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映画#113『MEG ザ・モンスター』

『MEG ザ・モンスター』(”The Meg”)

監督:ジョン・タートルトープ
原作:スティーヴ・オルテン『Meg: A Novel of Deep Terror』
出演:ジェイソン・ステイサム、リー・ビンビン、レイン・ウィルソン、ルビー・ローズ、ウィンストン・チャオ、クリフ・カーティス、他
製作会社:ワーナー・ブラザース、グラヴィティ・ピクチャーズ、フラッグシップ・エンターテインメント、アペレス・エンターテインメント、ディ・ボナヴェンチュラ・ピクチャーズ、Maeday Productions
配給:ワーナー・ブラザーズ(米国/日本)グラヴィティ・ピクチャーズ(中国)
公開:2018年8月10日(米国/中国)9月7日(日本)
上映時間:113分
製作国:アメリカ合衆国、中華人民共和国

Wikipediaより引用

【あらすじ】
人類未踏の地とされる「マリワナ海溝」を超える深海が発見された。沖合に海洋研究所を構えた探査チームが最新の潜水艇で深海へと繰り出す。生物がほとんど存在しない冷たい深海の海域を超えると、そこには温かな海域が存在し、幻想的な未知の生物世界が広がっていた。世紀の発見に心を躍らす研究チームだったが、巨大な“何か”に襲われ、身動きがとれなくなってしまう。深海レスキューのプロである、ジョナス・テイラー(ジェイソン・ステイサム)を救助に向かわせるが、彼の目に飛び込んできたのは200万年前に絶滅したと思われていた実在する巨大ザメ“メガロドン”だった―!!

Filmarksより抜粋

※画像出典:映画.com

水綿

スティーヴン・スピルバーグ監督作『ジョーズ』が公開されて以来、所謂「サメ映画」という一つのジャンル(?)は全世界に浸透した。その後『ディープ・ブルー』など新たなるヒット作が生み出される一方で、竜巻となって人々を襲い始めたり頭が二つ三つ果てには六つに増えるなど多彩な進化を遂げ、通称「B級映画」の定番の題材としても名を馳せることとなった。

言わずもがな、『ジョーズ』は「巨大な人喰いサメに襲われる!!」という恐怖感を、敢えてサメを登場させないことによって巧みに演出した正真正銘の傑作だ。とはいえど、その恐怖の矛先はやはり「サメに食べられる、殺される」という生物的本能が起因している。

「デカすぎんだろ……」

ではあのジョーズよりも巨大なサメが人間を襲ってきたら?更にそんな巨大サメが暗い深海の奥底から襲ってきたら?他のサメ映画が持つ設定たちと比べたら見劣りしてしまうかもしれないが、そのインパクトは絶大なのは確かだ。そんな屈強な筋肉モリモリマッチョマンですらちびってしまいそうなサメを生み出したのが『MEG ザ・モンスター』だ。主演は近年アクション俳優として絶大な人気を誇る、ジェイソン・ステイサム。



世の中には、所謂「海洋恐怖症」なる症状が存在する。誰もが一度は耳にしたことがあるだろうが、底の見えない暗い海、或いは海面近くを遊泳するクジラやサメに強い恐怖を感じる、というのが大まかな症状だ。

今作『MEG ザ・モンスター』は、そんな海洋恐怖症の方々を全力で殺しにかかってる作品だと言える。何せ先述した「恐怖の対象」が劇中これでもかと言わんばかりに散りばめられており、ましてや相手は超巨大サメ「メガロドン」。襲われようものならひとたまりもない。

(正直、ここまできたら海洋恐怖症でなくとも十分怖いと思うが)実際に劇場で今作を鑑賞した海洋恐怖症の人は失神したのではなかろうか……。



だがしかし安心して欲しい。古代から甦りし「海の悪魔」ことメガロドンに相対するは、あのジェイソン・ステイサムなのだから。

『トランスポーター』『エクスペンダブルズ』そして大人気シリーズ『ワイルド・スピード』など、数々のアクション大作に出演したステイサム。遂に付けられたあだ名が「世界最強のハゲ」。数々の強敵を相手にしてきたステイサムに、巨大サメ如きが相手になるものか。

それはさておき、実はステイサムは俳優業を始める以前、飛び込み選手として活躍していた。劇中でも何度か海に飛び込むシーンがあるのだが、そのフォームの華麗さと言ったら……「最強 VS 最恐」という対比(?)が成される今作にとって、ステイサムはまさに主役にうってつけだったと言える。



設定もシンプルかつインパクト大、キャスティングも特にこれといった違和感なし。けど特に「惜しい!!」と思ったのは、垣間見えるストーリーの拙さだろうか……

シーンの随所随所に蛇足っぽいなぁと感じてしまう部分がいくつかあり、それによって途中から若干冷め気味だったのも否めない。途中の「実はメガロドンは二匹いました」って展開も何だか捻りが無さすぎて……特に説明もなくサラーっと受け流されていたのにも違和感。

従来のサメ映画とはまたベクトルの異なる恐怖感の演出や、疾走感・インパクト絶大の海中バトルなど、色々と推せる部分が多かったが為に非常に勿体なく思う。



本記事の冒頭にて「サメ映画とは何たるか」を意気揚々と語っていた私だが、実は『ジョーズ』すら観たことがない今世紀最大のエアプ王なのである。いやもうほんとに、映画好きを名乗ってる癖して過去の名作を全く観れていないのどうにかせねば。そんな焦りをふつふつと感じつつ盛大に見ないフリをし「ステイサムやっぱカッコええなぁ」と呟く今日この頃でした。

それではまた、次の映画にて。


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