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【ココ塾】#3 タブレットを渡され子どもたちが抱える課題~より丁寧な「検索教育」を

 令和4年5月1日、こども発達支援教室「ココ塾」蒲田校がオープンしました!先生たちは、作業療法士、公認心理師などの専門職や、教員経験者(特別支援学校・通常級・通級)など、様々な経歴を持つ方々が集まってくださいました。医療・福祉・教育の出身者が、絶妙なバランス構成です。これまで活躍してきた分野は異なるものの、「お子さま一人ひとりに合った学びを提供したい!」という共通の想いのもと、毎日あーでもない、こーでもないと工夫を凝らしながら、療育プログラムを提供しています。
 
 子どもたちは夏休みに突入し、それぞれに楽しみなイベントが待ち受けるなか、当然ですが夏休みの宿題に頭を悩ませています。これ一冊やればOK!というワークブックなら、1日ですぐに仕上げられる能力を持った子どもたちも、「読書感想文」や「調べ学習」になると、とたんにフリーズ。「本を読んでも特に書くことが見つからない」「どうやって調べたらいいかわからない」と、ついにイライラが始まってしまうのです。
 
 今では一人一台貸与されているタブレットも、新型コロナウイルスの感染拡大のドタバタの中で導入されたこともあり、その使い方は学校に任されてしまっているのが実情です。大田区内の公立小中学校も、朝の会から帰りの会まですべての授業・活動にオンラインで対応してくれるところもあれば(ごく一部)、とある学校ではオンライン授業をするかどうかはクラス担任・教科担任に任せられていて、自宅待機になってしまったお子さまが「今日は一つも授業が受けられなかった!」と怒り出してしまうなど、対応も様々です。個々の先生の方針一つで、どんな形であっても学習に取り組めるお子さまと、そうではないお子さまがいることの不公正さに、私たちはもっと声を上げてもいいような気がしています。
 
 さて、この「タブレット」を用いた学習ですが、実は発達特性のあるお子さまにとっては、とても難しい場面があります。それは「検索」。何かを検索するときに、どんなキーワードを入れたらいいか延々に思いつかないお子さまが、たくさんいらっしゃるのです。しかも、学校貸与のタブレットは(当然のことではありますが)強めのアクセス制限がかかっているため、学習利用の場面でさえ、見たいと思ったページが開けないことも少なくありません。そのうちにお子さまも、「もう、やーめた!」と投げ出してしまい、結局「タブレット=使えない」になってしまうのです。
 
 タブレットで学習するときに、どんな言葉で検索をかければよいのか、イメージできないお子さまはたくさんいらっしゃいます。テーマが曖昧であるほど、それは起こりやすいものです。一部では「検索教育」が必要であるとの主張が出ているようですが、私も大いに賛成です。何かを調べるときに、どんな言葉で検索すればよいのか、どんな言葉をセレクトすれば調べたいことの結果が出てくるのか、大多数のお子さまは誰にも教わることもなく経験の中で身につけていくことができますが、そこに特別な支援を必要とするお子さまも、少なからずいらっしゃるのです。なんとなくみんなが分かっていることが、自分だけ分からないというのは、とてもつらいことだと思いませんか?
 
 この困難に寄り添う支援が必要であると、ひしひしと感じている夏休み。お子さまが抱える課題は、社会の課題であり、それを解決することが私たちの使命です。残りの夏休みも、お子さまたちと一緒に、全力で駆け抜けたいと思います!