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たしかな道なんて見えないけれど ──2019年4月

はい、ようやく4月のふりかえりでございます。

米どころだからか雪国だからか、今住んでいる滋賀県長浜市の4月は、はじまりの合図かのようにお祭りだらけ。

市街地で一週間以上続く町衆のお祭り「曳山まつり」と、長浜市内の北から南まで農村エリアのお祭りと、その他イベントと、「非日常」が盛りだくさんでした。

写真と動画をぜんぜんアップできなかったのですが、400年以上続いてきた町衆のシンボルであり誇り「曳山まつり」には、期間中に2回足を運びました。

左に3つ並んでいる屋根付きのものは山車で、4〜6トンくらいの重さ、細部まで伝統工芸尽くしの贅を尽くしたかたまりです。これを道幅も高さもぎりぎりの町の中を人力で移動させます。これは一番のメイン日の、クライマックス直前。

大きなストーリーの中で日々違う行事が繰り広げられていくタイプのお祭りは初めてで、本当にここで暮らす町のひとたちのためのものなんだなと思った。

この山車を町のポイントに移動させて、本気の子ども歌舞伎を一日に何度も繰り広げます。写真は7歳が不倫を疑うセリフを言っているところ。

この演者に選ばれるのは家族にとって一大事で、師範付きの練習を何ヶ月も積み重ねてきているからとてもレベルが高く、見ていて心がぎゅっとなった。

3年に1回の出番に600万以上かかるけれど、町の誇りだからと守ってきたひとたちがつないできた歴史。

準備の段階から話を聞いていたお祭りがついに本番を迎え、ガチな喧嘩もおこりやすくておにいさんたちは命がけの夜もあり、6トンの山車を人力で運び続ける昼もあり、お祭り後のおにいさんたちが軒並み体調不良を見て、こういう営みが400回以上繰り返されてきたことにひたすらグッと来た。

あとは初めての釣りをして、初めて行く集落の初めてお会いする方の家に突然おじゃまして初めていろりを囲んで雑魚寝して、初めてトラクターに乗って、初めてたけのこを掘って、人生でいちばん何度もいろいろな方にごちそうしていただきました。


つまり、東京との往復をしまくった2・3月、特に今まで一番多い仕事をいただきながらほぼ日の塾最終課題と確定申告を出し終えた3月と比べて、とんでもなく仕事していません。

たび重なる東京との往復と締め切りに追われて、考えたいことを考えられなかった3月を終えたタイミングでこういう1ヶ月を過ごせてよかった。

じゃあ何をしていたかというと、前回3月のまとめnoteで書いた「決断」を形に移し始めるために時間を使い、どうやって進めていくのか模索し続けていました。

端的にまとめると、隣町に住んで地元を思いっきり楽しみながら盛り上げているおにいさん8人を一年間追い続けて、彼らを言葉と写真と映像で表現します。

彼らは今年の活動の重要な要素として米づくりをしているので、彼らが主催している季節のイベントだけでなく、田んぼや話し合いにも顔を出しています。急に外にいる時間が格段に増えて、田んぼ長靴も購入し、焼けた。

2月に彼らの代表と出会い、3月に代表からオファーをいただいたことがきっかけで3月末に全員と初めて会い、4月頭に自分がやりたいことと将来と照らしあ合わせた上で彼らを表現するための一年を過ごすと決断しました。

手法だけ先に習っていながら表現したいものを見つけられていなかった写真と映像を、ようやく使いたいと思えた。そう思わせてくれた彼らを撮っていて、楽しくて仕方ない。

これまでとは別軸の仕事として、これからの向こう5年くらいを見据えながら本気でやっていこうと思っています。というわけで時間の使い方が急激に変わり、今も模索中。

とにかく8人を一年間ってやったことがないので、ツイッターだけでなくnoteでも彼らと関わることで思ったことや気づいたことを少しずつ書いていきますね(宣言せねば)。

こういうことをやりたい、と思った原点は、ほぼ日の塾の最終課題があって奥多摩のことを書いて、取材させてくださった方々がいたからなんだよね。人生はつながっていく。

一年後にどんなものをつくりあげられるか、どんな景色を描いているかなんて全く見えないけれど、それでも走り続けていきます。がんばるぞ。

4月のお仕事

ウェディングドレスの世界的なデザイナーである桂由美さんにインタビュー。書かせていただいた2本の記事が「結婚あした研究所」に公開されました。

戦後の食糧難の頃に洋裁学校に通い、ウェディングドレスの普及率が3%だった頃にウェディングドレス専門店を始め、冷戦時代に世界のウェディングを知るためにあちこち飛び回っていたらソ連で尾行され……。

