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巡拝note:京の夏の旅、賀茂別雷神社(上賀茂神社)を拝す

7月11日、京都はお暑ぅございました。この日、京都市北区に鎮座する賀茂別雷神社かもわけいかづちじんじゃを参拝。
賀茂別雷神社は通称上賀茂神社かみがもじんじゃとよばれ、この通称のほうが一般には通りがいいように思われる。そこで、本文でも上賀茂神社と呼ばせていただきます。

上賀茂神社 一の鳥居 奥に二の鳥居

上賀茂神社はどのような神社かというと、左京区にある下鴨神社とともに山城国一之宮。平安時代に編纂された延喜式の神名帳には「山城国愛宕郡 賀茂別雷神社 亦若雷、名神大、月次相嘗新嘗」と載り、古くからたいへん格式のある神社。明治になると官幣大社に列します。

天武天皇六年(677)社殿が造営されたと伝える。これは飛鳥時代のこと。
また、奈良時代に編纂された『山城国風土記』にも賀茂社として記載されている。

京都に都が置かれる以前から、京都盆地の北の端のこの地に鎮座されていたわけです。これは、都が賀茂の神に招かれた、と妄想することも。

また京都三大祭のひとつ葵祭は、上賀茂神社・下鴨神社のお祭りです。かつて「まつり」と言えば、賀茂の祭り、葵祭を指したといいます。
みやびやかな装束の行列が見られる葵祭の路頭の儀は、京都御所を出発し、下鴨神社、上賀茂神社へむかいます。
葵祭は賀茂社の祭礼でありながら、宮中の賀茂社への崇敬の篤さを伝えるものでもあります。

上賀茂神社 細殿 そのまえに立砂
上賀茂神社 立砂 
ご降臨された神山を模したという

さて今回、この古都屈指の大社である上賀茂神社へお参りしようと考えたわけは、「京の夏の旅」の文化財特別公開で、国宝の上賀茂神社本殿および権殿が拝見できるからです。権殿ごんでんは式年遷宮などの際に仮の本殿となる建物です。
桔梗之介はこれまでにも何度か上賀茂神社へお参りしておりますが、なかなかこうゆう機会には巡りあえない。

上賀茂神社の一般的な参拝は中門までとなります。しかし、中門からでは本殿や権殿はよく見えない。
神様がいらっしゃる建物ですから、畏れ多くもあり、しげしげと見るのも憚られるかなと思いながらも、せっかくの機会なのでじっくり拝見させていただこうかなという次第です。

上賀茂神社境内の風鈴

第48回京の夏の旅 上賀茂神社(賀茂別雷神社)本殿・権殿|【京都市公式】京都観光Navi (kyoto.travel)

京都市北区の上賀茂神社へのアクセスは、バスが便利かと思います。京都市内はバス路線が充実しています。京都駅、出町柳駅などから上賀茂神社へ行くバス路線があります。
また駅から徒歩でお参りするなら、地下鉄北大路駅あるいは北山駅から鴨川ぞいにゆるゆると散策がてらに歩いても30分くらいでつきます。

この日、桔梗之介は貴船神社を参拝したあとで上賀茂神社へお参りしました。叡山電車の二軒茶屋駅から、京都産業大学の前を通り抜けて歩きました。こちらも上賀茂神社までは徒歩で30分くらいだったでしょうか。

桔梗之介にとって30分くらいは距離的には問題ないのですが、涼しい山あいから盆地へおりてきて、京の夏の暑さを思い知ることになりました。

というわけで、上賀茂神社。正式名称は賀茂別雷神社。
御祭神は賀茂別雷大神かもわけいかづちのおおかみ

「山城国風土記」には賀茂別雷大神の御由緒が記されている。きわめて簡潔に要約いたしますと、賀茂の玉依姫が賀茂川で川上から流れてきた丹塗りの矢を拾い寝所に持ち帰ると子をはらみ男の子を身ごもる。この子が賀茂別雷大神である。いったんは天に去っていったが、のちに上賀茂神社の北にある神山こうやまにご降臨されたというものです。

この丹塗りの矢は乙訓の火雷神であるという。火雷神の子だから「別雷」、あるいは延喜式に記される「若雷」なのでしょうね。

上賀茂神社 楼門

本殿・権殿の特別公開は9月30日まで、大人800円。
境内に入り楼門の内側、中門の手前で受付を済ませる。涼しい部屋で、神職から上賀茂神社の由緒などの説明をうかがいます。その後、お祓いをしていただいてから内庭へ向かう。写真撮影は不可です。

上賀茂神社 中門

「本殿、権殿は同形同大で東西に並び、正面3間、側面2間、四周に縁をめぐらし正面に向拝をつけた形式で、檜皮葺、切妻造平入の屋根を基本に、前方の流れを長くした“流造”の古制をよく伝えている」と、文化庁の世界遺産を紹介するページの一文です。
正面3間の流造なので、「三間社さんげんしゃ流造ながれづくり」と呼ばれる。

中門の内側はそれほど広くはない。正面に双子のように本殿と権殿が並び、周囲を渡りの廊下のような建築が囲む。中門と本殿・権殿にも廊下がつくられている。
檜皮葺の建築はいかにも古社の趣がある。

そんなに長い時間しげしげと鑑賞拝観できたわけではありませんが、拝見できたのはとても良かった。このあと別棟にて神宝などを鑑賞しました。特別公開はこれで終わり、あとは自由に境内を散策。

上賀茂神社境内の二葉葵





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