乃木坂27th総評

先日乃木坂46の27枚目シングル「ごめんねFingers crossed」が発売されましたので分析します。

表題曲「ごめんねFingers crossed」

他の記事でも述べているので手短に。
APPAZIさん、杉山勝彦さんという乃木坂ではお馴染みのビッグネームを使いました。一緒にすればいいものができるというのは甘いです。実際秋元系でも稀に見る酷い出来です。前作のように解禁前から作曲家をアピールするというフラグを立てなかったのはファインプレー。
挙句の果てに高級車をフィーチャーしたMVにバックストーリーを設けて再生回数を稼ぐ始末。曲自体のクオリティが低いので余計に悪足掻き感が出ており、目(耳)を覆いたくなります。楽曲単体では独り立ちできないというのを認めたようなものです。

共通カップリング曲「全部 夢のまま」

力作。音楽的には「I see…」の良いところを抽出し選抜楽曲に持ってきた感じ。詞もMVも曲にピタリとハマっており、乃木坂楽曲として高水準。終始押し付けではない躍動感に満ちていますね。推しを見たい云々ではなく、この世界にまた浸かりたいという理由でリピートを押している自分がいました。小手先の話題を用いることなく人間の感情を巧みに弄ぶのが乃木坂であり喜んで弄ばれてこそファンです。

3期生楽曲「大人たちには指示されない」

タイトルの時点で坂道ファンならば大方の予想はついてしまう。そしてまさにその予想通りの楽曲なので聴く価値は全くありません。他の坂道グループに歌わせるには無理があったので乃木坂3期生に投げられたのでしょうか。いずれにしてもドンマイです。(なお某元スーパーアイドルはテレビの世界で必死に大学受験に挑んでいる模様です)

ユニット楽曲「ざぶんざざぶん」

世代交代の一環として主力メンバーのアピールということで26thの大園・遠藤コンビに続き、今度は与田祐希さん・筒井あやめさんの2人に曲が与えられました。前作が大園桃子さんの一人勝ちだったことを反省したのか今回はちゃんと2人の曲になっています。コンセプト・構成はこちらがより練られているものの聴き手としての印象は大園さんがいかに逸材が再認識したぐらい。ごめんなさい。全然合格なんだけどね。

松村沙友理ソロ曲「さ〜ゆ〜Ready?」

前作の堀未央奈さんに続き、今作では松村沙友理さんという主力メンバーがグループを去ります。大半のファンが思い描いたイメージ通り。こちらは期待に応えた形ですね。
MVは監督を3人使うという豪華仕様ですが、最初のパート(時系列的にはおそらくデビューからあの出来事まで)が絶望的につまらないです。考えれば色々と解釈が可能ですが、この曲に合った映像とは到底思えません。監督の自己満足に終わっています。残りのパートで多少は挽回できたものの、第一印象の悪さを払拭できないまま終わっています。

アンダー楽曲「錆びたコンパス」

別記事で書いています。
山崎怜奈さん率いるアンダーメンバーを丁寧に描いた良曲。伊藤さん渡辺さんさようなら、ありがとう。
今作はType Dの優勝です。

4期生楽曲「猫舌カモミールティー」

タイトル(歌い出し)の時点で「どんな曲なんだろう?」と思わせる。これは大きなアドバンテージだと思いました。「I see…」「Out of the blue」の流れを良い意味で断ち切れましたね。「全部 夢のまま」同様フロントメンバー(田村・弓木・松尾)の人選が秀逸で、2列目以降が序列準拠だということを忘れさせてくれます。そしてこの楽曲の最大の魅力はリズムセクションだと思いました。最近のポップスに溢れている打ち込み至上主義ではなく、曲を邪魔しない程度の心地よい自己主張を実現しています。アイドル楽曲でパーカスを楽しんで聴いている自分にびっくりしていました。ミキシングした人ナイスです。(そしてMVのリソースは松村さんへ…)

表題曲と3期生曲以外は多くの人に愛されるであろう楽曲を収録したシングルだと思いました。確実に26thよりは進歩しており、28thにも期待できる内容です。

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