映画#111『ワールド・ウォーZ』
ポスターの画像と「主演:ブラッド・ピット」という文字を見て「ブラピってこういう映画出てたんや……」と思い鑑賞。雰囲気からしてディザスター映画かな?と思いきやゴリゴリのゾンビ・パニック映画。
というわけで昨年1月に観た『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』ぶりに(厳密に言うと、直近で観たこの手のジャンルの映画は、学校で観た『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』)ゾンビ映画なるものを観ることになったのだった。
一口に「ゾンビ映画」と言っても、大抵はそこからジャンルが二分化するものだ。簡単にいえば「ホラー」なのか「パニック」なのか……そんな感じ。果たして今作はどちらに分類されるのか?私的には「8割後者、2割前者」の印象だ。
ゾンビから街を守るべく建てられた「壁」に、大量のゾンビがまるで蟻のように押し寄せ、一つの「壁」になり侵入してくる、といったトンデモ展開まで取り揃えたある種の「ゾンビ映画らしさ」が溢れている一方で「序盤・終盤では妙に静まった暗闇の中、音を立てずに進んでいく」というTHE・ホラー映画的な展開も用意されている。
だがそれを踏まえても、やはりパニック映画としての側面が強いのは確かだ……或いは、ゾンビモノはパニックもホラーも両方兼ね備えてナンボなのかも。
ホラー映画、もといホラー的展開に欠かせないもの、それは「嵐の前の静けさ」だと私は思う。環境音、登場人物の足音、息遣い、そして迫り来る何かの物音、それらだけが聞こえる静寂に満ちたシーン。
今作に関して言えば、終盤にてゾンビたちが蔓延る研究室に、一切音を立てず忍び込む場面……まさしく『バイオハザード』などで見られるような、ゾンビ映画のホラーっぽさがしっかりと表現されているな、というのが率直な感想だ。
反面、序盤の渋滞のシーンから「あれ?何かおかしいぞ?」と思わせてくるシーンにはもう少し緊迫感を加えて欲しかった所。不穏な空気が流れ出してから、実際にゾンビの大群が襲来してくるまでの流れがかなり急ぎ足な印象だった為、違和感を感じざるを得なかった。どうせ怖くするならとことん怖くしてみても良かったんじゃないかなぁ。
心の内を洗いざらいぶちまけると「B級映画っぽいなぁ」という印象をわざわざレンタルした癖して抱いていた今作。だがその一方で、2013年公開当時は世界的にも大ヒットを収め、ブラピの出演作では最高の興行収入に。さらには大ヒットを記念し、なんとゲームまで制作されることとなった。
「B級の匂いがするだとか低評価の嵐が巻き起こってそうだとか言ってすんませんした」と製作陣の方々に土下座すると同時に、過去の自分にストレートを喰らわしてやりたい。
先述した「ゾンビ・ウォール(命名)」然り、娯楽色強めなゾンビ映画としての完成度は高く、当時の大ヒットも十分頷ける。そんでまぁ相変わらずブラピはかっこいいと。
ただただエンタメ作品を頭カラッポにして観たい人、ブラピの御尊顔を拝みたい人。今作、オヌヌメです。
それではまた、次の映画にて。
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