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2021年この映画が面白かった

いつもは小説ばかりの投稿ですが、今回は映画で。
極力ネタバレしないように気をつけながら、特に順位をつけずに一気にご紹介します


キャラクター

ある日、一家殺人事件とその犯人を目撃してしまった山城は、警察の取り調べに「犯人の顔は見ていない」と嘘をつき、自分だけが知っている犯人をキャラクターにサスペンス漫画「34」を描き始める。お人好しな性格の山城に欠けていた本物の悪を描いた漫画は大ヒットし、山城は一躍売れっ子漫画家の道を歩んでいく。そんな中、「34」で描かれた物語を模した事件が次々と発生する。

https://eiga.com/movie/94252/

キャッチーな出演者でキャッチーな設定で、気になるけれどどこまで面白いんだろうと思って観てみたら、ちゃんと面白かった。
猟奇殺人鬼を演じるSEKAI NO OWARIのFukaseの、微笑みながらもクレイジーな目が思いのほかハマっていて、話題作りなだけのキャスティングではないことを思い知らされる。

先生、私の隣に座っていただけませんか?

漫画家・佐和子の新作漫画「先生、私の隣に座っていただけませんか?」。そこには、自分たちとよく似た夫婦の姿が描かれ、さらに佐和子の夫・俊夫と編集者・千佳の不倫現場がリアルに描かれていた。やがて物語は、佐和子と自動車教習所の先生との淡い恋へと急展開する。この漫画は完全な創作なのか、ただの妄想なのか、それとも夫に対する佐和子からの復讐なのか。

https://eiga.com/movie/94770/

現実を漫画にして、漫画が現実を追い越したら、現実が追いついてきたのがキャラクター
現実を漫画にしたら、それが現実なのか漫画なのかがわからなくなるのが先生、私の隣に座っていただけませんか?
黒木華の許していない笑顔と、それをどっちに捉えていいのか迷いまくる柄本佑がバッチリだった。

オールド

人里離れた美しいビーチに、バカンスを過ごすためやってきた複数の家族。それぞれが楽しいひと時を過ごしていたが、そのうちのひとりの母親が、姿が見えなくなった息子を探しはじめた。ビーチにいるほかの家族にも、息子の行方を尋ねる母親。そんな彼女の前に、「僕はここにいるよ」と息子が姿を現す。しかし、6歳の少年だった息子は、少し目を離したすきに青年へと急成長していた。やがて彼らは、それぞれが急速に年老いていくことに気づく。ビーチにいた人々はすぐにその場を離れようとするが、なぜか意識を失ってしまうなど脱出することができず……。

https://eiga.com/movie/95209/

あるビーチだけ急速に時間が過ぎる。というか体感の時間は普通だが急速に成長し年老いていくという設定。
こういう作品の場合、設定だけの出オチにならないかが気になるところだが、意外な裏設定があって面白かった。
潜水できる時間が異様に長い気がするが、それは映画の世界だからということで。

悪なき殺人

吹雪の夜、フランスの山間の町で女性が失踪し、殺害された。事件の犯人として疑われた農夫のジョセフ、彼と不倫関係にあったアリス、そして彼女の夫ミシェルなど、それぞれに秘密を抱えた5人の男女の関係が、失踪事件を軸にひも解かれていく。そして彼らが、フランスとアフリカのコートジボワールをつなぐ壮大なミステリーに絡んでいた事実が明らかになっていく。

https://eiga.com/movie/91887/

人間は、「偶然」には勝てないーー

全く関係なさそうなそれぞれが、実は偶然にも繋がってて、、という話。
観終わった後には相関図を作りたくなる。
悪なき殺人というタイトルのわりに、悪意・殺意はしっかりありましたね。

すばらしき世界

殺人を犯し13年の刑期を終えた三上は、目まぐるしく変化する社会からすっかり取り残され、身元引受人の弁護士・庄司らの助けを借りながら自立を目指していた。そんなある日、生き別れた母を探す三上に、若手テレビディレクターの津乃田とやり手のプロデューサーの吉澤が近づいてくる。彼らは、社会に適応しようとあがきながら、生き別れた母親を捜す三上の姿を感動ドキュメンタリーに仕立て上げようとしていたが……。

https://eiga.com/movie/92069/

これは良かった。すごく良かった。
刑期を終えたあと必死に社会に適応しようとする役所広司と、それに対する社会の反応。葛藤。
そしてなにより仲野太賀が素晴らしかった。ブルーリボン賞ノミネートも納得です。

