スネイプ先生のAlwaysを考え続けて英語が好きになる駐妻
私は夫の海外赴任に伴い、ヨーロッパで暮らすアラサーニート引きこもり駐妻。
ロンドン旅行の準備のために見たハリーポッターにハマっている。
なお、この記事はネタバレを含みます。
また、あくまで個人的意見に過ぎないので、こんなこと考える暇な奴がいるんだな、くらいにゆるく見ていただけると幸いです。
Always問題を知っていますか。
最近ハリーポッターにハマった私。
映画を見るのはもちろん、亀スピードではあるが原書にトライしている。
有難いことに関連youtubeもたくさんあって、撮影の小ネタや、細かい伏線なども知ることができて、非常に面白い。
そんな中で、ハリポタ好きなら誰もが通るという、スネイプ先生のalwaysはどういう意味か問題にたどり着いた。
ハリーポッターの映画の最終作である、ハリーポッターと死の秘宝part2。
グランドフィナーレを華々しく飾ったこの名作で、ファンの多いスネイプ先生の最大の見せ場ともいえるシーンでつぶやく、Always.というセリフの解釈について、ファンの間では意見が別れるらしい。
私はまだ原書でも原作でも最終作までたどり着いていないので、この解釈は映画のみを見た感想になります。
リリーへの愛の表れなのか?
ちなみに、映画版の訳では、”永遠に”となっています。
エクスペクトパトローナムという、幸せな時間を思い出して作る守護霊を出す呪文を唱えたスネイプ先生。
この守護霊は思い出や個人の思いに影響されるらしい。
(人狼のルーピンに恋したトンクスは一時期守護霊が人狼になった)
その守護霊が、ハリーのお母さん、リリーと同じ雌鹿の守護霊だったので、ダンブルドアも思わず、
リリー…
と呟きます。
日本語訳では、
Afterall this time?(今でも彼女を?)というダンブルドアの問いに対して、
スネイプ先生が
Always.(永遠に)
と言うんですね。
日本語訳の解釈だと、
守護霊がリリー=月日が経った今でも彼女を愛し続けていたのか・・(ダンブルドアびっくり&ちょっと引いてる
的なニュアンスに感じました。
違和感を感じたのは英語字幕
一通り映画を見終わった私。
小ネタや伏線も多いので、関連記事を読み漁っては、映画の内容を自分に落とし込んでいきました。(暇だから。
死の秘宝part2に関しては、物語を追うのに一生懸命になってしまって、細かい内容まで1回で追えてないように感じたので、今度は英語字幕で見てみることに。
それで、見進めていくと、どうもスネイプ先生の記憶のシーンからが引っかかる。
抽象的な文表現が多くて、一文を見ただけでは訳が追い付かない。
リリーだけの話を二人はしているのか・・?という疑問がわきました。
整理してみることにした。
あいはぶおんりーぷあーんぐりしゅなので、偉そうに言えたことではありませんが、暇な駐妻が、一週間くらい考え続けた結論をご披露したいと思います(さすがに暇すぎ
まず、スネイプ先生の記憶について。
リリーとの出会いから始まり、彼女中心に映像は変わっていきます。
幼い時からずっと彼女を見続けて、彼女中心に世界が回っていた彼の心が読み取れますね。
そして、ちょいちょい入ってくるハリーのパパ。
邪魔だな。という心の声が聞こえてくるようです。
あと二人のイチャイチャシーンまで鮮明に記憶されてるのはどうしてかな。。さすがにかわいそうだよ。。
そして運命の一夜に映像は移り変わっていき、
ダンブルドアが言います。
He has her eyes.
全てを捧げるほど愛した女性と同じ瞳を持った息子なのだから、代わりに守れということですね。
それから、ハリーがホグワーツに入学。
似てるの瞳だけで、あとは父親じゃねぇか。
みたいな感情があったのかどうかはわかりませんが、一生懸命ハリーを守ってきたのが伺いしれます。
そしてその後、ダンブルドアとの会話になるんですね。
この後の会話で注目したいのが、the time とか、the proper moment のように、時を特定した単語が出てくることです。
どこのことを言ってるんだろう?というのが気になります。
結論、
ヴォルデモートが弱って、とどめを刺すために、ハリーが死なないといけない時のことを指してるんだと思います。
リリーの愛でヴォルデモートの呪いは自身に跳ね返り、その反動か無意識にハリーを分霊箱にしてしまっていたヴォルデモート。
ヴォルデモートを倒すためには、ハリーは一度死ぬ必要があるということを知らせないといけない、とダンブルドアは言っています。
この会話は、ダンブルドアの寿命があと一年であるから、マルフォイの代わりにスネイプ先生が手を下すよう命じる場面です。
the time はもう迫ってるんだぞ!
