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九州に来る

九州各県は地続きなぶん方言も共用部分が多い。

学者ではないのでどちらが先に使いだしたとか、そんなことは調べたりもしないのだが。福岡・佐賀・大分・熊本・長崎は本州の方からすると同じに聞こえるだろう。

共用という意味で一番使うのは「よか」「…やけん」「…とさ」など。九州北部地域でこれを使わないのは潜りだ。

店に来た関東のお客様。ご近所と私の会話に固まっていた…

「よんにゅもらったけんさ、少し食べんね。皿ごとやっけん。」

「よかと?好いとっちゃんねー。皿ばあとで持ってくっけん。」

解)たくさんもらったから少し食べない?皿のままあげるからさ。

解)いいの?好きなのよねー。皿はあとで持って行くから。

ここでポイントは「持ってくっけん」

「来る」とは九州では「行く」に使うことが多い。

これを方言だと気づかずに生きてきて、中学古文の文法ではじめてその違和感に気づく。しかも、これがなかなか抜けずに不意に出るのがなんとも恥ずかしい。親世代にはもはや直す気すらない。

自分が行くときに「今度(そっち)来るね」

新作映画の予定が決まった時に「今度(新作)来るね」

自分の中ではしっかり内容捉えているのに言ってる言葉は同じ。なんと悲しいことだろう。笑ってごまかすしかない10代だった。中2の息子もよくやらかすが、別に教えてあげることなく流す。

そのうち世間と話すうちに気づくのだから。むしろ気にせずに使っているのがかわいくて仕方がない。

「仕舞う・片付ける」ことも「なおす(直す)」という。

これも九州あるある。

「こがん(こげん)とこにハサミば置いとかんでなおさんね!」

解)こんなところにハサミ置いてないでしまいなさいよ!

方言を語りだしたら夜が明けるね…

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