ヤクザと家族 The family

1999 年、父親を覚せい剤で失った山本賢治は、柴咲組組長・柴崎博の危機を救う。その日暮らしの生活を送り、自暴自棄になっていた山本に柴崎は手を差し伸べ、2人は父子の契りを結ぶ。2005 年、短気ながら一本気な性格の山本は、ヤクザの世界で男を上げ、さまざまな出会いと別れの中で、自分の「家族」「ファミリー」を守るためにある決断をする。2019年、14年の出所を終えた山本が直面したのは、暴対法の影響でかつての隆盛の影もなくなった柴咲組の姿だった。

https://eiga.com/movie/93189/

こちらヤクザ役は綾野剛。刑期を終えたあともヤクザを捨てきれなく、突きつけられる現実と戸惑い。
公開時期がすばらしき世界と同時期になってしまったのが悔やまれる。ヤクザの出所後と社会の対比という共通点が多すぎて。

サマーフィルムにのって

高校3年生ハダシは時代劇映画が大好きだが、所属する映画部で作るのはキラキラとした青春映画ばかり。自分の撮りたい時代劇がなかなか作れずくすぶっていたハダシの前に、武士役にぴったりの理想的な男子、凛太郎が現れる。彼との出会いに運命を感じたハダシは、幼なじみのビート板とブルーハワイを巻き込み、個性豊かなスタッフを集めて映画制作に乗り出す。文化祭での上映を目指して順調に制作を進めていくハダシたちだったが、実は凛太郎の正体は未来からタイムトラベルしてきた未来人で……。

https://eiga.com/movie/93813/

文化祭に向けて映画を撮る青春ロードムービー。
主人公は時代劇好きだし、同じ部活のライバルはベタベタな恋愛映画の主演・監督だし、よくわからないあだ名の仲間、さらに未来人まで登場と、設定入れまくりの作品なのに、なぜかすんなり受け入れて、これぞ青春だ!と思わせてしまうパワー。
主演の伊藤万理華が高校生にしか見えない。(調べたら25歳だった)

子供はわかってあげない

ひょんなことがきっかけで意気投合した美波ともじくん。美波のもとに突然届いた「謎のお札」をきっかけに、2人は幼い頃に行方がわからなくなった美波の実の父を捜すことになった。女性のような見た目で、探偵をしているというもじくんの兄・明大の協力により、実の父・藁谷友充はあっさりと捜し当ててしまった。美波は今の家族には内緒で、友充に会いに行くが……。

https://eiga.com/movie/92157/

こちらも青春映画。
コミカルで頼りなさげな豊川悦司や、オネエの千葉雄大など、個性強めなキャラがありつつも、主人公の上白石萌歌は普通で自然。そう、自然体すぎて、これは映画であり彼女が”演技”をしていることをすっかり忘れてしまうほど。

ラストナイト・イン・ソーホー

ファッションデザイナーを夢見て、ロンドンのソーホーにあるデザイン専門学校に入学したエロイーズは、寮生活になじめずアパートで一人暮らしを始める。ある時、夢の中できらびやかな1960年代のソーホーで歌手を目指す美しい女性サンディに出会い、その姿に魅了されたエロイーズは、夜ごと夢の中でサンディを追いかけるようになる。次第に身体も感覚もサンディとシンクロし、夢の中での体験が現実世界にも影響を与え、充実した毎日を送れるようになったエロイーズ。夢の中で何度も60年代ソーホーに繰り出すようになった彼女だったが、ある日、夢の中でサンディが殺されるところを目撃してしまう。さらに現実では謎の亡霊が出現し、エロイーズは徐々に精神をむしばまれていく。

https://eiga.com/movie/95435/

なんといっても映像美。煌びやかで街中からバイタリティが溢れてる1960年台ロンドンの雰囲気が良かった。
ストーリーはミステリーホラー。性暴力の描写があることだけは触れておきます。
序盤から伏線張ってます感がすごかった母親の存在が、伏線でもなんでもなかったのがちょっと意外。

シン・エヴァンゲリオン劇場版

ミサトの率いる反ネルフ組織ヴィレは、コア化で赤く染まったパリ旧市街にいた。旗艦AAAヴンダーから選抜隊が降下し、残された封印柱に取りつく。復元オペの作業可能時間はわずか720秒。決死の作戦遂行中、ネルフのEVAが大群で接近し、マリの改8号機が迎撃を開始した。一方、シンジ、アスカ、アヤナミレイ(仮称)の3人は日本の大地をさまよい歩いていた……。

https://eiga.com/movie/57683/

ついに完結しましたね。エヴァ。無事に終わってくれたことだけで大満足。パリの復元とかすごくカッコよかった。
コミックス最終巻のEXTRASTAGE「夏色のエデン」と、来場者特典EVA-EXTRA-EXTRAの「EVANGELION:3.0(-120min.)」を読んでから、Q・シンを見返すとより深くエヴァを味わえます。

