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Docinho de abóbora (カボチャのお菓子)
子供たちがまだ幼かった頃、10月は我が家にとって祝い事の多い月でした。12日の子供の日に始まり、息子の誕生日、先生の日、そして月末のハロウィンへと続きます。
ハロウィンの数日前から、親たちはアパートの子供達の訪問に備えてお菓子の準備をします。この時期のスーパーのお菓子売り場はいつもより更に賑やかです。
お菓子売り場でなくてもこんな風に楽しいディスプレイになっていたり。。
用意するお菓子は高価な物でなくて良いのです。むしろ安くて思いっきりカラフルで砂糖たっぷり。いかにも体に悪そうなのが返って子供達には人気。例えばこんなの。
舌の上に暫し乗せておくとタトゥーになるキャンディーは子供たちの大のお気に入りでした。それをよく知っているスクールバスの運転手さんが、この時期子供たち全員にプレゼントしてくれたものでした。
その他、舐めると舌が真っ青になるキャンディーとかガムなど。色々取り揃えて準備をします。
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ある年のハロウィンのお話です。いよいよ準備が万端に整った当日の晩。夕飯後の9時くらいになると、同じアパートに住む、子供たちの仲良しさんたちが、我が家のベルを鳴らします。ドアを開けると思い思いに仮装をした子供たちの姿が目に飛び込んで来て、びっくりするやら微笑ましいやら。。
娘、そして初参加の息子と合流し、仮装集団は非常階段を使って下へ降りて行きました。下から上に上がりつつ、住民からお菓子を回収する計画のようでした。
ところがものの15分もしないうちに息子が泣きべそをかきながら娘に連れられて戻って来ました。非常階段の防火扉に足を挟んだとのことでした。グループのリーダーである少年に
「ニコラス、いつまでも泣いているんじゃない。そんなヤツは置いて行くぞ!」
と言われて、本当に置いてきぼりを喰ったそうです。弟を送り届けた娘は当然のようにグループを追いかけて行きました。あぁ、子供社会の厳しさたるや。
そして小一時間もすると。。
賑やかに仮装集団が戻って来ました。手には友だちのお母さんにきちんと平等に分けていただいたお菓子の入った袋を持って。
途中で棄権した息子にも。。
きちんと分け前があったようです。
アパートの住民には大人だけの家族構成でお菓子の用意がない家庭もあったそう。
「生憎何もないんだよ。何でもいいのか?」
「ええ、もちろん!」
「じゃ、これで。。」
とトイレットペーパーを下さったおじさまがいらしたそう。かといえばドアを開けた途端に何も言わずにバタンと閉められたり。顔見知りとはいえ世の中は甘くはないですね。これも社会勉強のひとつなのかも。
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前置きが長くなりましたが...塩梅かもめさんの楽しい、楽しいハロウィンの企画に参加します!
こちらでは宗教行事ではないハロウィンは、クリスマスと比較するととても地味な存在です。アメリカのように家の外を飾る習慣もありません。ハロウィンの特別料理も残念ながらすぐには思いつきません。
でもハロウィンといえばお菓子、お菓子といえばブラジル流にコンデンスミルクをたっぷりと使った甘いお菓子が良いかな。
ブラジルのベーカリーには、このショーケースの下段のあるようなコンデンスミルクを使ったお菓子が必ず売られています。特に人気なのは真ん中にあるブリガデイロ(brigadeiro)。コンデンスミルクとココアパウダーを火にかけ練り上げたら冷まして丸め、チョコスプレーを身に纏わせます。誕生日のバースデーケーキのお供に欠かせない存在です。
見た目や名前はそれぞれですが、どのお菓子もとにかくコンデンスミルクが主材料。ココナッツを使ったお菓子はベイジーニョ(beijinho ちっちゃいキスの意味)と呼ばれています。
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ハロウィンといえばカボチャ。コンデンスミルクとカボチャを使ったお菓子作りに挑戦してみました。その名も・・・
【Docinho de abóbora 】カボチャのお菓子(そのまんま...汗)
【材料】
カボチャ 300g
コンデンスミルク 1缶
バター 大匙一杯
お皿に塗るためのバターもしくは油
丸めたカボチャを潜らすための砂糖
飾り用クローブ
【作り方】
①カボチャを茹でる。(レンチンやオーブンで焼いても構わない。)
②柔らかくなったカボチャの皮を剥き鍋に入れ、バター、コンデンスミルクと共に弱火にかけよく練る。
③ほどよい濃度に練り上がったら、油を塗ったお皿に薄く伸ばし冷ます。粗熱が取れたら冷蔵庫へ。
④適度な硬さになったら冷蔵庫から取り出して丸め、爪楊枝でカボチャらしい模様をつけてクローブを飾る。出来上がり。
ベーカリーで購入したカップケーキなどと共にハロウィンらしく?盛り付けました。カボチャのつもりがちょっと花のようにも見えますね。カップケーキのクリームもコンデンスミルクベースのブリガデイロで甘い汗)。
今回のためにスーパーで買った懐かしのキャンディー大袋50本入り。息子が選り好みをして苺味が早くも無くなりそうです。代わりにグリーンのレモン味、オレンジ味が大量に残っています。飾り用に買ったクローブも何に使ったら良いものやら、頭を悩ませています。
【本日のオススメジャズ】
ニューヨーク在住のジャズピアニスト、大江千里さんのビッグバンドでの演奏によるアルバム、Spooky Hotelより「Swab Family」。ハロウィンの今の時期にぴったりな一曲です♪
それでは皆さまも楽しいハロウィンをお過ごしくださいね!
Happy Halloween 🎃👻🧛♀️
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