私のチームのリモートワーク術:Slack編①DM使うのをやめてみた
皆様の会社では何らかのチャットツールは使っていますか?
私自身の話をすると、前職ではLineworksとGoogle Workspace、現職ではSlackを使っています。
他にもTeamsなど、多くの会社でチャットを使ったコミュニケーションが当たり前になりつつあると思います。
コロナ禍でリモートワークが促進され、百社百様のとりくみを行っていることと思います。最近、 フルリモートで働くGitLab社のリモートワークの心得という記事(記事内ではSlackの活用にも言及)を見かけました。フルリモートで時価総額を上げる企業が登場する中、成功する企業は、さまざまな実験の末、コミュニケーションのあり方を再定義し、効率的に仕事を進めているといえますね。
さて、今回のテーマはSlack。Slackにはたくさんの機能がありますが、 今回は、特別な技術不要、考え方一つ変えるだけで効果が出るものとして、私の所属するチームで行っている「DMの禁止」をとりあげたいと思います。チームで、1年半くらい取り組んできた経験から、これが世間に広まったらいいなぁと、淡い期待も込めて書いてみます。
DMの禁止とは、いったい何をするの?
なぜするの?どんな効果を期待してするの?
DM起因で生じる各種課題の解決を期待しています。
下図の左側で記載するようにDMでは、登場人物の数だけやりとりの矢印が発生し、やりとりの内容は、第3者から見ることができません。これによるデメリットとして、情報のサイロ化、特定個人への負荷集中、伝言ゲームによるコミュニケーションコストの増加などが挙げられるものと考えます。
DMを廃止し、Channel上でOPENにコミュニケーションをするメリットは、それらの課題を解決できることです。実際に取り組んでみたところ、情報のサイロの解消、特定個人への負荷解消といった当初期待された問題解決だけではなく、+αの付加価値を享受できました。
投稿された情報の蓄積・検索・分析が可能になったり、他者の日々のアウトプットが可視化されたり、アウトプットに触れることで、他者を賞賛する機会機会を作れるといった付加価値を享受できました。前後の変化のイメージについて、詳しくは下図をご覧ください。
人間の心理的にはDMしたくなるものでしょう?
そうはいってもDMを使いたい人間の心理として、OPENに投稿することへの抵抗感、恥ずかしさ、恐怖、そういった感情があることは理解しています。
ただ、会社には、限られたリソースと時間で、提供価値を最大化するために結集した組織という側面があります。提供価値を最大化する為には、情報を可視化し、コミュニケーションコストは最小化し、賞賛しあえる文化を作る必要があるのではないでしょうか?
Slackでのコミュニケーションにおいては、我々の経験や各社の事例からも、OPENを徹底した方が優位性があると考えます。
OPENが苦手な方がOPENを採用できるような仕組みが再現性を帯びてくると、更に世の中の進化が加速すると思うので、そういう良い話があれば個人的に聞いてみたいです。
心理的な不安については、どう考えたらいい?
私やあなたが知りたい情報はきっと他の人が知りたい情報である
あなたが勇気を出して聞いた情報、投稿した情報は、他の誰かに役に立つことがあります。
ぜひ、貴社でSlackを導入している場合は、所属するChannelで、オープンに発言しましょう!
あなたの恥ずかしさ起因で、特定の人に負荷がサイレントで集中してもよいのか?と自問してみてください
あなたが「そんなことも知らないのか」と言及されることを恐れ、DMをお送るとで、相談相手にサイレントで負荷が発生します。オープンに皆が投稿すれば、蓄積したナレッジとなり、以降同様の相談がなくなります。
また、Channelに投稿すれば、あなたが相談したかった人とは別の他者が解決してくれる場合があります。
相談したい相手にリスペクトを込めて、オープンに質問しましょう!!また、「そんなことも知らないのか」的な発言をしたことがもしある方は、以後同様の発言を控えることをおすすめします。できればそのようにChannelで宣言ください。
もしDMをする人がいたらどうするの?
最初はやんわり伝えていましたが、最近では、「こちらで相談ください」とSlack ChannelのURLを案内し、投稿を促すようにしています。
チーム内でのDMが99%削減できました!
逆にDMでないといけないこともないの?
あります。
プライベートな話などはそうでしょう。
会社によって、その基準となるラインは若干異なるでしょうから、オープンにディスカッションしてみてはいかがでしょうか?
ちなみに、技術書の出版社として名高いOREILLYの本で、2021年に出版され、IT担当者の読者層を超えて流行した奇書『ユニコーン企業の秘密』でも、オープンの重要性は幾度となく語られております。筆者の会社では、給与情報までオープンとするかどうか議論がなされたくらいだそうです。
ちなみに、本書は、いけてる企業文化とは何かを平易な言葉で語っており、いけてる企業の空気感を理解できます。帯には「スタートアップ企業のような働き方を、エンタープライズ企業のようにスケールさせる!」とあり、どの規模の企業に勤める読者の方にも刺さるのではと思います。
以上、私が所属するチームのSlack活用について語ってみました。
良いなと思っていただいたり、何か気づきになりましたら幸いです。