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ジンジニアの取扱説明書

転職透明化マガジンの記事として書きます。

もうご存知な方も多いと思いますが、「(エンジニア+人事)ジンジニア」と呼ばれるちょっと変わったキャリアを歩む方が増えてきています。
私もその一人なのですが、今回は主に採用周りで新たな価値を提示している現状がありますので「採用」にスポットを当てて求められる役割や期待値フォーカスしてまとめてみます。

今エンジニアとして働いていて将来のキャリアの選択に悩む方、
企業人事でエンジニア採用に悩む方に有益になれば幸いです。


期待値のアンチパターン

採用においてジンジニアに何を期待しますか?
面接官としてでしょうか?
テクノロジーの導入についてでしょうか?

組織・環境ごとに期待値は違うと思いますが、ジンジニアの価値を最大限に発揮していただくことを考えるといくつかアンチパターンが浮かびます。

1.(エンジニア)選考をすべて任せる

技術的な視点での採用面接の実施や書類選考の実施、カジュアル面談での動機付けなど、非エンジニア人事の方と比較するとより専門的なアプローチが可能で良い成果を出せる可能性はあります。
また、昨今重要な採用経路であるダイレクトリクルーティングなどでも価値を発揮できると思います。

ただこれらをまるっとお任せするには圧倒的なマンパワーが必要になります。一人ジンジニアがいても全てを解決することができません。そうすることで全うな対応ができずに逆に候補者体験としては悪いものにもなりかねません。
お任せの仕方として少々筋が悪いかもです。

ベストプラクティスとしては、
採用現場との優秀なハブになってもらうことです。
専門的なやり取りができるのは大きなメリットで、採用要件の相談や検討、選考結果の壁打ちや、外部パートナーとのコミュニケーションなど、これまでよりも質高く可能になります。
またダイレクトリルーティングにおいても専門家同士でしか理解が難しいコミュニケーションも可能で、エンジニアリングへの言及も可能でしょう。

2.非エンジニアの採用担当と役割を同じとする

もちろん全くダメというわけではなく、その方の望むキャリアプランであればアリですよね。(積み重ねという意味ではリセットされてしまうかも?)

せっかくこれまでの人事領域とは異色の経験値があるのでそれを生かさない手はありません。
例えば、システム(仕組み)の設計構築や改善、プロセスの効率化、生産性向上などは得意とするところだと思います。

これらを推進する時、プロジェクト管理手法やシステム設計能力、良質なプログラムを構築するのに必要な様々な概念などが、実は開発の仕事以外にも大いに活かせることを実感できます。

またこの時にさらなる価値を発揮できる条件があるとすると、EM経験(マネージャ経験)が挙げられます。
課題に対して自ら発見、定義するスキルや、周囲を巻き込んで力強く推進するスキルは誰しもができることではありません。
自社や組織の課題を高い視座と広い視野で理解しているのもメリットでしょう。また一定の社内外のコネクションや影響力があることもプラスに働くことがあるはずです。
EMとして取り組んできた方であれば、開発推進と組織や仕組み構築・改善などの経験値もあり新しい価値を作ってくれる可能性があります。


ジンジニアの価値を最大にするには?

採用現場との優秀なハブになってもらうこと
システム(仕組み)やプロセスの設計構築や改善を担ってもらうこと

これらを期待値に中心に添え、人事として足りない能力を伸ばしていき他の人事と遜色ないレベルにまだ成長してもらうことで稀有なスキルセットを持つ人材に成ることができるのではないでしょうか。

採用を中心にお話しましたが、
例えば組織開発関連の文脈では、特殊なエンジニア文化や組織課題への理解があることが強みとなりオンボーディングや組織改善支援が可能ですし、
例えば労務関連の文脈では、テクノロジーの導入、生産性効率性の向上施策などは今後の運用も踏まえた構築ができると思います。

将来、エンジニアからのキャリアチェンジを考える方、ジンジニアの登用を考える方に理解を深めてもらえたら幸いです。

また今度はあまり語られることのないデメリットの部分にもフォーカスして書こうと思います。

それでは。