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光る君へ 第五回の感想~告白~

第五回、観ました。


眠るヒロイン

源倫子みなもと・の・ともこ様を初めとする、サロンの女の子たちが、倒れたヒロインを心配していましたね。

その話の流れで、身分の低い者が、五節ごせち舞姫まいひめをするべきじゃなかったのよ・・・みたいなことを言う女性がいました。

あれは、大いなる間違いですね。

他の人に代役を御願いすることは、よくあったみたいです。

なので、ヒロインの家(位階は六位)でも、何の問題も無いんですが・・・。

一方のヒロインは、三日も食事を摂らないので、祈祷師のような方々が来訪していましたね。

当時の人は、真剣に怨霊おんりょうを恐れていたので、神がかりも普通にやっていたんですよね。

まあ、ヒロインの場合は、下手人げしゅにんと、三郎の関係性を知って、悩んでいただけなんですけどね(;^_^A


猫を追いかける姫

関白かんぱく藤原頼忠ふじわら・の・よりただ、左大臣の源雅信みなもと・の・まさのぶ、右大臣の藤原兼家ふじわら・の・かねいえが、花山かざん天皇てんのうへの愚痴ぐちを漏らすうたげの場で、源倫子が、登場しましたね。

普通、あんなところに、姫が出て来ることはありません。

例え、通るにしても、おうぎで顔を隠すはずです。

まあ、倫子様の顔が見えないと、兼家の目に入らず、話が進みませんので、演出上、仕方なく、あんな展開にしたんでしょうね。

よくよく考えると、ヒロインが外出しているのも、演出の都合ですね。

当時、あんなことをする姫は、存在しません。

不謹慎で非常識なことなんですよね。


藤原道綱の母が登場

蜻蛉かげろう日記にっき」の作者、藤原道綱ふじわら・の・みちつなの母が登場しましたね。

ドラマでは寧子やすこという名前になっていました。

史実では、この頃、藤原兼家との結婚関係は解消されていたんですが、当時、当たり前に存在していた、しょうを表現するために、こんな展開にしたんでしょうね。

ちなみに、一話のみの登場だった、道長みちながの生母、時姫ときひめが、兼家の嫡妻ちゃくさいとなったのは、男の子を三人も産んだからではなく、女の子を産んだからです。

この女の子が、花山天皇の父、冷泉れいぜい天皇てんのうの元に入内じゅだいしたことで、時姫の地位も上がったというわけです。

女御にょうご様のおん母君ははぎみになったわけですから・・・。

時姫も、寧子も、受領ずりょう(地方官)の家柄なので、駆け出し時点では、差は無かったんですが・・・。

男の子一人だけの寧子様では、嫡妻は難しいですね。

だからこそ、道綱の将来が気になるのでしょう。


呪詛せよ

藤原兼家が安倍晴明あべ・の・はるあきらに、懐妊かいにんした皇子みこ呪詛じゅそせよ・・・と命じてましたね。

御簾みすの後ろには、関白を初めとする公卿くぎょうたちが・・・。

朝廷の総意での呪詛ということですね。

最初、晴明は断っていました。

当時の人々は、呪詛で、本当に、人が死ぬと思っていたので、兼家から「毒を盛れ」「殺人を犯せ」と言われているに等しいわけです。

当然、断りますよね。


告白

ついに、ヒロインが告白しました。

母が死んだ原因は、自分にあることを告白しました。

それまでは、父の為時ためときが、忘れろと言っても、ヒロインは、反発していました。

道兼みちかねのろうとも言っていましたね。

六年間、誰にも言えなかったことでした。

どうしても認められない事実。

自分の所為せいで、母が死んだという事実。

道長に語っていく中で、ヒロインは、ついに告白したのです。

事実を受け止めた瞬間です。

道長は、告白を聞いて、一族の背負うごうを痛感します。

ヒロインは、こうも言っていましたね。

「あのとき、三郎に会いたいと思わなければ・・・。」

同時に、道長は、ヒロインの母の死に、自身も間接的に関与している事実を知ります。

脚本家の大石静おおいし・しずかさんが、二人は、ソウルメイトとおっしゃっておられましたが、これで合点がてんがいきました。

母親の非業の死をきっかけにして、ただのいたれたの間柄あいだがらではなく、同じ業を背負った同志になったわけですね。

大河ドラマ史に残る、名場面ではないでしょうか。


怒りの道長

道長は、自宅に戻ると、兄の道兼にただします。

ヒロインの母の死に、自分が間接的に関与している事実を受け止めきれない道長は、兄に詰問きつもんすることで、重圧から逃れようとしていたのです。

兄の「虫けら」という言葉に過敏に反応し、殴りかかる道長。

そのとき、道兼が、こう返します。

「おまえが、あのとき、俺をイラつかせなければ・・・。あの女が死んだのは、おまえの所為だ。」

結局、兄からも、道長が関与していると聞かされ、更に愕然とするのでした。

それをはたから見ていた兼家が、高らかに笑う。

恐ろしい場面でしたね。


ラストシーン

父のふところで涙するヒロイン。

これまで、自分の罪を認めたくないがゆえに、父に反発していました。

しかし、道長に告白したことで、ようやく、父の想いに気付きました。

悲しく、苦しい想いを押し殺し、家族のために尽くしてきた父。

ヒロインは、そんな父を受け入れ、許すことが出来たわけです。

だからこそ、父の懐で涙したわけですね。

まるで、短編映画を観ているような、凄い回でしたね。








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