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テレビクリエイター35歳問題について

時々35歳という年齢がテレビコンテンツの制作現場で出てきます。

例えば、ヤングシナリオは脚本家の登竜門のコンペで有名ですが、自称35歳までです。その35歳という制約ギリギリで「逃げ恥」の野木さんは受賞されました。

他にも、テレビ番組の企画募集ではディレクター35歳以下限定で企画が募集される時がたまにあります。作家の大井さんが「放送作家、35歳万能説」を提唱しましたが、テレビ作家も35歳が一つのキーワードになっています。それについて客観的&主観的に述べていきます。ちなみに僕は27歳です。

35歳で何が起こる?

35歳付近になると局員さんや制作会社で優秀な人たちが番組のプロデューサーや演出になって番組を任されるようになります。なので、必然的にその人たちの周りにいた同世代の放送作家が番組に呼ばれます。これが35歳くらいに仕事がどっと増えていく理由です。

今勢いのある放送作家の先輩も35~40歳くらいの人たちが多く、35歳くらいでギアチェンジしてる印象を受けます。逆にそれ以降になると一気に淘汰されていく感じです。

なので、35歳くらいまでに一通りの経験を積んで結果を出しておかないと、その後の波に乗っていけないです。ちなみに今30歳ぐらいで活躍してる放送作家が結構います。おそらく35歳くらいで彼らも波に乗ってくるはずですが、その世代はテレビだけではなくネットや広告など多角的に展開をしているので、どうなっていくのかまったく想像できません。

テレビに軸足を置く方面と、それ以外に軸足を置く方面で分かれていくはずです。今でもそれが起こってます。

5年後、少なくともテレビ番組はまだ他のコンテンツと戦えてるはずです。今の若年層へのアプローチや、テレビのネット配信が上手くいくことで、もしかしたら番組の収益も改善できるかもしれません。ただし、広告業界も変化が多いのでテレビがその中で優位性を保つのは難しいと思います。

僕はどうしていきたいんだろう、とキャリアプランを考えることがありますが、結局目の前のことを全力でこなす他にないという結論に至ります。

同世代がやりやすい

話を戻します。35歳付近に現場のトップを任されてる人が多いので、その人たちは自分と同世代ぐらいかそれより下の作家と仕事をしたいと思います。特に企画会議のようにそれだけではギャラが発生しないような仕事では顕著です。

年上のベテラン作家と企画会議をするとどうしてもやりにくくなってしまうこともあるので、できる限り若い人たちと組んで企画を出していく傾向があります。

その辺を考えて脚本家のコンテストが35歳の年齢制限を出したり、放送作家が35歳付近で一気に仕事をこなしていくのかな〜個人的には思っています。

とはいえ年齢は数字に過ぎない

散々35歳問題について話してきましたが、35歳は一つの区切りであって、上記に該当しない例外はたくさんあります。

むしろクリエイターは例外を作っていく生き物だと思ってます。

個人的には50歳くらいから本当に自分がしたいクリエイティブが作れると思っているし、そこまで活躍できるぐらいに実力と結果を出さないときついはずで、これは僕自身への戒めです。

でもほとんどの人が35歳で活躍できないんです。例えば、番組の総合演出になれるディレクターって100人いて10人いないです。放送作家もどんどん仕事くる人ってそんなにいないんですよ。

だから35歳を迎える時に僕が全然しょぼくて何もできてない可能性はあります。それはそれで運がなかったし実力がなかったって話になるんですが、そのリスクを考えながら生きていかないといけないのでシビアですよね。一握りの人間にならないといけなくて、僕がそれになれるかは半信半疑です。でも自分の中に「これは面白い」と思っているものが常にあって、それを信じていける限りはこの仕事を続けていこうと思ってます。





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