二の「ガメラ’s オリジナリティ」なのではないかと私は思っている。



という訳で。この「ガメラ熱」が冷めぬうちに『2』『3』と観ていきたいところではあるが……そろそろAmazon Prime以外のサブスクに加入することも考えねば。やはり時代はU-NEXTなのか……アマプラで観れない作品は大体U-NEXT(あるいはディズニープラス)にあることが発覚した故、サブスク時代の恐ろしさを身に沁みて感じた今日この頃であった……。

それではまた、次の映画にて。

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