映画大好きポンポさん

大物映画プロデューサーの孫で自身もその才能を受け継いだポンポさんのもとで、製作アシスタントを務める映画通の青年ジーン。映画を撮ることに憧れながらも自分には無理だと諦めかけていたが、ポンポさんに15秒CMの制作を任され、映画づくりの楽しさを知る。ある日、ジーンはポンポさんから新作映画「MEISTER」の脚本を渡される。伝説の俳優マーティンの復帰作でもあるその映画に監督として指名されたのは、なんとジーンだった。ポンポさんの目にとまった新人女優ナタリーをヒロインに迎え、波乱万丈の撮影がスタートするが……。

https://eiga.com/movie/91732/

タイトルと絵の雰囲気で侮るなかれ、激アツなクリエーター映画。
これまでも、映画監督や漫画家、小説家などを主人公にした作品は多くあっったが、撮影よりも「編集」にフォーカスしている作品はほとんどなかったのではなかろうか。編集の重要さを思い知らされた。

アイの歌声を聴かせて

景部市高等学校に転入してきたシオンは、登校初日、クラスで孤立しているサトミに「私がしあわせにしてあげる!」と話しかけ、ミュージカルさながらに歌い出す。勉強も運動も得意で底抜けの明るさを持つシオンはクラスの人気者になるが、予測不能な行動で周囲を大騒動に巻き込んでしまう。一途にサトミのしあわせを願うシオンの歌声は、孤独だったサトミに変化をもたらし、いつしかクラスメイトたちの心も動かしていく。

https://eiga.com/movie/93749/

ありがちな青春アニメだろうと思った人も多いでしょうが、それは初めだけ。これだけ起承転結の高低差がある作品だったとは、鑑賞後の満足感は2021年作品の中でもトップクラス。
そして、土屋太鳳、福原遥、工藤阿須加の声優演技、うますぎないですか。

マスカレード・ナイト

警察に届いた1通の匿名ファックス。その内容は、都内マンションで起きた殺人事件の犯人が、大みそかにホテル・コルテシア東京で開催されるカウントダウンパーティ「マスカレード・ナイト」に現れるというものだった。パーティ当日、捜査のため再びフロントクラークとしてホテルに潜入した警視庁捜査一課の刑事・新田浩介は、コンシェルジュに昇進した山岸尚美の協力を得て捜査を進めていくが、500人の参加者は全員が仮装して顔を隠していた。限られた時間の中、素顔のわからない殺人犯を捕まえるべく奔走する彼らだったが……。

https://eiga.com/movie/94166/

原作小説を読んでいるのでストーリーは知っているのに、それでもなお、のめり込んで観てしまった。これだけの登場人物どれもが魅力的で張り巡らされたストーリーもさすが。原作と違って24時間の設定になったことで忙しない感はあったものの、ホントに完成度が高い。

孤狼の血 Level2

3年前に暴力組織の抗争に巻き込まれて殺害された、伝説のマル暴刑事・大上の跡を継ぎ、広島の裏社会を治める刑事・日岡。権力を用い、裏の社会を取り仕切る日岡に立ちはだかったのは、上林組組長・上林成浩だった。悪魔のような上林によって、呉原の危うい秩序が崩れていく。

https://eiga.com/movie/94173/

前作主人公の役所広司が不在ななかでのLevel2。日本アカデミー賞でも話題になった前作から期待と不安が入り混じっての鑑賞もなんのその、終始圧倒されてしまった。鈴木亮平が恐ろしい。怖すぎる。

そして、バトンは渡された

血のつながらない親の間をリレーされ、これまで4回も名字が変わった優子。現在は料理上手な義理の父・森宮さんと2人で暮らす彼女は、将来のことや友だちのことなど様々な悩みを抱えながら、卒業式にピアノで演奏する「旅立ちの日に」を猛特訓する日々を送っていた。一方、夫を何度も変えながら自由奔放に生きる梨花は、泣き虫な娘みぃたんに精いっぱいの愛情を注いでいたが、ある日突然、娘を残して姿を消してしまう。

https://eiga.com/movie/94847/

原作小説で溢れんばかりの愛を伝えてきた作品が、映画化され予告編が公開されると「命を懸けた嘘と秘密がある」なんてコピーがついたものだから、あぁ折角の良作を映画化で変にこねくり回しちゃったのかと残念がっていたところ、好評の声が多かったので食わず嫌いせずに鑑賞。
結果、すごく良かった。原作読んでいても泣ける。
原作から変わっているところもあり、そこは変えてほしくなかった思いもあるが、変わっているからこその盛り上がりもあり。


感想

やっぱり映画は映画館で集中して見るのが良いですね。配信されているものを自宅で見ると、どうしても途中でスマホ触っちゃったり一時停止しちゃったりで。
映画館は一番後ろの席でゆったり派だったのですが、IMAXを中央の席で迫力満点で観る魅力にハマりました。


#小説ソムリエ 始めました。 普段あんまり小説を読まない人でも、趣味・好きな映画などなどを伺って、あなたに合った小説をおすすめします。