佐久間イヌネコ病院 luv.70 みつめてみつめられて

伊達さんは僕を観察（視姦×）してるんじゃないかってくらいにずっと見つめておられます。あ、ずっと、というのは語弊がありますが、気づけば僕を見つめている、という感じですか。リビングからキッチンに移動するとき、お風呂に入るとき、ワーゲンに乗り込むとき。さりげなく、でもじっくり。なんとなく擽ったく思えるその感覚は僕にとってはちょっとした興奮剤。

僕は伊達さんが大好き。そして伊達さんも僕のことが大好き。ということは僕は伊達さんに何されても何の問題もないのです。見られようがいきなり車中で事に及ぼうが（？）全てあの方の望まれることならば僕は何なりと受け入れられるのですから。でも伊達さんはただ、僕のことを見つめるだけ。憧憬を込めた熱い眼差しで何度も、合わされることのない一方的なその視線を、むしろ当たり前のように快く感じながら。

僕は全身がお顔ですからどの角度から見てくださっても構いません。どこぞのヘヴンリーシスターズよろしく伊達さんに囁く。彼はその優しげな垂れ目を瞬かせて、ハルちゃんはどっから見ても綺麗よねえ。おそらく伊達さんほど僕の造形に詳しい方はいないと思います。

それでも、伊達さんはご存知ないかも。僕は伊達さんの細部に至るまで、機密ファイルよろしくデータ管理しているのですから。外見、内臓、骨に至るまで。ンフフ。ヒトの内部ってすごくストイックで、何よりも美しいと僕は思うんです。

雲母春己
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佐久間イヌネコ病院
ハルさんはパソコンに詳しくて
それこそいかなる窓もリンゴも
ハルさんの前では従順になる
伊達さんが呟いてたっけ

それとは全然関係ないのに
ミクロの決死圏て映画を
思い出しちゃったんだよね

（院長）