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2022年から23年への橋渡し#note書き初め

 日本の一大行事であるお正月、皆様如何お過ごしでしょうか。我が家は今回の年末年始は少しゆっくりするつもりでした。クリスマスや元日を親戚一同で集うことも無くなり、受験期を終えた息子は年越しを仲良しグループと山で過ごすと言います。食事作りにもそんなに力を注がなくても良さそう。これは神様が下さった休暇なのかも⁉︎と。

 昨年のお正月に招待した、階下の友人の息子さん(通称、クッキング男子)にも声をかけてみたのですが、大晦日になっても返信がありませんでした。友人(彼のお母さん)の話では、クリスマスの帰省には彼も同行するものの、インターンの仕事の都合で長居は出来ず。年越しはこちらになるとのことだったのに。ただ、今回は弟くんも一緒なのでひとりぼっちのお正月ではないそう。他人の家で気を遣うより、兄弟水入らずのお正月が良いのだな、そんな風に思っていました。加えて、昨秋に家族を見送ったこともあり、新年を盛大に祝うという心境にもなかなかなれずにいたのも、ゆっくりしたい理由の一つでした。

 こちらの大晦日は、日本との時差の関係で朝からNHK紅白歌合戦の生放送があるので、それなりの時間に起きてその時間を待っていました。普段は日本の流行歌に接する機会があまりなく、この一年の歌謡界総決算のような気持ちで視聴します。紅白がはじめまして、のアーティストもとても多いです。出場歌手の詳細については、J-POP好きの娘の方がずっとよく知っています。

 とはいえ、こちら時間の朝の放送なので、TVの前に陣取ってじっくり腰を据えてと云うわけにもなかなかいかず、途切れ途切れでの視聴です。幸い、年越しの買い物は夫が済ませてくれていて、お雑煮のお餅やら、新年にいただくお刺身やらは然るべき場所にそれぞれ保存されています。わざわざ激混みの東洋人街で買い物をする必要がなかったのは助かりました。

 今年の紅白も、若い方達のパフォーマンスに「なるほど〜」と感銘を受けながらも、昔懐かしき曲に自分の思い出をあれこれ重ねてはセンチメンタルになったり、それなりに楽しみました。今回特に琴線に触れたのは、サザンの桑田さん率いる同級生バンドの「時代遅れのRock’n‘Roll Band」のパフォーマンスでした。バンドのメンバーは桑田佳祐 feat.、佐野元春、世良公則、Char、野口五郎(敬称略)の皆さん。同じ年代を生きる良き友人であり、時にライバルであり。おじさんならではの余裕のユーモア、それでいて少年のような悪戯っぽい表情。しかも、それぞれを見つめる眼差しは温かく慈愛に満ちていて。皆さんの個性が炸裂、男気の感じられる素晴らしいパフォーマンスでした。曲のメロディーはもちろん、詞も今のご時世にぴったりマッチするのもいいですね。心がジーンと温かくなる大好きな曲です。

 紅白が終盤を迎える頃、もう一つお楽しみがありました。NYのジャズピアニスト、大江千里さんのインスタでのカウントダウンライブです。昨年はNYの富ジャズというジャズクラブからの配信を現地時間で視聴しましたが、今回はNYのご自宅から日本時間に合わせてのカウントダウンでした。

 あちらも私の暮らすサンパウロも、大晦日の朝(昼)時間で、周りが明るい中でのプレ年越しでした。楽しいおしゃべり、昔の名曲をサラッとピアノで弾かれたり。ピアノの「ラ」の鍵盤がへこんで音が出ないそうなのですが、そこを上手に避けて演奏されるお姿には見惚れてしまいます。チャットから言葉を拾って反応してくださったり、いつもながらサービス精神が旺盛。至福の時間でした。

 日本のお正月ならではの童謡「一月一日」の「年の始めの試しとて〜♪」を懐かしく聴いていると、歌詞があらぬ方向へ。さすがインプロビゼーションのジャズピアニスト!と感心していたら、最後の着地は何と「大きな栗の木の下で」。へっ⁉︎と思いながら大いに笑わせていただきました!

 体調の不安や、トラブルを抱えている人などいると思うけれど

「僕がここで大明神で言っちゃうけど、全部上手くいく」

は、誰をも励ましてくださった力強いメッセージ。ご自身の2023年のresolution(決意)は、concentration(集中)だそう。日々すべくことをクリアーにして、一歩一歩前進!というようなことを仰っていました。

 半日違いのカウントダウンを祝った後は、サンドイッチで簡単に昼食。夜は前日に仕込んだ煮しめとざるそば、お刺身でシンプルに。こちらの22時には、日本の家族と久しぶりにオンラインで繋がることになっていたので、紅白の再放送を横目で眺めつつその準備をしました。

 実家の母も弟の家に泊まり込んで参加、何ヶ月ぶりかに動く姿を見ることが出来ました。孫たちの近況に興味津々、夫の色々な苦労を推し量ってもくれて。自分のことで精一杯であろうに、親ってありがたい存在だなぁと改めて思いました。夫も簡単に今の状況を説明、色々あっても

