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一目惚れして即買いしてしまった「Der Besuch」という、超絶素敵なドイツの絵本を、皆さん(特に、子どもと携わっている方々)に紹介させて頂きたい!!!

この絵本、個人的には子どもと関わる職業に就いている人の”素質”というか、”感性”を試すことが出来る気がしていて、採用面接とかの時に、ちゃちゃっと読んでもらって感想を述べてもらうことで、その発言内容を合否の判断基準の一つとして考慮しても良いんじゃないかなと勝手に想像しちゃってます。笑

今回の記事は、最初にこの絵本についての基本情報を示して、その後に絵本の中身を軽く紹介して、自分の意見を述べた後に、本編と和訳(すみませんが「有料」とさせて頂きます…)という構成にしたいなと思います。

有料ではありますが、買って頂いて読んで下さった皆さんがどのようなご意見ご感想を持たれるのかとても興味がありますので、サクッとコメント欄に書いて頂けましたら嬉しいです!どうぞよろしくお願い致します。

①Der Besuchの基本情報

・Der Besuchの意味は「訪問」。英語で言うところのvisit。
・この絵本に出会ったのは2017年の8月30日。
・場所はトロイスドルフ絵本美術館。
・1982年に開館したヨーロッパ唯一の絵本美術館!
→ドイツ語のホームページはコチラ
・絵本の歴史的資料から、現代作家の作品まで幅広く収集されている。
・1982年から「トロイスドルフ絵本賞」という企画を実施している。
→ドイツ語のWikipediaによるトロイスドルフ絵本賞の説明はコチラ
・Der Besuchは2017年度のトロイスドルフ絵本賞第2位に輝いた作品。
→個人的には「なんで2位なんだよ!圧倒的に1位だろ!」とツッコんでやりたいくらいです。笑

外観
看板
中① 絵本ルーム
中② 絵本で使われている一場面を切り取って、絵画風に飾られていた。
中③ 所々に椅子やソファーがあり、好きな絵本を自由に読むことが出来た。
こういう利用者目線、素敵です!
中⑤ 子ども用の部屋
中⑥ クッションの部屋
中⑦ お絵描き&塗り絵スペース。
様々な絵本を読んで刺激を受けた子ども達がアウトプットできる素敵な場所。
なんかオシャレ
子ども達の作品を飾る
こういう利用者目線に立った配慮が、ドイツの美術館とか博物館の良いところです!

②Der Besuchの中身をちょこっとだけ紹介!


とりあえず、有料の所まで行かないという方に向けて、Der Besuchのホームページ(https://www.moritzverlag.de/Alle-Buecher/Der-Besuch.html)より、掲載されている画像を並べます。少しでも雰囲気を味わっていただけましたら嬉しいです。

③Der Besuchの個人的感想


・なんて素敵なストーリーなんだろうと、読み終わった瞬間に、全身に電流が走りました。これはマジです。そして、即買いです。絶対に自分のこれからの人生でバイブル的な本になるということを直感しました。何でこの絵本がビビットきたのか自分なりに分析すると、自分が過去に子ども達と交流していた時に感じていること、つまり、「子どもの存在自体が周りをイキイキとさせてくれる」ということを、これまでになく美しく描いているからだと思います。この絵本では、子どもの持つイキイキさによって、エリーゼが変化していく様子を、鮮やかな色使いで表現しています。

 最初の黒い家の中。そして、灰色のエリーゼ。
 それがエミールと出会い、触れ合うことで、
 どんどんと家の中が色付き、ピンク色に染まっていくエリーゼ。
 そこにはもう以前の怖がりなエリーゼはいない。
 少年がエリーゼを変えた。少年が解き放つ素敵な色達によって。

この記事で「子どもを好きだと思ってなくて、『尊敬』している」と書きましたが、その理由をまさにこの絵本は的確に表現してくれていたので、とても嬉しくなりました。談志みたくズバッと言えば、「子どもが僕の人生を豊かにしてくれるから」なんですよね。子どもと接することで、僕は子ども達から様々な色を受け取って、自分の人生が色鮮やかな彩溢れるモノになっていくんです。尊敬せざるを得ません。

僕が一番好きなシーンはエリーゼが紙飛行機を作り終えて、目をつぶって微笑んでいるシーンです。泣けてきます!自分と重なるところがあるから心から共感できるんです!

