ポンペイ展滞在記
ポンペイとは、
紀元後79年。一夜にして火山灰に埋まったイタリアローマの幻の土地。大量に降り注いだ火山灰と火山礫が人々や建造物を埋め尽くしたため、奇跡的な保存状態で、建造物や生活用品が発掘されている。
18世紀から発掘が始められたが、古代ローマの栄光と繁栄が数々の物証により明らかになり、
一躍注目を浴びることになった。
今回、博多での学会に参加した後ポンペイ展が九州国立博物館でやっているではないか‼︎となり、急遽足を運んだ。
太宰府から長ーい長ーいエスカレーターを登った先に、雲を映し出す巨大建物に到達。ここが、九州国立博物館だった。立派な建物だった。
今回のポンペイ展。何が凄かったかというと、壁画やモザイク画が沢山展示してあったこと!
(以前の名古屋の展覧会では少し小さめのモザイクのイルカがメインだった)
古代ローマ人はこんなに立派な壁画とモザイク画のある家に住んでいたのか⁈と驚きを隠せなかった。
このモザイク画何がすごいかというと、
約1m×1mの規模にも関わらず、モザイクの一つの破片が小さい。更に、多彩な色のタイルを組み合わせているために、離れてみるとまるで描いたようなクオリティになっている点である。
このようなモザイク画を4,5点間近で観られたのは感無量であった。
宝飾品にも驚いた。現代にも通じるような、見事なデザインのものが多かった。ローマ人オシャレすぎる。
壁画をみていると、白い透き通ったベールに包まれた花嫁のような女性がでてきたり、何かを語り合っている紳士たちがいたりと、古代ローマ人の活き活きとした生き様が刻まれていて、現代人よりも人生を楽しんでいるのではないかと思われた。
デジタルの現代、メールや電話に振り回されている我々と違って、ゆったりとした時間を芸術や生活にかけられたのではないかとも思われた。
どの作品も丁寧で、卓越しており、生き生きとしていた。素晴らしい展覧会だった。