見出し画像

愛の不良


百貨店の匂いの君が見たことない顔で笑う
窓の外 都市の惑星が輝いてる

銀色のナイフが 果実を切り裂いた瞬間に
小さく でも確かに真実に気づく

雨上がりの放課後にきみはサラダの匂いの路で
卒業旅行の話してた 嬉しそうに話してた
空を見つめてた

きみの自由を愛せないこの愛の不良
きみの自由を祝えないこの愛は不良

きみは成長した 正しい時間が運んだ

きみの自由を愛せないこの愛の不良
きみの自由を祝えないこの愛は不良

きみの自由を愛せないこの愛の不良
きみの自由を祝えないこの愛は不良


***
12月

レストランを出たあと
タクシーはきみを連れ去った

ぼくは薄汚れたジャンパーを着て
しばらく港区の路地をあてもなく歩き
深夜2時頃 突然冷めた気持ちになって
ビジネスホテルのかび臭い部屋へと戻った

なんと読むのかわからない
横文字のブランド名がでかでかと印字されてある
バッグをぼくに見せて 可愛いでしょと言われたとき
どんな顔していいのかわからなかった

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?