本編の一部をちょい見せです!笑

最初白黒だったエリーゼはエミールと触れ合うことで温かいピンク色を付けてもらいました。目をつむっているエリーゼは、また今度子どもが来る時に(もう二度と来ないかもしれませんが)、今度は自分が紙飛行機を与えて、子ども喜ばせようとしている姿だと解釈しました。

子どもを思って何か行動し、それが成功することを想像して、自分で微笑んでいるところに、すごく共感します。

自分も、これまで子ども達と触れ合ってきた中で、

折り紙の折り方やお絵かきのサンプルを何枚もスクショし、
日本の絵本を買ってドイツ語に訳し、
ハンモックを揺らす時にあらゆるテクニックを駆使し、
サッカーで面白い技を見せたり、
子ども達の「見て!」に様々なリアクションをしたり、
子どもに誕生日プレゼントを渡したり、
へたくそなドイツ語の発音で性懲りもなく話しかけたり、
子ども達と何かにつけて張り合ったり、
「キーくん、一緒に遊ぼう」に出来るだけ応えてあげたり等々・・・

いろんなことをしてますが、結局は、
全てが子どもを思っての行動で、それをすることによって、
子どもがイキイキしてくれたら嬉しいなってだけなんです。

子どもを思って(「思って行動すること」と「思いやりを押し付けること」の区別はコチラに書いてます…)何回も失敗作を出しながら、やっと1つの紙飛行機を作りあげたエリーゼの表情に、自分はやられてしまいました…

テーブルの下にある数多くの失敗作に、
エリーゼの本気度が伝わってきて泣けてくる。(ちょい見せ)

あの灰色だったエリーゼが、エミールとの交流で、見事に「愛」に満ちたピンク色になって、また会えるかどうかも分からない子ども(エミール)の為に一生懸命に行動している姿が何とも言えないほど愛おしい…

この絵本では、子どもから大人への色付けが描かれていましたが、個人的にはその逆のこともやっていきたいなと考えています。子どもと一口に言っても様々な子どもがいますから、最初のエリーゼみたいに灰色の子どもがいたっておかしくありません。そんな子どもに出会った時に、エミールのように色付けしてあげるのが大人の役目ではないかと思います。

ただ、大人から子どもへの色付けって、子どもから大人への色付けと違って、そう簡単ではないと思うんですよね。大人は子どもの頃と比べると、身長などは物理的に成長しますが、心理的にはどうなのかという問題です。大人へと成長する過程で様々な経験を経ることによって、「子どもの時のイキイキさ」が薄くなることもあるかと思います。好奇心や遊びの欲求を持ち続ける、つまり「子どもの心を保ち続けること」は難しいことだと思います。

でも、自分の目指す先生像には、この子どもの心が不可欠です。この絵本のように「イキイキさ」を子どもからもらってばかりじゃいけないし、そうじゃない子どもは勿論いるので、その子に自分の「イキイキさ」をプレゼントしたいからです。

子どもの心を保つために、日本の幼児教育に多大な影響を与えた倉橋惣三は、

『子どもを楽しませるのは良いことである。子どもと共に楽しむのはさらに良いことである。子どもを上手に遊ばせ得る人は偉い人である。子どもと一緒に自分も愉快に楽しく遊び得る人は一層偉い人である。』

と述べているんだと解釈してます。

子どもも大人もイキイキして、それが相互に影響し合っている環境に僕は身を置きたいですね。その状態こそがまさに、「子どもと大人が同じレベルに立っていて、共に生きている」ことだと思うので。

④本編と和訳(有料部分)

絵本なので、ストーリーは分かりやすいかと思います。ガッツリ本編の画像と独自の日本語訳を載せているので、申し訳ありませんが「有料」とさせて頂きます。本の値段が15ユーロくらい(2000円強)ですので、お得に読めるようになっているかとは思います。興味のある方はぜひとも購入されて読んで頂けたら幸いです。

子どもと接する職業についていらっしゃる方なら特に、心に染み入って感動してしまう絵本だということを、自信を持ってここに宣言致します。

(一応、私のドイツ語レベルは「B2」で、ドイツで仕事をする際にドイツ語力を証明できるレベルであることをお伝えしておきます。なので、変な訳にはなっていませんので、そこはご安心ください。)

話す:72点
聞く:80点
書く:88点
読む:77点

👆一応、ゲーテのB2試験の結果です。全科目60点以上が合格基準です。なんとか満たすことが出来ました。

それでは以下が、本編と和訳です。☟

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