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雑記2万Leagues 2020.8.18

どーも。某大学生のきむです。
病院に行きました。扁桃炎でした。意外に重い?あ、診察は1分でした。乙。

さて今日は外でいろんな用事を済ませていたからか、いまいちティンと来る話題がありませんでした。AppleとEpicの戦争が激しくなったくらい。
というわけで、海底二万里を読んだ感想でも書きます。短めにね。雑記シリーズはアッサリ味をモットーにしています。
でもラーメンは濃い方が好き。

海底二万里

フランス人作家ジュール・ヴェルヌの1870年の作品。150年前!
ちなみにこの小説版と、1954年のディズニー映画「海底2万マイル」はまぁ違います。(サムネはTDSにある映画準拠のノーチラス号)
映画の感想はDisney+感想noteにでも書きますのでお楽しみに。今日は原作小説版のお話。

あらすじ

舞台は同じく1870年ごろ、大西洋から太平洋まで、世界中の船という船が何か巨大な生物と遭遇し、ときには船体に大穴を開けられるという事件が頻発します。その怪物に西洋社会は大騒ぎ。正体を巡った大論争が巻き起こります。

そして通商への被害を重く見たアメリカは、怪物の調査、討伐を決意。その調査に、新大陸に滞在していたフランス人海洋学者アロナックスを招聘します。アロナックスは助手のコンセーユとともに軍艦エイブラハム・リンカーン号に乗船し、調査へ。

同船には銛の名人ネッド・ランドが乗船しており、生物なら仕留める気マンマン。
何日もかけ、大西洋から太平洋、あらゆる海という海を探索します。しかし怪物はまったく見つかりません。
あのコロンブスが言った三日間も終わろうかという、そのとき、ついに「怪物」が姿を見せるのです。懸命な追跡、戦闘も全て虚しく、怪物はあろうことかエイブラハム・リンカーン号を破壊してしまいます。

そうして落水したアロナックス教授とその助手、そしてネッドは近くの「潜水艦」に奇跡的にたどり着き一命をとりとめます。しかし、そうです!その潜水艦こそが怪物だったのです!

潜水艦の船長:ネモは漂流した彼ら3人を潜水艦ノーチラス号に軟禁。「船内では自由にしてよいが、陸には決して帰さない」と告げるのです。そして、アロナックス教授は意図せず、海洋学者ならだれもが喜ぶ、史上最高の冒険を始めることになったのです。


ネタバレあり感想

まず、この作品は二部構成なのですが、第一部では、ネモ船長の学者的、理性的な面がよく見えます。彼は科学の極致ノーチラス号を作り、それを海洋探求のために使います。
そうして驚異の海洋の神秘を知る、おだやかな海洋学者、海底を領地とする王としてのネモ船長が描かれています。また、アロナックス教授を軟禁したものの、アロナックス教授とは海洋学者として同輩であり、なおかつ友人のような関係です。
ときおり、なぜ陸地をそこまで嫌うのか?という疑問は浮上するものの、まだわからないままです。

一方第二部では、ネモ船長の闇がはっきりと見えます。彼は「迫害される者たちの支援者」として活動しており、難波船から手に入れた財宝を使って、さまざまな支援を行なっていました。
それ以外にも、彼が垣間見せる「陸への憎しみ」は、「彼が迫害される側」だったから生まれたものなのでしょうか、次第に彼の背景が明らかになります。
そうして迎えた第二部のラスト、彼はノーチラス号の強靭な力を以て自らを追う軍艦を沈めてしまいます。もはや学者然とした理知的な姿はなく、一人の復讐者がいるだけです。

もはや主人公はネモ船長です。素性は明かされぬまま本作は終わってしまいますが、彼は海洋研究に情熱を注ぐ、深い知識をもった学者である上、クルーの死にさめざめと涙を流しその死を誰にも穢されないよう埋葬する高度な人間性をも兼ね備えた人物です。
その一方で、陸地を、人間を嫌い、ときには激情のまま、憎しみのままにノーチラス号を駆り、敵を海に沈める復讐者でもあるのです。

彼が持つ二面性、陰影、矛盾はテーマの1つなのでしょうか。

そしてまた象徴的なのがSFらしく、「科学と海」です。前者はノーチラス号をシンボルに「科学の可能性」「人の可能性・力」として描かれる一方、後者である海のすばらしさもこれでもかと描かれます。
作中ではネモ船長はすべてを海で賄っていると言いますが、それも可能だと思えるほどのさまざまな海洋生物の登場や、怒涛の生物学名ラッシュ、クルーたちの墓である美しきサンゴの森、伝説の難波船、太古に沈んだアトランティスなど、海が見せてくれるさまざまな姿と可能性は、我々の想像力を無限に喚起し、今すぐに「海の探求」に駆り立てそうなほどです。

地底旅行含め、こういったヴェルヌ作品に見られる「科学」と「自然」の関係は東京ディズニーシーでよく感じられるものですよね。

まとめ

さて、私の「ネモ船長観」が変わったと言いました。それもそのはず、東京ディズニーシーのネモ船長は、まさに「第一部のネモ船長」なのですから。あの人、海洋探検に連れてってくれるし、危機に陥った我々を必死に助けようとするほどやさしかったんです。完全にただのイケオジなんですよ!?
なのにまさかこんなことになるなんて。第二部の復讐者としての彼は衝撃的過ぎました......
ネモ船長が150年間、さまざまな人々の心を捕らえて離さなかった、その"ミステリアス"な姿の一端を感じられた気もします。また会いにいくよ船長。

そうそう、この続編である『神秘の島』を読みたいんですが、関係するほかの作品を読まねばなりませんし、そもそもこれらは大学の図書館に収蔵されてないしで、いつ読めるか分からないのが現状です。夏休み中には読みたいですね。

他に面白いSFあれば教えてくださると嬉しいです!
ではこの辺で。

以上

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