涙が止まらなくなる話
先日、小学5年生の息子たちを対象とした「思春期講習会」が行われた。私は保護者として参加。講師の先生は県内の病院から来た産婦人科の男の先生だった。
先生は、中国人なのに日本語がとっても上手で話も面白かった。資料を渡され、講習会が始まった。
赤ちゃんが誕生するときの話では、その確率の低さに驚いた。赤ちゃんが誕生するその確率は10億円の宝くじを当てるより低いのだそう。
だから、
「生まれてきたみんなは奇跡なんだよ」
と先生は言った。
そして、生まれてきても長く生きられない子どももいると話し始めた。
世間で難病と言われる病気がある。資料にかわいい女の子の写真があった。その子は普通の人より歳を取るスピードが7倍早いという病気だった。
だから、13歳までしか生きられなかったと先生は言った。
でも、その女の子はこの病気になったことをこう話していた。
「神様が私のからだをこんなふうに作ったのにはきっと何か理由があるんだわ」
この女の子のすごいところは、病気を恨み闘うのではなく、病気を受け入れている心だ。
「与えられた時間で家族をしあわせにしたい」と前向きな言葉を残している。
神様から、からだを与えてもらい、時間も与えてもらい、ありがとうございますという感謝の心がそこにあった。
私は先生の話を聞きながら、涙がポロポロと流れ落ちていた。
「生きている、ただそれだけで奇跡。
みんなは奇跡の人なんだから、自分が行動すれば、夢だって叶えられるんだよ」
と先生は言った。
私は「生きているという奇跡」を時間が許す限り味わいたいと思った。
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