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足の採寸をしてきて思うこと

数千人の足のサイズを測り、そのお客様にあった靴を提供するという仕事を15年以上しております。


ある程度の足の特徴や傾向などわかる部分も増えましたが、やはり靴のサイズは難しいです。それぞれの人生において感覚的に選んできた靴というものを、数字と論理で合わせて作るという部分が特にですね。感覚として履き心地が良いと思ってもらえるようにオーダーメイドで作るというのが難しいと思います。


まず、足に対して靴のサイズはJIS規格で決まっています。

足長と足囲と足幅からサイズがわかるようになっています。


足長に対して足囲、足幅の数値で皆様ご存知のA,B,C,D,E,EE,EEEとワイズが決まってきます。

これは靴と足の関係性の基本になるのですが、ここまでのことを知らずに靴を履き続けている方の多さが、この人生100年時代に大きな影響となってきます。


どのような靴が良いものなのかという定義自体がなかなか簡単に言い表せないというのがより複雑な問題にしてますよね。

例えば、全く同じ素材、同じ靴型で2種類のデザインを作るとして、パンプスと紐靴で履き心地が変わります。

靴下の厚みも影響がありますし、中敷の滑りやすさ滑りにくさでも変わります。

ソールの厚みでも変わります。


各デザイン毎に履き心地が良い靴というのは微妙に変わってくるのです。

体の使い方も見逃せなくて、爪先を重点的に使う歩き方、膝裏を酷使する歩き方、腿の外側を無意識に使う歩き方などなど、自身の体の使い方や歩き方をプロスポーツ選手並みに把握することがとっても大事になります。


まとめると

●足の足長、足囲、足幅を知り、JIS規格と照らし合わせる。

●数値の判断に困ったら、靴製作か足か歩き方のプロに聞く。

●ヒールの高さなどのちょっとした違いの何種類かの靴をそれぞれ履いた時の体の使い方を把握する。


この3点が揃うだけで劇的に足と健康に関する状況が変わります。


昨日もご自身のサイズが25.5㎝くらいだと思っているお客様の採寸をさせていただいたところ、足長だけで見ると26.5㎝、幅は一般的な日本の靴事情を鑑みてわかりやすくお伝えすると24.5㎝くらいの方で(かなり細め)、縦横で2㎝くらいのギャップ(Cワイズ)があるお客様が、ご自身の足を甲高幅広だとずっと信じ込んでいたとおっしゃっていました。

その為足は細いのに幅の広い靴から選ぶようにしていて、足にかなりのダメージの蓄積が見受けられました。


こういった勘違いが健康に影響を及ぼさないよう、少しずつでも足を計測してお伝えするという活動を続けていきたいと思います。





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