PJW15 伝説のコンビ
国造りというか、子造りに励んでいた大国主命(おおくにぬし・のみこと)(以下、くにやん)が、出雲(いずも)の岬にいると、海から小さな神様がやって来た。
不思議で仕方のない「くにやん」は、物知り博士のカカシ、久延毘古(くえびこ)に尋ねた。
くにやん「海から小さい神様が来たんだよ。進撃の小人だね。」
くえびこ「そいつ・・・神産巣日神(かみむすひのかみ)の子・・・名前は少彦名命(すくなひこな・のみこと)・・・。」
新情報を得た「くにやん」は、神産巣日神(以下、神)のもとを訪れ、真意を問い質した。
くにやん「これはどういうことです?」
神「国造りの協力者として送り込んだのじゃ。」
その時、高産巣日神(たかみむすひのかみ)(以下、高)が出現。
高「わしの子でもあるぞ。」
神「いきなりなんじゃ? どういうことじゃ?」
高「日本書紀では、わしの子になっておるのじゃ。」
くにやん「どっちにしても、ありがとうございます。カミムスヒ様。タカミムスヒ様。」
こうして「くにやん」は、少彦名命(すくなひこな・のみこと)(以下、彦にゃん)とコンビを結成し、国造りを進めたのであった。
ところが、そんなある日、別れは突然、訪れた。
彦にゃん「もう帰るにゃ。」
くにやん「なんで?」
彦にゃん「海の向こうの常世国(とこよ・のくに)に帰るにゃ。酒癖が悪いからでも、政治家になるからでもないにゃん。」
くにやん「質問の答えになってないよ、彦にゃん。」
彦にゃん「さらばにゃ!」
くにやん「僕の話、聞いてる??」
伝説ともいわれたコンビの解散で、「くにやん」は大いに悲しんだ。
すると一柱(ひとはしら)の神様が海の彼方から、やってきた。
くにやん「君は誰?」
謎の神様「我(われ)は大物主神(おおものぬしのかみ)なり。」
くにやん「どういうこと?」
大物主「さあ、我を祀(まつ)りなさい。」
くにやん「君も僕の質問に答えてくれないんだね・・・。」
大物主「我を大和(やまと)の青々とした山の頂上に祀れば、共に国造りに励みましょうぞ。」
くにやん「分かりましたよ。ちなみに、大和は今の奈良県のことだね。青々とした山っていうのは、三輪山(みわやま)のことだね。」
大物主「その通り。さあ、祀りなさい。」
くにやん「急にやって来て、人使いが荒いなあ。」
大物主「仕方がない。我は汝(いまし:あなたの意)の和魂(にきみたま)なのじゃからな・・・。」
くにやん「和魂(にきみたま)?」
大物主「左様。優しい心という意味じゃ。」
くにやん「ぼ・・・僕の優しい心って、いきなりやって来て、祀れとか言っちゃう奴なの?」
大物主「そのようじゃな。」
こうして、大物主神は大和の三輪山に祀られたのであった。
つづく
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