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smashing! たのしいなみにのっかって

佐久間鬼丸獣医師と喜多村千弦動物看護士が働く佐久間イヌネコ病院。そこで週1勤務をしている、大学付属動物病院の理学療法士・伊達雅宗と経理担当である税理士・雲母春己は付き合っている。そして最近、二人と一緒に住み始めたのは伊達の後輩で恋人の設楽泰司。

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今日は日曜で三人ともお休み。ゆうべ遅くまで部屋でゲームしてた(らしい)設楽の姿が見えない。朝早くからどっか出かけたみたいね。朝飯食ってから雲母ハルちゃんと俺は庭の菜園を手入れして、そのまま車で買い出しに。俺とハルちゃんの好きなフルーツや鶏肉、設楽の好きなぐるぐるソーセージとか牛肉とか。キロで買っときゃ足らない言われないだろ。特に肉が安かったみたいで、お会計でびっくりしたわ安くて。これきっと昭和の値段だわ知らんけど。

ハルちゃんとお茶して戻ったら設楽が帰ってきてた。なんかいっぱい土産?の袋があるねえ。ちょっと遠出して「チャレンジ」してきたんだって。何?なんのチャレンジャー?そしたらどうやら「大盛りラーメン早食い完食で豪華賞品ゲット」なやつだったらしい。余裕でした。そんなこと言ってる設楽のハラを触ったらさ、ぽいんって出てるの!そこだけ!食っても全然身にならない子なんでこんなハラ初めて見たんよ。そんでハルちゃんと一緒に念入りに触ってたら「やめましょう勃つから」ってやんわり断られたん。ハラ触っただけなのに!どうしようかな昼にさっき仕入れてきたローストビーフで丼にしよう思ってたのに。

「お前の、それじゃ夕飯にとっとこうかね」
「問題ないです。まだ入るんで」
「え!まだお腹大丈夫なんですか設楽くん!」

ハルちゃん目がキラキラしてんだけど。なんかわかるわ、フードファイターって見てて感動するんよね…とは違うんだけど。設楽はハルちゃんが出してくれたローストビーフ丼を涼しい顔でわしわしと食らう。

「ものすごく旨いです。肉柔らかい…」
「ていうかさ設楽、そんなにラーメン食いたかったん?」
「設楽くんの大好物ですよね確かに」
「あ、忘れてた。実はですね…」

手提げ袋に入っていたのは「超限定スイーツ詰め合わせ」。量すごいな!キロ単位なの?見た途端ハルちゃんの目の色がなんか変わったんだけど!?

「…予約も難しいお店のやつですね…これが目当てで?」
「これならお二人ともに、どストライクだと」
「俺らのためにフードファイトしてきたの !? 」
「(…ファイト?)そうとも言えます」

でもこっちも捨てがたかったんですよ。そう言って出してきたのは、これも入手困難な新型ゲーム機の引換券。なにこのゴージャスな賞品。頭おかしい。あたおか視点?それにしても嬉しいもんだね。いい子ね設楽は。お腹ぱんぱんにして獲ってきてくれたなんて。

「新装開店で、派手に客寄せしたかったみたいですね」
「SNSとかにもあげてくれってやつじゃないん?」
「あ、もうアップしました」

そしてここにきて初めて知った事実。設楽お前いつのまにインスタ…まさか俺らのあからさまな赤裸々なやつはあげてないよね?だいじょぶよね?

「…僕のにはすでに…ンフ♡」
「雲母さんは鍵っ子ですから安心ですね」
「…んなんでええええええ!」

見てくださいこれ「まじん」「スグルン」あと「いなせなお風呂屋さん」「ウシオ♡マダム」あとは…

知らなかったの俺だけ?俺だけなの?設楽とハルちゃんが楽しそうに画面を見せ合う中で、俺もいよいよ始めないといけないの?そんな雰囲気に強制的に巻き込まれた、ような気がした。




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