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映画#133『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
(”The Super Mario Bros. Movie”)
監督:アーロン・ホーバス、マイケル・イェレニック
原作:任天堂『スーパーマリオ』
製作:クリス・メレダンドリ、宮本茂
出演:クリス・プラット、チャーリー・デイ、アニャ・テイラー=ジョイ、ジャック・ブラック、キーガン=マイケル・キー、セス・ローゲン、フレッド・アーミセン、ケビン・マイケル・リチャードソン、セバスティアン・マニスカルコ、チャールズ・マーティネー、他
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ(米国)東宝東和(日本)
公開:2023年4月5日(米国)4月28日(日本)
上映時間:93分
製作国:アメリカ合衆国、日本
【あらすじ】
ニューヨークで配管工を営む双子の兄弟マリオとルイージ。謎の土管で迷い込んだのは、魔法に満ちた新世界。はなればなれになってしまった兄弟が、絆の力で世界の危機に立ち向かう。
画像出典:映画.com
諸君らは『スーパーマリオブラザーズ』というゲームを知っているだろうか。赤色の帽子がトレードマークのマリオが、大魔王クッパに攫われたお姫様ピーチを助けるべく冒険の旅に出るアクション・アドベンチャーゲームである。
……と聞いて「へぇ、初めて聞いたけど面白そうなゲームだな」と思った方は果たしてどれほどいるだろうか。私の憶測と言う名の偏見によると、そんな人はおそらく全体の1%にも満たないと思っている。それほどとてつもない知名度を誇っているゲームタイトルが、この『スーパーマリオブラザーズ』なのだ。
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そんな通称『マリオ』が、何とアニメーション映画としてハリウッド映画化。アニメーションを手がけるは、あの『ミニオンズ』を手がけたイルミネーション。世界的ゲーム会社と世界的アニメ会社のタッグ、というゴージャスすぎるコラボレーション。
本国では4月初旬に公開され、たちまち爆発的なヒットを記録。公開1ヶ月もしないうちに興行収入が1000億円を超えるなど、アニメ映画史上最大のヒットというとんでもない売り上げを見せている。日本でも4月下旬に公開され、現在絶賛大ヒット中。
実際に観てみての感想として……これは世界的大ヒットも当然、と言えるほどの完成度だった。上映時間も長すぎず、内容も単純明快。子供も大人も全員楽しめるライトな作りなのは勿論のこと、マリオの映画ということでファンに向けた小ネタなども満載。
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古参のファンに向けた映画もとい作品は、大抵の場合サプライズ要素を盛り込みすぎて若干収拾がつかなくなってしまいがちだ。だが今作は、サプライズてんこ盛りな上に初見の人でも十分楽しめる……即ち、非常にバランスが良い。
ファン向けの映画としてマイナーすぎず、かといって新規向けとして淡白すぎず。小ネタの圧倒的物量については後述するが、これほどのボリュームを約1時間半という上映時間に収めていることに驚愕せざるを得ない。これにて、化け物と化け物がコラボすると、とんでもない物が出来上がってしまうということが立証されてしまった……この映画、恐ろしすぎる。
さて、今作に散りばめられた小ネタたちについてだが……先述した通りその物量が半端ない。だがそれよりも評価すべきなのは、その差し込み方が非常〜〜〜に巧いことだろう。やや誇張しすぎかもしれないが、その様は言うなればマリオ版『レディ・プレイヤー1』だ。
「マンマミーヤ!」「イッツミー、マーリオ!」など、ゲーム作品でよく聞くようなマリオのセリフは勿論のこと、ハテナブロックやパワーキノコ、ファイヤーフラワーなどのアイテムたち、果てには派生作品(『マリオカート』や『マリオギャラクシー』、『ドンキーコング』など)の要素もしっかりと抜かりなくぶちこんできている。
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更に更にこれだけに留まらず、みんな大好き『スマブラ』をはじめ『パルテナの鏡』や『バルーンファイト』などの任天堂の他作品、果てには知る人ぞ知る実写版『マリオブラザーズ』の小ネタまで、これ以上ないってぐらいの怒涛の小ネタの嵐……
これほどのボリュームを2時間未満の上映時間で収めることに成功しているのだから、本当に開発陣は化け物勢揃いなんだなぁと納得せざるを得ない。笑
ただ一つ、本っっっっ当に唯一の不満点を挙げるなら「字幕版やってなさすぎ」ってことだろうか。いやそりゃー宮野真守のマリオ、めちゃくちゃハマり役だけどさ!?洋画派の私としてはクリス・プラットのマリオ、アニャ・テイラー=ジョイのピーチを見たいのよ(と、言うわけで後日字幕版を観に都心まで凸って参ります)。
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短い上映時間の中でありったけのボリュームを詰め込んだ!!というのが今作が好評である理由の一つであるのは間違いないが、個人的にはもう少し長くしても良かったんじゃないか??とも思ってしまった。全然今の上映時間でも問題なく楽しめるのだが「もーちょいかさ増ししても良いのよ任天堂ちゃん??」といった具合に。それこそその分もっと原作ネタを入れるとかでも、よりボリューミーになって面白そうではある。
というかタイトルの時点で「まずコケることは満に一つもない」ことがわかりきっているのが強すぎる。もしかするとこれは、長年続いてきた「アニメ映画と言ったらディズニーでしょ!!」という固定観念が遂に崩れる、その歴史的瞬間となるのか……というかディズニーは最近ポリコレ(笑)にお熱なのでこの世代交代は必然的なのかもしれない。果たして『アナ雪2』を超えるかどうか……
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にしても、我らが日本のゲームが原作の映画がここまでヒットしたって考えると何だか嬉しくなっちゃうねぇ。さすがは天下の任天堂。スター状態のごとき快進撃で突き進め!!
それではまた、次の映画にて。
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