君島わさび

日本語でおk

君島わさび

日本語でおk

最近の記事

  • 固定された記事

ダイアモンド

ガラスに映る裸のふたりはjunkの人形みたい みんな鋭い眼で突き刺しあう街 君を守りたい クリニックの先生の言葉一つ一つを思い出しては またちいさく傷ついている 君を守れない テレビをつけたら異国の君が踊ってる そして何も知らない人達が君の名を呼ぶ もうベッドにもぐってふたり眠ろう  したたかなナミダを流して今アンモナイトになる 楽屋の便所でこっそり泣いてた君を連れ出して 人目も気にせずに走った 空が高かった 汚れたダイアじゃ意味ねーと笑うバグい大人達 その濁った瞳にさよ

    • 無人島

      砂糖の瓶をひみつに開けて舌にのせた日の夜 じんわりぬれた無人島になってたちまちと消えたこと その行方はわたしじゃないそんな気がしたの お母さんはやく帰って おなかがすいたよ 花束をよくもらってきた 赤・黄・むらさき...でも ため息をついてビニールに詰めてぐしゃぐしゃ潰してた 真夜中のソファにもたれて窓のそとを見てる お母さんいつも寂しそう いっしょにねむろうよ 甘い匂い胸いっぱいすいこんで瞳閉じていかないで もういかないで私のことをみて 性欲をまき放つ下劣なおとこの声

      • 日本語でおk

        試された純粋がゆっくりとたそがれていく 地下鉄の階段をおりていく老人のように うつむいてもう何も語らないあの子の横顔 黄色い線のうしろまでお下がりくださいね 日本語でおk 誰だって最後はひとりだから 魔法のない世界だからもう空は見上げない ポケットのなか溶けたチョコレートの時間 進路指導室ではいつも誰かが泣いていた 惑星科学おしえて いつか何光年むこうまで きみと泳いでいく 恋愛文学抱えて  いつか何光年むこうまできみと泳いでいく  放課後の空き教室みたいにさみしい夜こえ

        • ぼくにも仕事をください

          審判は私情で試合をつまらなくするのが仕事 ミュージシャン雑誌でお喋りするのが仕事 みなさん今日もお疲れさまでした テレビ局は締切に間に合わせるのが仕事 タクシードライバー赤信号を破るのが仕事 みなさん今日もお疲れさまでした 大人が子どもの邪魔をした 子どもたち公園から消えた 歴史は巡ると誰かが言った 希望がない…と間抜けな詩人 あゝ 空の色が変わっていく  雲がカタチを変えていく いったい何処へいくんだろう 神のみぞ…て借りものの言葉 わかったようなこと言ってごめんな

        • 固定された記事

        ダイアモンド

          アトランティスの彗星

          壊れたバイクに乗って恋愛の日みたいに 空の色が変わって だから時々淋しくて 水曜の放課後みたいにいたずら風が吹いて 塾へと急ぐきみのうしろ姿思い出してた 卒業証書は化石になって歴史になって 振りかえっても自分の姿だけ何処にもない 誰だって裸になって鏡の前に立ってみろ 人間はみんな滑稽だ 泣きたい 泣きたい 泣きたい アトランティスの彗星をずっと捜していた 空の色が変わって やがて真実の日が来る 我々は別々の生き物 同じにはなれないね きみのブルーを少しでも僕のせいにし

          アトランティスの彗星

          真実の女

          汚れているのはその水槽かそれとも 考えるのやめた 金色の髪がとなりで揺れていた  だからもう考えるのやめた ふたりはいつかまた会えるのかなそれとも 考えるのやめた 君の横顔にうそひとつなかった  だからもう考えるのやめた 愛じゃなくていいよ でなきゃ壊れてしまうよ  そんなことだれが言えるだろう? 無冠の星を見つめて君はそっと宙に手をのばした 愛じゃなくていいよ でなきゃ倒れてしまうよ  そんなことだれが言えるだろう? 風が流れてる 東京の路上に 失いそうな心に 時計

          +3

          グリコ・チヨコレイト・パイナツプル

          グリコ・チヨコレイト・パイナツプル

          +2

          平成時代

          今夜全てが終わろうとしている バイパスの光に君は目を閉じている 静かな月明かりはもう信じられず 僕はまだ知らない心の安らぎを探してる すれ違うテールランプに照らされるたび 凍えた夜が深くなっていく それぞれの涙がふたりを繋いでいる でもそれさえこの夜に打ち震えている この世界には魔法などない 嘘は決してつきたくはない 確かな希望など誰も知らない 理想抱えてる暇などどこにもない ひとりぼっちの勇気を捜して 平成が終わろうとしている 時代のふちで人は彷徨ってる ひたすらに

