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ヴァカンス・シフトな南仏暮らし:ゴッホの花とアイスコーヒーと

菖蒲の季節が巡ってきた。ミモザが散り、藤の花吹雪を引き継ぐリレーのように、あちこちで咲き誇る。

フランス語ではIrisイリス。ゴッホの作品でもよく知られるし、南仏ではとてもポピュラーな花の1つで、いろいろな種類も見かけるけれど、やはり紫紺の束が人気。こどもの日のためには、金曜朝の花マルシェに予約しておく(そうしないと売り切れてしまう週末もあるから)。

ゴッホの暮らした場所だけでなく、彼の存在感をそこここに感じる南仏の暮らし。作品そのままの風景が目の前のそこここに広がっていたりする。

アルルまではマルセイユから、電車で1時間ちょっと。お茶やランチに出かけられるほどの距離だから、夏は午後5時過ぎからでもゆったり楽しめる(今はまだ21時からのcouvre-feu 夜間外出禁止令が続いているのでお預けだけれど)。

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フランス的に言うと、On boit un coup?
夕方一杯どう?でソフトドリンクを頼むかアルコールを始めるかの微妙な時間。

待ち合わせは、たとえば、ゴッホも見たはずの風景...ブログにも何度か綴っているLe café la nuit 。そう、作品でも有名な場所。

アイスコーヒーとアイスティーが、ソフトドリンクの最後に書かれていること。Cafe glacé ではなく、Iced coffee.

これが、意外なほど美味しい。

意外な…というのは、アイスコーヒーはフランスのメニューにはほとんど存在しないし、あっても日本のコーヒー専門店のそれのようには芳醇さがないので。

ヴァン・ゴッホの(とひまわりや赤いびろうどの設えもあって)一目でわかるようになってずいぶん経つこの店は、もうずっと前、壁の色も少しくすんで、ひと目ではそうとわからなかった頃には、常連風の人たちや散歩途中で立ち寄っている佇まいの犬連れの人などが新聞を広げていたりもしたのに、塗り替えられ、壁面にもゴッホと表記されるようになってからは、だんだん観光客風の英語で話す人たちが、ささっと腰掛けては、写真を撮りさっと帰っていくのが目立つようになっていて…テーマパークのようで楽しいけれど、何かを味わう場所としては捉えていなかったから。

でも、接客は心地良いものだし、ここのアイスコーヒーは皆に勧めている。

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【Le Café Van Gogh】11 Place du Forum, 13200 Arles, France 🇫🇷 

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