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運営戦略に乗せられて…結果

2月6日(土)

「変だなぁ。パックのお茶がないなぁ」

と、スーパーで買い出しをしている僕は、マスク越しにつぶやいてみた。通路の両側は色とりどりの液体を有した飲料商品が、プラスチックや瓶の入れ物に入り、列なっている。

その裏手にあるのが、コーヒーや紅茶といった、いわゆるインスタント飲料を扱っているはずのコーナー。しかし、通路を歩いている限り僕の好きな「お〜い、お○」のパックが見えない。

英国王室ご用達である高級粉末と、わずかな緑の茶葉。そのすき間に日本茶パックが確認できるだけだ。手に取って見ると、産地や銘柄、分量と何を取っても申し分ない。パッケージのデザインもエメラルドを基調にしたシックなものだ。

「これで、いっか」

当初の目的物とは異なるが、カゴに当該商品を入れると目的は一応達成されたことになる。ここでレジに向かっても良いのだが…同時に、ここからはスーパーとの心理合戦の開始でもあった。

いかに、余分な物を買わせるか、、、

この先の通路を左に曲がれば大好きな惣菜コーナー。昔、スーパーを舞台にした映画を見たことあったので、入り口から反時計回りに客を誘導する店内構造が多いとは聞いたことがある。

しかし僕のセコい思考は、そんな心理トリックからはアンチェイン。ただ一点だけに注目して購買の可否を決定してしまう。

あらゆる客層が跋扈するなかで、僕は目の前の店員だけを見ていた。正確には、彼の手元を見ていた。中年男性がしゃがんでいて、手元の端末から器用にシールを発行している。近づくと、割引シールだった。仕事終わりのサラリーマンが多い時間帯を狙ったものか。

これが20%以上ならば、めでたく我が家の冷蔵庫に納められるのだが、10%ならば見送るのがマイセオリー。ならば正規金額で買おうと、無駄な虚栄心を発揮する。

結果は…。30%!ようこそ、我が家へ!
しかも惣菜だけではない。通常の弁当、スイーツも同様額の割引である。出血サービスを展開するスーパーの懐事情を察しつつも、明日の昼飯もゲットだ。一人暮らしの利点は好きな時に好きなだけ間食できることに尽きる。

ツマミとばかりに、ついでの購入を繰り返しては、気がついた。お茶パック一箱の代金で良かったはずなのに…結局10倍ほどの支払いになっていた。

でもいいのだ。大好きなものに囲まれるのは幸せなのだ。運営側の戦略に、まんまと手のひらで踊らされるのは実に楽しいのだ꒰ ´͈ω`͈꒱✨

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