          Aria(29)

          疲れた 声にならない朝 出かける時間だよ Fuck me 消えたいくせ 赤の信号 やぶれない 色あせた希望を抱きしめた街角 地下鉄が呼んでる 急がなきゃ 足が痛ーな 冷めたはずの思い出がホームを横切る Die me 但し清らかに 嘘はつかないように UFOなんて来ないよ あの人は今何処 いる? 地下鉄も泣いてる 悲しみに駅はないという かすかに流れる衛星のメーデー でも何ができるんだろう 窓に映る影が見ているのは誰 抱きしめてそこから 君は一人じゃない そんな嘘はい

          黄昏ソングバード

          ひとりぼっちは分かち合えないの? サヨナラ 黄昏のSongbird 金色の髪が風にゆれている 解体されていく太陽に力なく手を伸ばした その愛を誰が救えるの やがて誰も無口になって サヨナラに打ちのめされて 魔法も少しずつ解けて あきれた顔の天使 ビルの屋上から見てる その愛を誰が見下すの 窓のない部屋に帰る そして眠る テレビで誰か歌ってる 恋が叶うって 明日はいい日だって きみは一人じゃないって あゝ よかったねえ ひとりぼっちは分かち合えないの サヨナラ きみは

          黄昏ソングバード

          クリスマスの夜

          百貨店の匂い身に纏って あの子は通りを駆けていく  街路樹が青く燃えている 約束の時間まであともう少し 婦人科の坂道を下って 女の子は路地に消えていく 神様なんてこの世界にいないと知る  制服のスカート 夜風にゆらゆら 今日はロビーにツリーが飾られるんだよ それだけで嬉しくなったよ  真っ白のベッドの上で 少女は夢中で日記を書いてる 渋滞の列の先を見つめて 僕はハンドルから手を離した カーブする湾岸線のむこうに 柔らかな光が灯っている もう2度と元に戻らない世界

          クリスマスの夜

          オーケストラピットの恋

          オーケストラピットより遥かな空を震わせる音 世界中を包むように優しく狂おしく 君のSolo 見つめ合う ふたりの秘密 オーケストラピットより 深く水の底を這う音 沸き起こる拍手ににやりと笑って 君のSolo そして踊る タクトの秘密 最終楽章終わって 空っぽのホールになっても きっと大丈夫 擦り切れないで弦 耳に残るメロディ もう一度鳴らして どうか きっと大丈夫 燃え尽きないで恋 不協和音の夜 ナースコールみたい泣いてる 天使を呼ぶための 合図をするから 聞かせてほし

          オーケストラピットの恋

          水夫のいない船/曳航

          遙かなる海の向こう 異国の君を想う 長い手紙を書いていた 長い夜に揺れながら もう君は居ないのに 僕は君に導かれる 水夫のいない船のうえ この旅は続く --- ひき潮が騒めいて ふたり見つめ合う あの日にはもう二度と 戻れない 砂浜に天使の羽が そっとこぼれて 壊れた時計の針が 動きだす いかなきゃ 僕も明日へ未来へ いかなきゃ 僕もいかなきゃ 地下鉄の窓に映る 漂流者達も 何処かへと向かってる 暮らしがある 曳航の月明かり 道を照らして 負けない

          水夫のいない船/曳航

          ありふれた水曜日

          玄関の前でなみだを拭うの パパとママの前では良い子であるため 完璧な人生 望んで守って 帰るべき場所を探しつづけて 眠れない夜にとどろくイメージ 教室で突然に暴れてやるんだ! 悟られないようにつぎはぎの笑顔 イタンになれない異端児の笑顔 完璧な人生 望んで守って 帰るべき場所を失いつづけて

          ありふれた水曜日

          パジェロ2000(大雪の空港)

          君島くん なんだか幼子の頃にもどったみたいだね 大雨の放課後 玄関でみんなお母さんの迎え待つみたい うすのろの生活 そのしがらみ 忘れちゃいそうな 空港の駐車場 真っ白に染ま 待合室で 君と笑った ビジョンに臨時ニュース 100年にいちど悪魔気圧 まるで世紀末 そんな歳末 職員室のコーヒー蘇る 旅は台無し でもブルーじゃない UFO待ち この この 感じを捜していた 心のどこかで いつでも 車の雪をはらって 湾岸線すべる パジェロ2000 ターミナルの誘導灯 バックミラー

          パジェロ2000(大雪の空港)