ってことだと思います。
そしてそれを聞いたスネイプ先生が怒ります。
ヴォルデモートを倒すために育ててきたっていうのか、それじゃあまるで食べるために丸々健康的に太らせる豚と一緒じゃないか!
そこでちょっと怪訝気味にダンブルドアが言うのです。
Don't tell me now that you've grown to care for the boy.
日本語訳だと、
まさかあの子に情が移ったか?です。
でもなんかしっくりこなくて。
この、nowってなんだろう。
ダンブルドアの寿命は長くて一年しかない。
時間がないわけです。ヴォルデモートが弱る隙をついて、一気に倒すためには、迷う間もなくハリーが死なないとヴォルデモートも死なないという真実を伝えなければなりません。
そんな中のnowです。
ただの今、というよりは、今更?この後に及んで?感があると思います。
you have grown to care for という言い回しも超気になります。
youはスネイプ先生です。
have grownはするようになった、現在完了形なので、過去からの思いが今に影響を及ぼしています。
care for は、世話をする、という意味が有名ですが、愛するという意味もあります。私は手塩にかけて育てるとか、大事に思うというニュアンスが隠れていると思いました。
愛は一瞬じゃない。愛を育む、というように、動作ではなく状態を示しています。
だからこそ、growという動詞を使っているのかなと思います。
つまり、
こんな時間がない中、この期に及んで?ハリーの事愛してるとか言っちゃうわけ?
(最初あんなに嫌がってたじゃん、瞳にこだわってさぁ!)
めっちゃ性格の悪いダンブルドアになってごめんなさい。
誇張しすぎました。
そこからの、雌鹿の守護霊が出てきて、ダンブルドアは更に驚きます。
で、この驚きって、リリーを想い続けていたことへの驚きだけではない気がするのです。
実際、この会話をするに至るまで、スネイプ先生は身を挺してハリーを守ってきました。
ダンブルドアでも一発で倒せない超強力な魔法使いに二重スパイをするなんて、そんじょそこらの想いではできません。
そこから、
Afterall this time?(日本語訳:今でも彼女を?)
になります。
また出てきた、this time!
そしてafterallってなんだろう。
結局、とも訳せますが、想定外の時に起きたことについて使うようです。
ダンブルドアは雌鹿にちょーびっくりしてる。
これ、スネイプ先生がリリーに自分を重ねっちゃってるんじゃないかな、と思いました。
リリーの事を想ってるから雌鹿が出たんじゃなくて、リリーの気持ちになってるんじゃないかと。
その人の事を想うあまり、同化してしまった。
リリーの事を愛しているから、彼女ならどう想うだろう、彼女がもし生きていたら、と考えすぎて、母のようにハリーを見守ってたんじゃないか、と。
this timeは、雌鹿の守護霊を出した今、ですかね。
え、ってことはつまり、、
(ハリーの事を愛してるってこと?!)
私の考えるAlways。
映画の製作にも関わった原作者のJKローリングは、スネイプを演じたアランリックマンには、alwaysの意味を教えていたそうです。
でもその意味を開示していないということは、それぞれの解釈に委ねてくれているのではないでしょうか。
私は上記を踏まえて、こう訳したいです。
最初からずっと。
スネイプ先生はハリーを通して最初はリリーを見ていたようで、ちゃんとハリー自身を愛していたんじゃなかろうか。
それでまた泣けるのがね、
ハリーが死の覚悟を決めて、お母さんと会話するときの事。
stay close to me.
近くにいてね。
そうするとリリーが、
always.
って言うんですよぉぉぉぉ
スネイプとリリーの呼応!
ハリーポッターは愛の話。
愛が巨悪に勝ちます。
たしかに母の愛って、Alwaysですよね。
瞬間じゃなくて、おなかに宿った時からずっと。
あと、スネイプ先生の最期、
You have your mother's eyes.
これもダンブルドアと一緒・・!
でもね、lily's eyesじゃないのがまたいい。
あくまで、ハリーのお母さんって言ってる。
リリーを通してハリーを見ていたかもしれないけれど、最期はちゃんとハリーの瞳を見つめながら息を引き取りました。
英語っておもしろい
ハリーポッターは日本語で読んでも面白い。
英語だとまた、何通りも訳せて面白い。
好きな物語を、自分で訳して解釈する、というのは
時間があったらやってみたかったことの一つです。
今って携帯の検索でも辞書の意味が出てきて、本当に便利ですよね。
テストじゃないので、解釈はその何通りもあっていいと思います。
原作読むとまた違う思いを抱くと思うし、自分も年齢を重ねたらまた違う思いを抱くのかもしれない。
知れば知るほど、原作者JKローリングのすごさを思い知ります・・・
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