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映画#137『ロッキー』

『ロッキー』(”Rocky”)

監督:ジョン・G・アヴィルドセン
脚本:シルヴェスター・スタローン
出演:シルヴェスター・スタローン、タリア・シャイア、バート・ヤング、バージェス・メレディス、カール・ウェザース、他
製作会社:チャートフ=ウィンクラー・プロダクションズ
配給:ユナイテッド・アーティスツ
公開:1976年11月21日(米国)1977年4月16日(日本)
上映時間:119分
製作国:アメリカ合衆国

Wikipediaより引用

【あらすじ】
青年ロッキーはフィラデルフィアのスラム街に暮らす4回戦ボクサー。ある時、世界チャンピオンのアポロがロッキーを対戦相手に指名してきた。もし15ラウンド終わってもリングに立っていることができたら、自分がただの三流ボクサーでないことを証明できる……ロッキーは愛する女性エイドリアンのために死闘を繰り広げることに!

映画.comより抜粋

画像出典:映画.com

「ロッキー・バルボア」という男をご存知だろうか。無名時代に世界チャンピオンのアポロ・クリードへ挑み、接戦の末に敗北するもその知名度はフィラデルフィアを超え米国中に広まり、遂には世界王者の座を掴み取るまでに至った。

「イタリアの種馬」ことロッキー・バルボア。

今作『ロッキー』は、そんな彼がアポロへ挑むまでの道程を記したタイトルである。主演はシルヴェスター・スタローン………奇しくも彼は当時ロッキー・バルボアと同じく無名であり、今作の大ヒットをキッカケにアメリカン・ドリームを達成することとなった、まさに運命的出会いを果たしているのである。


人生に一度は観るべき名作、と銘打たれる程の知名度・高評価を得ている今作。実際に鑑賞してみての感想として「そりゃあ議題の名作と言われる訳ですわ」と納得せざるを得ない程の出来だった。

かの有名なテーマ曲、ロッキーのトレーニングシーンや胸熱なアポロとの決戦など、今作が評価される部分は多々存在するが、第一の理由として挙げられるのはやはり主演であるスタローンとロッキーの重なり合いだろう。

スタローンは今作への出演をキッカケに、ロッキーはアポロとの戦いをキッカケに、それぞれ人生逆転を果たしている。だが、それまでの暮らしは両者とも荒んだものであったのも事実。

スタローンは出演作に中々恵まれず、様々な作品へ脇役・エキストラとして出演し地道にコツコツと俳優活動を行っていた。一方ロッキーも無名ボクサーとしてちまちまと賞金を稼ぎながら、副業として取り立ての仕事を行うなど、輝かしい生活とは到底呼べない暮らしを送っていた。

ここまで主演とその登場人物がリンクしている映画は中々無いんじゃなかろうか………。


スタローンは今作にて主演を務めるだけでなく、脚本を自ら執筆している点から今作への覚悟は凄まじいものだったのだろう………

「もし最終ラウンドが終わってゴングが鳴っても、俺がリングの上に立っていたら、俺は人生で初めてそのへんのゴロツキじゃないってことを証明できるんだ。」

そう語るロッキーの強い覚悟が功を奏したように、スタローンもまた今作で大成功を収め「アメリカン・ドリーム」を象徴する人物となったのである。結果的にロッキーはアポロに敗北してしまったが、その姿は誰よりも輝いていたと言えるだろう。


だが今作を鑑賞後、一つ気づいたことがある………超がつくほどの傑作であることは十分理解できたが、今作は「ボクシング・バトル映画」では無いなと。

今作のメインの要素となるのは、ロッキー(スタローン)が過去の自分と決別し輝かしい新たなる自分を手に入れることであり、その手段・或いは道程としてボクシングが登場しているに過ぎなかったのだ。

故に、ロッキーが実際にボクシングのリングで戦うシーンは序盤と終盤にしか存在しない(トレーニングシーンなどでアポロとの決戦への期待を高めておいて、いざラストシーンにて一気に爆発させる、という手法なのかもしれない)。スタローンがボロボロになりながらも、対戦相手に食いかかっていく姿を期待しすぎると恐らく幻滅してしまうことだろう………そこは要注意だ。


知っての通り、今月末には『ロッキー』シリーズの後日譚に当たる『クリード』シリーズの最新作『クリード 過去の逆襲』が公開される。今作にてロッキーとの死闘を繰り広げたアポロ・クリード、その遺児であるアドニス・クリードが主人公のシリーズ………。

観ないわけにはいかないと思い『ロッキー』シリーズも『クリード』シリーズも全部観てやろうと息巻いていたのだが、不運にもそう決意した数日後にアマプラでの配信が終了。「せめて『2』だけでも!!」と観始めたがそれも間に合うことなく、完全に不完全燃焼な状態となってしまった。

金欠だがここは腹を括ってU-NEXTと契約するべきか………非常に悩みどころである。筆者の運命や如何に(?)

それではまた、次の映画にて。

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