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お菓子を「作る・造る・創る」の違いVol.3

前回まで、作る⇒造るでプロ意識が目覚めるかな?でした。
ココから、シェフパティシエ・オーナーシェフ、経営者パティシエとしての
仕事のメインテーマ
『ケーキ創り』お菓子創り、お店を創る(独立創業の場合)、人脈創りなど
「作る・造る・創るの違い」について解説します。
「解説します」なんて、偉そうに言ってますが言語学を学んだわけでも、大学さえも出ていない田舎のオーナーパティシエですから、権威付けも何も無い「私意私見」ですからね。

オリジナルのケーキ、未発表の菓子、コンテストでの独創的スイーツを「創る」と呼ぼうって訳では無いです。(実際、そう呼んでオリジナリティを審査し、創り出すことを大事にしますが)
あくまでもメンタルトレーニング的に「考え方」として、目標設定として
毎日の仕事を惰性で繰り返すのではなくて、将来の目標や自分と家族の幸せの為、お菓子・パティシエ(パティスリー・お店)への思い入れを強く持とう!って事です。
前投稿に、創業90年・ララ洋菓子店の創業者祖父母の話を挟んでしまったので、軽く「作る・造る・創る」を振り返ります。
『作る』は、お教室や学校、家庭や趣味などで本を見ながら、動画を見ながら?出来上がったレシピで「失敗しないように」作るケーキ・スイーツの事を言うと定義してみました。(過去記事参照
命令されて、義務として、稼ぎだけで「作らされる」作業としてのケーキ・お菓子では美味しい物が出来るはずが有りませんからね。

次の『造る』とは、チームで造る。
実際の現場・ケーキ工房での多くの場合は、この「造る」製造ですね。
自分が任せられたポジション、担当部署を一生懸命に熟して、
尚且つ次へのステップアップや、他のセクションとの連携やお店・チーム全体のバランスなども意識できるようになりますし、成っていくように場数を熟していきます。(ここには「簡単に作れるお菓子」「失敗しないお菓子作り」は、存在しませんね)
毎日の一つ一つの作業、に追われるでしょう。
幾つかの歯車が噛み合わないと失敗します。その歯車の一つ一つ、お店の中の「駒の一つ」ですけど、そこで凹まず、腐らずに自分が居なければ、自分がこの製品を「美味しくしている!」と言う自覚をもって日々精進して欲しいですね。(過去記事参照

蜂蜜3種、ビーポーレン(花粉)などを使ったケーキ(Facebook内で)

そして『創る』です。
小中高・専門・短大などで話す時、「パティシエ(パティシエール)に成りたい!」を目標にしないように。って話します。
目標は、お菓子で人を喜ばせ、幸せにできる仕事。
美味しいお菓子が作れるように成りたい!
自分や親友のウェディングケーキを作りたい!
お爺ちゃん(お婆ちゃん・ご両親・家族)に、美味しいケーキを食べさせたい!
小さなカフェのオーナーに成って、美味しいスイーツを出したい!・・・・など、将来の目標は人それぞれですよね。
パティシエ、製菓衛生士はあくまでもその『手段』ですから。

そして、目標に向かっていく中で、その中に
「お菓子の歴史に残る様な、世界中で知られ、愛される定番菓子を創り出したい!」
と言う様な壮大な目標、ちょっと大袈裟でも構わないから、それらを目指してもらいたい。(今ある定番商品、学校で習う様な古典菓子もそうやって人々のバトンで受け継がれて来たのだから)

その為には、日々の仕事を真面目に熟し、あらゆるレシピを自分のノート(引き出し)に整理しながら、アイテム数を増やして、レシピの構成比率だけではなく、その役割を意識しながら、自分の物にして行けるように。
失敗もキャリアの積み上げなんです。
怒られ、叱られたって「ふんっ!」次はもっと良い物を!と切り替えて。

そして「いざ!」コンテストやお客様からの「お任せ」オーダーがあった時などに
その大事なノート・引き出しから引っ張り出して構成していく。
そこで初めて「自分のお菓子」お菓子を創る仕事が出来るわけです。

次回も、もう少し「お菓子創り」の話

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