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無駄なんてない人生乱反射狂った境界線デイズ

人生無駄なんてない。
その感情だってその経験だって
君の血となり肉となる。
それなりの名誉ある人に
それなりの勢いで言われてみた。

「例えばね〜、なんであんな奴と付き合ったんだろう!無駄だった!散々だった!って思った恋愛でもね、時が経てば良い経験になるんだよ。」

そうですねえ先生、同調しているように頷く。
言いたいことはもちろん分かるからだ。
ね、先生。
でもその経験に
至らない私はどうしたらいいのか。
心に靄が広がって
眉間に皺を寄せようとした自分に気付く。

何もこの手のことは初めてじゃない。
今回だって頭では万人受けするキーワードを
持ち出しただけだって分かっている。

例え話なことくらい認識しているが
「人生経験」という内容を軸に話しているのに、
「恋愛」なんてワードを出してこられると困ってしまう。
「恋愛」はこんな時も例え話に出るほど
ポピュラーなものなのか。
それに至らない・できない私はおかしいのか。
そんな野暮な突っ込みを心の中で入れた。

電柱に透けた白い花が
眼の裏に焼き付いている
あの、血管が浮き出る左腕みたいで綺麗。
触れたらどうせ何も思わないけど
花弁には触れないから永遠に憧れる。
綺麗なものだけ見ていたい。
美しいものを探し続けていたい。
そんなことは口に出せない。

先生は自分の言いたいことを声高々に宣言し、
満足したのか、
まるで心から思っているかのように、
鼓舞してきた。

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