豊富に沸き出る伏流水を活かした人里の"川端文化"が続く「針江生水の郷」(滋賀・高島)
滋賀県の琵琶湖の北西部に位置する高島市の新旭町針江・霜降地区は、中央分水嶺や比良山系を源流とする安曇川によって形づくられた扇状地の中央部に位置する集落です。
2010(平成22)年8月5日(木)に『高島市針江・霜降の水辺景観』として重要文化的景観に選定されましたが、皆さんはご存知でしょうか?
私は今から9年前の2013(平成25)年6月30日(日)、仕事の関係で新旭町へ行く事となり、最寄り駅のJR湖西線「新旭駅」に向かいましたが早く着いたので少しクネクネすることにしました🚶🏻
駅前の新旭町をアピールする観光看板にも、
新旭町の観光地図にも針江や霜降の記載はありませんでした。
しかし、クネクネと歩き始めると風情ある町並みが現われました😊
この時、国指定・重要文化的景観「針江・霜降の水辺景観」地区であることを知りました。
水車も見つけ、こんな素敵なスポットがあったとはと驚きじっくり歩き回ってみたいと思ったのですが、
ここは観光地でなく、散策は必ず地元ガイドと一緒に見学カードを身に着けた状態でお願いしたい旨の掲示があり、時間も無くなってきたので諦めました😢
見学を諦めてから6年後の2019(令和元)年9月28日(土)、私の超イチオシのシンガーソングライター【Nachika】さんが滋賀・大津でフリーライブをするのを観に行く前に見学することが出来ました👏
9時集合の「針江生水の郷 川端と街並みコース」(約90分間)を予約して向かいました。
尚、現在のコースは『針江生水の郷「見学のご案内」』をご覧下さい。変更しています。
最寄り駅のJR湖西線「新旭駅」に着くと、長く大きな「日本遺産 針江・霜降の水辺景観」の看板が掛かっていました。
さらに、駅前には「重要文化的景観 高島市 針江・霜降の水辺景観~水のめぐみが作りだした風景~」という大きな写真入りの看板が設置されていました。
しかし、「新旭町観光案内地図」は変わらず、記載されていませんでした😢
ホンと駅から徒歩15分と近く難なく見学の集合場所である「針江公民館前」に向かいました
見学カードと冊子に、紙コップをいただき出発しました。見学者は私1人でした。
最初に案内されたのが、この湧き水でした。
この綺麗な湧き水を、地域住民は「生水と呼び、昔から大切に利用してきました。
町を流れている川も綺麗でした。
ホンと町の至る所で湧き水がありました。
こちらは三宅さんの川端です。母屋とは別棟になっていて、「外川端《そとかばた》」と呼ばれています。尚、後で出てきますが、母屋の内側にあるものは「内川端」と呼ばれています。
三宅さんの川端の湧水(生水)を試飲しましたが、それはもう美味しくて😋透明度が高く、名水百選にも選ばれているほどです。
川端とは、川の水や井戸水を家の中に引き込み、洗い物や飲み水などに利用する水場のことです。
針江地区では、 比良山系に降った雪や雨が伏流水となり各家庭から非常に綺麗な水がコンコンと湧き出ます。針江ではこの湧き出す水のことを「生水」と呼んでいます。
各戸の川端は、湧き水を取水する「元池」、水をくみ上げる「壺池」、あふれ出た水を溜めておく「端池」の3つからなります。
壺池は飲み水や洗面器などに取って洗顔・歯磨きなどに、端池は野菜や食器などを洗う場所として利用され、野菜の洗いかすや食器についたご飯粒などはコイが餌として食べる為、水はいつも濁りなく透き通っています。
針江地区にある約170世帯の各家ごとに、地下18~24mから湧き水が自噴しています。川端の水温は年間を通して12~13度と、夏は冷たく冬は温かとか。井戸水と同じですね。
透き通った川面には「梅花藻」が揺れていました。このコントラストもめっちゃ綺麗でした!!
こんなところにも湧き水(生水)が!!
こちらは、母屋の内側にある「内川端」です。
「正傳寺」です。湧き水を使った「亀ヶ池」も見ものです🐢
9年前に初めて前を通った時に行列が出来ていた『上原豆腐店』にも行きましたが、
豆腐も川端で冷やしていました!! 昔ながらの製法で作られる少し固めの木綿豆腐です。他用があり買わなかったですが食べてみた方です😢
湧き水(生水)はペットボトル等に入れて持ち帰ってもいいそうです~
碁盤の目のように張り巡らされた水路が家々をつなぎ、コイが自由に泳ぎながら行き来していました!!
1時間ほど案内していただき戻ってくると、次の時間の見学者の皆さんが出発していました。次は別のコースでまた案内していただきたいです。
最後にこちらの動画もご覧下さい⤵
さらに、滋賀県針江集落における湧水利用による観光まちづくりを報告している『立命館大学 政策科学部助教 野田岳仁「地域住民の湧水利用を活かした観光まちづくりの環境社会学的研究」(160430河川整備基金_報告書)』も興味深い内容です!!
針江の住民も自ら水に関わるエピソードを寄稿していて、飾らない自然体の針江が堪能できるこちらの本も是非⤴
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