世界を切り拓いてきた方のパワフルさとしなやかさに圧倒される時間でした。

大学時代の3年半のアルバイトで、そして東京にいた頃に業務委託でお世話になっていた「勉強カフェ」を運営している株式会社ブックマークスの、社内行事レポートを書かせていただきました。

新卒入社した会社を10ヶ月で退職してフリーランスになった私にとって、この会社で教わったことが今の私を生かしてくれているんだと実感する日々です。

今インタビューを仕事にできているのは、勉強カフェで3年半受付に立ってたくさんの方とお話してきたから。初めて文章を仕事にさせてくれたのも勉強カフェ。もちろん電話やメールの対応、敬語もぜんぶ学んでいます。

大学生をやりながら店長を務めた期間は、他店舗の店長と同じようにマネジメントも空間運営も数値管理も採用もすべて任せていただいたので、人をまとめるポジションを経験させていただけたことが本当によかった。

文字どおりここでの学びが私に今ごはんを食べさせてくれているくらいに私を形作っている会社と、今でもこうやってスポットで関われて、大切なひとたちと再会を喜べることがしあわせです。またご一緒できるように、頑張ります。

滋賀の北側「湖北」で暮らすひとを紹介しているメディア「コホクニ、」で、隣町の会社で総務のお仕事をされている方にインタビューして執筆しました。45歳で初めての転職をされたと聞いてびっくりしたので、その決断を中心に。

滋賀にはあの「ヤンマー」があるので、ヤンマーと取引されている地元密着のこういう製造業の会社さんがたくさんあっておもしろい。

「キャリアハック」の、ファッションEC「17kg」の秋山さんインタビュー記事。こちらは初めての形式で、構成と原稿のたたきを担当しました。書いていて実際「私も働いてみようかな……」と思ったくらい興味深かったな。

いつもお世話になっている「結婚あした研究所」でりゅうちぇるさんにインタビューし、記事を書きました。

すごく思慮深くて、優しくて、でも覚悟が決まっていて意志が強くて、しあわせになるために妥協しない。忘れられないインタビューになりました。

「自分らしさ」を歌い続けていたりゅうちぇるさんが今回初めてラブソングを歌えた理由とか、いいよね。

あとは今回りゅうちぇるさんの初アルバム発売に合わせた記事だったので、他のメディアでもりゅうちぇるさんインタビューが同時公開されるという初めての経験で、学びになりました。インタビューする機会をいただけて感謝です。

旅行業界で早くからTikTokを導入し、その活用においてトップを走っている「Relux」のマーケティング担当の方にインタビューし、記事を書きました。

この取材のために初めてTikTokをダウンロードしたのですが、操作性がわからず戸惑いながら使うことに。こうして若者と引き離されていくんでしょうか……とか憂いでいないで、TikTokを使いこなすべく泥臭い努力をされてきた結果の今があるReluxの持田さん、かっこよかったです。

あとは4月からモリジュンヤさん率いる編集デザインファーム「インクワイア」に入れていただけることになり、地域に興味があるとお伝えしたところ、まずは「IDENTITY名古屋」の編集(と少し執筆)に関われることになりました。名古屋に詳しくなりたい。

フリーランスになってアシスタントを卒業してからずっと組織に入っておらず、フィードバックだとか仕事のやり方だとかで「もう少しこうしていきたいな」と思う部分がぜんぶクリアされているインクワイアさんに入れていただけたので、今後この仕事を続けていく上で一つの契機になりそうです。

とりあえず、久しぶりの編集仕事がたのしいです。がんばるぞ。

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4月はほぼ日の塾の同期・くりこさんにこんな記事を書いていただきまして、5月に入ってからいただいているご縁は今までお会いしてきた方々がきっかけになっているものばかりで、あらためて、しゃんと生きねばなあと思います。

ゴールデンウィーク中ずっと風邪気味感がありつつも、5月はひとつ大きな新しい挑戦を。がんばるぞ(3回目)。

5月もどうぞよろしくお願いします!


楽しかった今日も、悲しいことがあった今日も、笑顔も涙もすべてを包みこんで、一日に終わりを告げさせてくれる夕方。じんわりとにじんでいく琵琶湖の夕焼けがだいすき。

言葉をつむぐための時間をよいものにするために、もしくはすきなひとたちを応援するために使わせていただこうと思います!