「今の仕事はやりがいがある」

と断言していたのがまた印象的でした。自分で立ち上げている今のプロジェクト、そして全くのボランティアでお手伝いしている日系の病院の再建。

「何十年も続いてきたその病院をダメにしてしまうわけにはいかない」

と普段はなかなか口に出さない本音も出ていました。本業も手探り状態で進めていて忙しいのに、ボランティアのこの仕事も、会議やら人間関係の交通整理の果てまで、生半可な気持ちでは引き受けられないとつくづく思うここ数年。数週間前にコロナに感染した時も、ほぼ寝込むことなくそれぞれの仕事をやり遂げて、流石に心配でした。弟経由でそんな話を耳にしていたのでしょう。母は夫の健康もとても心配していました。

 若かりし父が会社を辞めて自営を始めた時の苦労話も夫に語ってくれました。脱サラ後の6年間は本当に大変だったと。私が小学校4年生からの6年間で、幼心にも家の状況はなんとなく察知はしていたものの、初めて明かされる事実に衝撃を覚えました。「今は大変でも、いつかきっと上手く行く日が来る」、と母なりの夫へのエールだったのでしょうね。

 先月88歳の米寿を迎えた母。画面上でもしっかりとしていて安心しました。趣味が色々あるようなので、それらを楽しみながら今の健康を維持、私が会いに行ける日を待っていて欲しいと願ってやみません。最後に撮ったスクリーンショットはなかなかうまく行かなかったけれど、それが皆の笑顔をさらに引き出してくれたように思います。不器用な夫に感謝!

 紅白の再放送が終わる頃、こちらもざわざわと騒がしくなって来ます。そうなるとTV番組もNHKから現地の放送局にチェンジ。こちらの年越しの習慣の白い服を着て、ベランダに出てその瞬間を待ちます。

「10、9、8、7、6、5、4、3、2、1......」

「Feliz Ano Novo‼︎」

あちこちから明けましておめでとう!の声が聞こえてきます。そして花火が。

https://vimeo.com/785719243

(動画が開かない場合はこちらからどうぞ↑)

 住宅地であるこの辺りでは、個人的に花火を上げているお宅が多いようです。遠目にもあちこちで花火が上がっているのが見えます。

これも個人であげているのでしょうか。高くは上がらず規模は小さめ。でも音は一人前。

 新年の乾杯は早めに済ませていたので、肝心の時間に夫は既に夢の中。花火鑑賞の後は、娘と街の様子、特設ステージで開催されているショー(セルタネージョと云う、いわばブラジルのカントリーミュージックの歌手による)を少し鑑賞していました。ブラジル時間に合わせて新年のメッセージを送ってくださった日本の友人が何人かいらして、感謝の気持ちもいっぱいに眠りにつきました。

 翌日の元日の朝も穏やかに過ぎる予定だったのです、娘の開口一番を聞くまでは。何とあのクッキング男子から返信があって、弟くんと共に元旦の昼食にやって来るとのことなのです。それからはもうおおわらわ。掃除をしてメニューを考えて。お雑煮はもともと作る予定だったので(里芋、人参、大根などの根菜類に青梗菜を入れるおすまし仕立て。東京出身の母は、根菜類に、鶏肉や小松菜も入れていました。そしてお餅はやっぱり焼き餅。)、冷凍されていたシュラスコ用の肉をオーブンで焼き、ポテトサラダ、ビーツ入りのグリーンサラダ、兄弟のお母さん(私の友人)がいつぞやにお裾分けしてくれた、チキンのタルトを解凍して焼き、朝市のお刺身を出すことにしました。後はご飯さえたっぷりと炊いておけば、青年男子3人も何とかお腹いっぱいになるのではということになりました。

カナダに本格的に移住することになった義弟の送別会で焼く予定だったブロック肉。結局メニューはすき焼きになって使わず。冷凍されていたものをここぞ!とレスキュー。切り分け(私の苦手分野)やその後の調理は夫にお任せ。
焼き上がり。

 急なことで慌ててしまいましたが、何とかそれらしい食卓になったでしょうか。今回は男子たちがパパッとおにぎりを握って持って来てくれて、気の利くことに感激しました。山に出かけていた息子も、遅めの昼食にゴールイン。好物の肉に舌鼓を打っていました。階下の2人はなかなか感じの良い好青年で、たちまちうんちく好きの夫の餌食?となってなんとも気の毒なことに。でも、アルコールが大分入って気分が良くなった夫が昼寝をしている間に、若者たちはボードゲームなどを楽しんでいました。平和な年明けとなりました。

 2023年どんな年になるのでしょうか。何事も自分の心がけや捉え方次第とは思いますが、とにかく健康第一で、2023年が2022年より少しでもいい年になることを願っています。終わりよければ全てよし、を年末に実感できるよう、精一杯頑張りたいと思います。ブラジルではクリスマスから続くホリデー気分は元日で終了。本日2日から通常運転です。6日にクリスマスツリーを片付けて、さらに本格的に2023年の始動となります。

 引き続き良いお正月を。今年もどうぞよろしくお願い致します。

【追記】

 娘は1999年の卯年の生まれ。1月4日から晴れて社会人の仲間入りをします。まだまだ半人前で人生はこれから。うさぎのように跳ねて跳ねて!良いスタートを切ることが出来ますように。。


【新年のおススメミュージック】

 今回はもうこれ一択で!映像も是非お楽しみください♪


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