採用担当が転職活動をすると色々と学ぶことがあったという話

note書くの久しぶりになっちゃいました。
普段、採用担当者として人事領域で働いている方や採用に携わるお仕事をされている方、特に自身の転職経験が多くない方に読んでいただきたいと思い書いてみます。

そういう方々にとって知っていそうで知っていないのが他社の選考の"中身"ですよね。
今回、自分自身が転職活動をしてみて、知識ではなく体験することで非常に多くの気付きを得られました。

自分自身の転職を考える(ちょっと退職報告)

気が付いたらLIFULLには13年半も勤めていました。
転職した当時こんなに長く働くことになるとは夢にも思ってなかったと思います。
本当に多くのことを学びましたし、多くの挑戦をさせていただきました。
とても多くの素敵な方々と出会うことができ、迷惑をおかけした方も少なくないのですが、お陰で自分自身も一人の人間として多少は成長できたと感じています。
本当にありがとうございました。

LIFULLに長年勤めて得られたものの中で、「仕事への価値観・目的意識」があります。
客観的に見ても私はその思想にめちゃくちゃ強く影響されていると思います。
かつては単なるライスワークだった自分にとって仕事がライフワークであると実感でき、そのモチベーションの源泉の重要性を肌で感じることができました。
自分にとってとてもいいタイミングでLIFULLで働くことができ幸運だったと思います。

退職理由は一つではないですしパブリックな場で書きませんが、LIFULLで得られた仕事への価値観や目的意識を見つめ直す中で、新しい環境で挑戦することのプライオリティが自分の中でどんどん大きくなった次第です。

いざ転職活動

おもしろいことに、転職について他者に流暢にアドバイスできても自分自身のこととなると簡単にはいかないもので。
仕事柄、元々「気になる企業」が頭の中にあり、転職活動方法としてはエージェントさんに依頼したりはせず自分自身で活動することは決めていました。
お世話になる会社に自分の採用でコスト払わせたくないという謎の思いもあったかもです笑

めんどくさがっていたYOUTRUST登録してみたり、Eightの転職意欲ステータス変えてみたり。ちなみにどうしようか迷ったんですがlinkedin(ちゃんとプロフ更新)や転職サービスへの新たな登録などはしていません。

職務経歴書は時折更新する習慣があったのでとても助かりました。
今は転職する気がなくても更新しておくとキャリアの棚卸しになりますし、物忘れ防止的(主にこれ)にもオススメです。

スカウトメッセージは会社や担当者の個性発揮のしどころ

Twitterや転職サービスなどでも普段からスカウトメッセージを貰っている方も多いと思いますが、いざ本気で転職を考えるとメッセージもちょっと違って見える不思議。普段ちょっとうざいと思っててすみません。

言葉のチョイス一つ一つで本気で会いたいと思っていただけていそうか感じたり(必死さが違いますように感じます)、文章から透けて見える人となりや組織文化がある気がします。

ちょっと会ってみようかなと思える個人的な要因としては、
①大なり小なりその会社を知っていて少しでもイメージできる
②声がけした明確な理由が書かれていて納得感がある
③メッセージで真剣さや個人が透けてみえる
このあたりで、これらが揃っているとそういう気持ちになりました。
それと④タイミング、はありますね。

①に関してはいかに普段から認知を獲得できているかにかかっています。
物量が超絶重要なのは言うまでもありません。
②も普段皆さん気を付けているところだと思います。

おもしろいのは③。
ビジネスマナーや礼節にこだわるばかりだと初っ端数行で読まれないんじゃないでしょうか。
だからといって突拍子もないことを書いても同じくダメですよね。
私は話し言葉に近いテキストやしゃべっている姿をイメージできるメッセージは楽しんで読むことができ、興味関心を持てました。
きっとそれはその企業の文化や雰囲気に近いものになるのでは?

