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心の声を聞いてみる話

私が初めて結婚して、初めて出産して、初めて新しい家族と生活するようになったとき、私は生れたときの姓から新しい姓になり、今までの全てが新しいものになった。
生まれ育った環境が影響したのか結婚したら、仕事を辞めて家庭に入ると小さい頃から思っていたので、約16年勤め上げた会社も寿退社。
出産してからは、初めての育児に奮闘していた。赤ちゃんを育てるのにエネルギーをかなり使うのに、夫にも義父母にもエネルギーを使っていた。とにかく、上手くやっていきたくて自分を犠牲にしてでもがんばっていた気がする。
もっと、もっと、がんばらなくちゃ…と、一生懸命やっていた。
それが正しいと疑わなかった。
そんな状況だったので、自分の本当の心の声を聞くことができなかった。
本当はもっと休みたい、少しでも自分の時間がほしい、自分の居場所がほしいと思っていたのに。
全てなかったことにして、毎日を一生懸命がんばっていた。
そうやって毎日、自分の心の声を無視していたら、ある日、警告音みたいな音が鳴った。
ドライヤーをかけていたときに、「ピーッ!!」っとすごい音が鳴り出した。
故障かな?
その時、私はそれが警告音だとは気がつかなかった。
でも、あとで思うとこれは警告音だったのかもと思う。
相変わらず、心の声を無視して一生懸命がんばっていたら、ついに宇宙から強制的に矯正される事態が起こった。
子どもが2歳になったくらいの頃だった。
左胸に激痛が走った。
今までに感じたことのない痛みだった。
病院へ行くと、「悪性のがん」だと診断された。
信じられなかった。
毎日、一生懸命がんばって、そりゃもうがんばってきたのに、その結果が「悪性のがん」だなんて。
告知をされた時はショックすぎて涙もでなかった。
ダンナに電話して、私ががんだと告げたときに、やっと涙がこぼれた。
こうして、私は強制的にがんばれなくなってしまった。
強制的にゆっくり休まなければならない状態になった。
強制的に自分の時間を与えられた。
タバコも吸わないし、お酒ものまないので、日頃、体に害するものはしてないはず。
ずっと健康だったのに。
なぜ、こんな結果になったのか?
お医者様に聞いても原因は不明だった。
それもそのはず。
この病気は風邪とかと違って外から入ってくるものではなく、体の内側からじわじわ湧き出てくるものだからだ。
つまり、体の内側とは心が関係している可能性が高いと言える。
心の中がどうなっているかなんて、お医者様にわかるはずがない。自分でもわかっていないのだから。
私は強制的に時間を与えられて自分と向き合う時間を手に入れた。
そのときに受け取った宇宙からのメッセージは

「もっと自分を大切に扱ってね」

だった。

私は心の声を聞かないで無視したから、こうなったんだと後になって理解した。
だからこれからは、自分を大切に扱うと宇宙に約束した。
今まで自分を苦しめていた「こうでなければならない」を手放し、休むことを自分に許すことにした。
さらに、この病気のおかげで大切なことに気づくことができたと感謝するようになった。
最初のころは病気は悪者で、闘わないと命が奪われると思っていたのに、病気が私を救ってくれたという考えに変わったのだった。
病気になったおかげで、周りの人たちは私を大切に扱うようになったし、休んでも文句は言われない。私自身も自分を大切に扱うように意識しだした。
食事にも気をつけるようになったし、夜更かしせず、早く寝るようになった。
当たり前の生活に感謝できるようになった。
そうしたら、私の体から悪性のがんは次第に消えていった。
そして、またいつもの日常に戻った。
宇宙からの矯正が終わったのだろうか。
これからは、自分の心の声をちゃんと聞いてあげようと思う。
私をしあわせにできるのは私だから。






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