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お菓子を「作る・造る・創る」の違いVol.2

前回「お菓子作り」、手作りケーキ、美味しいスイーツ作りました。など
「作る」について書きました。
高校の部活や専門学校の実習でも、お金を払って(材料を買って)作るのですから「ケーキ作り、お菓子作り」ですね。
専門学校でも最初は一つのガトーを始め(計量・仕込み)から終わり(仕上げ・試食・実食など)まで一貫して『自分の物』だけを作りますね。

次の段階『造る』についての解説です。
もうお分かりですよね。事業所登録や、産業分類などでも
「菓子製造業」「パン製造業」など事業・仕事として生業(なりわい)でのお菓子造り、パン造りです。
親方が一人仕事でやる場合も有るでしょうけど、
主に複数の人数をかけて、作業分担・ポジション分けをして造り上げます。
そして、造った品物はマガザン(ブティック)店頭、販売店、ネットモール、代理販売・・・などで『売って頂かなくては!』成りませんし、回りません。

一つのケーキを始めから終わりまで自分で「作る」のはお教室や趣味の世界。
生業(なりわい)として「働くとは?仕事って?」を職業講話などでも、学校やPTAから話す内容の要望書に必ずあります。

『作る⇒造る』


生地を仕込む、焼く、冷ます、場合によってはブラストチラーに入れる、
急速冷凍庫へ運ぶ・・・作業分担や、役割をしっかり守らないと、
次の工程の人に迷惑が掛かるし、美味しい物が出来上がりません。
信頼関係があり、信頼を獲得して「任せられる仕事」に成っていきます。
当然ですが、そこには「責任」が伴います。
時には、厳しいダメ出しや、叱られることも有るでしょう。
お客様からの激励やクレームなどもあるかも知れませんね。
そこで多くの人は歯車の一つとして働くことで「毎日の生きがい・目標」を失いかけたり、今の自分に疑問を持ち始め
「次に行った方が良いかな~?」(店を移る、職業を変える、学びなおす・・)と、立ち止ま手「しゃがみ」悩みます。

アーモンドクリームを詰めて焼いた「ピティビエ」

多くのブーランジュリー(パン屋)、パティスリー(洋菓子店)
ホテル・レストランでの仕事は「ケーキ・お菓子造り」(卸販売すれば製造業)ですよね。
どんなに厳選素材を使っても、複雑な作業工程でスペシャルなケーキを作っても、そこに分担や任せるバトンが無ければ「造る」ではなく「作る」です。
コンテストなどでも、自分で始めから最後まで一つの物に掛かりっきりに成れるなら「お菓子作り」です、
お店やヴァンドゥーズ(販売担当)が売ってくれてこそ成り立つ、
お客様が食べて満足してくれて、初めて商取引が完結するわけです。
ニーズがあるから、働けるのです。

また労働と対価がそこに有り、生活の保障やチームでの達成感、
やりがいや将来設計の「1ページ」として大事な部分です。
プロとしての自覚に目覚め、責任感を持って、チームの一員として、業界を背負って(それはオーバーですが)
ケーキスイーツを造って、毎日々繰り返されるようで「毎日が違う」事が分かって来るのも「作るから⇒造る」に変わった頃に成ります。
どんなに偉大なシェフも、有名スターシェフも必ず「この道」を通っています。
一昔前の「修行・修業」などとは言いたくないですが、そこで挫けずに時に遠回りして逃げたくなる気がチラついても、
元の道に戻るべく「ケーキ造り」に没頭する時期が必要です。

そして、見えてくる「ケーキ創り」
次は、いよいよ「新しいスイーツを創る」です。

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