カジュアル面談は面談担当者が全て

いきなり暴論ですが、正直そう感じました。
転職意欲関係なくカジュアル面談を受けさせていただくことはこれまでもポツポツありましたが、今回は転職を前提に気になる会社を5,6社ほど受けさせていただきました。ご対応いただいた皆様ありがとうございました。

カジュアル面談を体系化できていると感じられた会社は正直なかったです。
それで良いと思う反面、やはりカジュアル面談を担当いただく方のトーク力に全てを委ねるのはリスキーだとも思うわけです。(受けさせていただいた中でご対応がイケてない会社様があったとかではございませんので!)
完全フリーではなく、最低限の接遇をトレーニングしたり、会社や仕事を魅力的に語れる人材のピックアップなどは必要に感じます。

ちなみにカジュアル面談プラットフォームのMeetyがとても役立ちました。
めちゃいいサービスです。これからもお世話になります。

結果、2社、選考に進ませていただくことにしました。

選考プロセスは柔軟であることが成功のキー

皆さん選考プロセス(フロー)、ガチッと仕組み化して運用していますか?
私のこれまでのお仕事ではYESです。

選考を受けさせていただいた2社は非上場のベンチャー・スタートアップ企業でした。
正直いい意味で驚いたのは、選考ステップを決めていないかのような柔軟な選考官選定やステップ設定をさせており、こちらのリクエストも含めて検討してくださったことです。
私の中ではそのやり方は普通ではなくリスクを考えてしまうのですが、候補者体験の面からは知りたい情報が得られやすくなるなど小さくないメリットだと思います。
誰のために選考があるのか。考えさせられます。

またその面接の中身も私の中の成功事例を壊された感じもあります。
過去実績などから必要最低限なスキルチェックなどはもちろんあったのですが、それ以上にアトラクト要素強めの会話や、お互いの希望のすり合わせにたくさんのお時間を割いていただいたのが驚きでした。
面接最後で直接合格を伝えて即次回の日程調整したりもスピード感があってとても好印象でした。

いかにこれまでのやり方に固執というか考えがフリーズしていたのかと気付かせていただけるいい機会でした。
※もちろんどちらが正解だとかではありません。

採用市場は売り手優位な状況は変わらないどころかますますその流れが強くなります。
見極める工夫や努力も大切ですがそれ以上に候補者に寄り添うことが重要だと感じます。

接遇レベルの高さはまるで頭をハンマーで殴られたような

今回残念ながらご縁がなかった会社様から感じたことですが、体験した接遇レベルの高さに素直にすごいと思いましたし、いかにこれまで自分ができていないか痛感したところでした。

選考前後のメールでのやり取りでの、丁寧さや情報のオープンさ、面接後の評価内容の共有ではなく一緒に働きたいというお気持ちを熱量もってお伝えいただけたり、ここまでしてくれるんだと感じました。
辞退をお願いする連絡に対してのご返信にしても同様でした。
正直私はここまでできていません。
ひとりひとりに向き合うとはこういう仕事なんだと感じる体験でした。

効率性を求めることは重要ですが相手は人です。
ファンをつくるとはこうあるべきと教えていただきました。

1社に決めるということ

これまでたくさんの求職者の方々にお会いしてきて最後1社に決める難しさを見てきました。

私の中で最後1社を決める軸としてあったのは以下です。
・目的意識(Vision)への強い共感
・挑戦的かつ再現性もある業務役割
・現在の生活水準を大きく乱さない年収含む待遇

よく言われるValue(価値観)の内容はそれほど重視しませんでした。
Visionを実現するために絶対必要な言動や考え方がValueだと考えているのでValueの内容で決めるものではないと考えていたからかもです。

結果的に、これから未経験な挑戦の連続となるであろうフェーズのスタートアップで、あまり悩むことなく決断することができました。

転職活動は選社軸を言語化することが基本の基本だと改めて。

転職活動を終えてみて。

採用担当のお仕事をされている方は忙しく夜遅い仕事ですし転職活動をするのも簡単じゃないですよね。結果かなり絞って選考させていただいたのが私にとっては良かったと感じています。もう正直、転職活動したくない。

最後に。
転職過程でも考えを整理し誰かとお話する中で何度か自然と溢れた思いがありました。
私がLIFULLに入社した2008年の段階では既にたしか200人規模で、最下層で運良く入社した私の存在関係なくどんどん成長する会社におんぶにだっこな状況で、当然自分がその成長に大きく貢献したなんていう気持ちは到底持てていません。
ただその成長過程の苦しみや楽しさを体験してきたのは事実で、これから働く中でもしかしたら還元できることもある気がしています。
なので多分、私は当時自分がそこに関われなかった、自分が会社の成長に貢献していい会社になったと実感できる仕事をしたいんだと思います。

5月から新天地でそうなるように頑張ってみようと思います。
お世話になる会社については入社後に改めて。


最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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